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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第3章 強化期間
150/612

149・隠しエリアに挑戦してみた④

「・・・これ・・・は・・あかん」

「あなたー!(笑)」

「「「・・・」」」


目の前で行われている茶番劇を無言で見守る。

ココアだけは爆笑だが、僕らはもう見飽きて正直どうでもいい。仲良いのは分かったから早く先へ行けと内心イライラしてきた。


「兄さん早く行ってよ!」

「待て! 今回復中だから!」


そしてユウさんが毎度言うが、カイザーさんはトラップで受けたダメージを回復中と言って聞かない。トラップの身代わりになってくれるのは助かるが、殆どに引っかかってその都度回復しているため、待ち時間がかなり長い。

正直これなら僕がトラップ探しながら歩いた方が早い。


「もう俺らだけで先に行かね?」

「そうしたいけどココアどうする?」

「好きな方についてくるでしょ」


僕らは頷き合う。

そして未だ回復中のカイザーさん(茶番劇中)の横を無言で追い抜いた。


「は? お前らどこ行くんだ?」

「先行きます。あ、カイザーさんは回復してから来てもらっていいんで」

「え、あ・・・待ーー」

「兄さん、鬱陶しいから先行くね」


「待って」と言いそうになったカイザーさんにユウさんが止めを刺す。ド直球すぎる気がするがユウさん的には大したことないらしい。後で「大丈夫か?」と聞いたら、「どうせすぐ忘れるわ」とため息混じりに言っていた。


「待って待ってー!」


ショックで沈むカイザーさん達を置いてココアが急いで飛んでくる。てっきり彼らと一緒に行動するのかと思ってたが・・・


「何だ? ココアはあっちと一緒の方が良いんじゃないのか?」

「えー!? 流石にあの2人だけと一緒は無理だよー! 居心地悪いー」

「そ、そうか・・・」


というわけでいつものメンバーで先へと進む。またいつのまにか僕を先頭に隊列ができており、否応なしに僕がトラップを探す。まぁこの辺は感知式が多いからゆっくり行けーー


「おっと! 痛っ!」

「おっとすまん。急に止まるなよ」

「なまけが近付きすぎなんだよ。あとちょっと下がって、ここ落とし穴ある」


踏んだ石畳みの一部が暗闇に吸い込まれるように落ちて行く。思いっきり踏みつけてたらあの暗闇に僕も一緒に落ちていただろう。危ない危ない・・・

みんなが下がったのを見て『火球』を落とし穴の中心っぽい所に撃ち込む。爆発とともに周囲一帯の石畳みが崩れ、大きな穴が出来た。思ったよりも大きい落とし穴に焦る。


「おい、道無くなったぞ?」

「・・・そだな」


僕に言うなよ・・・


「あっちの上から行けそうじゃない? ちょっと遠回りだけど」

「あっちって・・・あの建物の上か? 結構迂回しないといけないぞ? ココアに連れてってもらった方が早くね?」

「えー!? あたしー!?」

「多分無理。多分飛んで渡れないようになってると思う」


多分意味わからない引力で引き込まれて終わる気がする。じゃないと飛んでる魔物に有利過ぎる。大体前の階段の所でも、ココア飛べずに落ちたからここもそうだろう。


「ふーん・・・なるほどな」


そう言ってなまけものはその辺に転がっている石を掴んで穴に向かって投げる。恐らく僕の推測を検証するためだろう。途中で吸い込まれるだろうと思ってたが、放物線を描いた石は何事もなく反対側まで飛んでいった。


「大丈夫みたいだな」

「あれ〜?」

「よしっ! じゃあココア頼む!」


2、3回石を投げても大丈夫だと確信したなまけものはココアに頼んで持ち上げてもらう。ココアが辛そうだが、このまま行って大丈夫か?


「だ、大丈夫ぅ・・・」

「頑張れココア! お前が頼りだぞ」

「大丈夫かしら?」

「さぁ・・・?」


ふらふらとしながらココアが落とし穴の上を渡る。今にもなまけものを落としそうだが、さっきまでの石と同じで落とし穴に吸い込まれることは無さそうだ。


「行けそうね」

「うん・・・んんっ!?」


半分くらい過ぎた所で、急にココアの高度が下がる。一気になまけものの位置が僕らの立っている位置よりも下がり、暗闇に片足が突っ込む。同時になまけものが慌て出した。


「うおおおお!? おい、どうした!?」

「何か・・・急に、・・・お、おもっ、重・・・い!!」


ココアも焦りからか翼を思いっきりばたつかせているが一向に高度が上がらない。進んではいるがあのペースだと2人と穴の暗闇に飲まれてしまうだろう。


僕は咄嗟に叫んだ。


「ココア! なまけを捨てろ!!」

「ちょぉ!! お前ぇ!!? 何言ーー」

「ごめん、なまけ!」


僕の声を聞いたココアがポイっとなまけを捨てた。


「あっ! あーーーー!!」


そして暗闇になまけものは消えていく。数秒後に[なまけもの:Death]のインフォメーション。

ココアはなんとか反対側に到達し安堵しているのが見える。


「私達は迂回しよっか」

「そうしよう」


僕とユウさんは手を合わせてなまけものを見送った後、ココアに迂回する旨を伝えて僕とユウさんは立体住居の中へと足を踏み入れた。

次回更新は明後日の予定です

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