147・隠しエリアに挑戦してみた②
あけましておめでとうございます。
今年もちょくちょく更新していきますのでよろしくお願いします
体のあちこちがそれなりに痛い。
結構な高さから落下したが、下が地底湖だったため落下量に対しダメージはそれ程無い。
澄んだ水の中を泳いで岸を探す。すぐ近くの上がれそうなところから上がり、みんなに連絡する。
ポンタ :下が水で助かった
なまけもの :戻れそう?
ポンタ :結構深いとこまで落ちたっぽいし無理かも
なまけもの :りょ。とりあえずこっちはこっちで進むわ。あとココアも落ちたから拾ってくれ
ポンタ :・・・了解
あっちは大丈夫そうだ。
しかし拾えと言われてもココアは居ないぞ。というかアイツは飛べるんだし落ちることないはずなんだが・・・
「あ、居た〜!」
キョロキョロしてると水の中からココアが現れる。飛び出して魚の姿からいつもの鳥モードに変化して僕の頭に乗った。
「えへへ、落ちちゃった」
聞くと僕を助けるために穴に入ったのだが、途中から上に上がれなくなり落ちたそうだ。穴に入ったら飛べなくなる設定でもあるのだろう。じゃないと飛べる者が1人でもパーティに居たら無意味なトラップになってしまうからな。
「トラップじゃないんじゃないかな?」
「ん?」
「だって落ちた時点で死んでないもん。普通こういうのって死ぬ前提でしょ?」
死ぬ前提ではないと思うけど・・・
確かにあの高さから落ちて死なないのは少し変だ。仮にHPが低い魔物でも僕と同じように水がクッションとなって死なないだろう。目の前に通路もあるので運営も死なないことを想定していることになる。
というかあんな見え見えの罠に引っかかるバカはいないはずだ。意図的に入ろうとしない限り避ける。
もし運営がその心理を逆手にとってるのであれば・・・もしかしてこっちで合ってるのか?
元々隠し階段から入ってるのでこっちが合っていてもおかしくない気がしてきた。
さてこれからどうするか。
ここから行ける通路は目の前の一本だけなので、進むとしたらそこしかない。オアシスに強制転移は可能だがこの道が当たりなら先に進んでおきたい。ただ・・。罠だらけな予感がしてならないな。
「ほら行こー」
「え? あ、うん」
が、ココアはそんなこと全く思っていない感じで言い、進めと言わんばかり踏んできた。
仕方なしに恐る恐る通路に入る。さっきよりも暗いので一歩一歩慎重に進む。
シュイン!
「っぶなぁ!」
目の前で地面から槍が突き出してきた。そのまま天井へと突き刺さる。慌てて数歩戻ると槍は何事もなかったように地面に埋まる。そして近付くとまた突き出した。
恐らく僕が近付けば出てくる仕掛けらしい。普通に歩いて行けば今頃串刺しになっていただろう。
「『毒双斬』」
突き出してくる槍は危ないので壊れてもらう。根元から折ったので、通っている最中に飛び出してきても当たらないだろう。
まさか地面に戻った瞬間直るとかないよ・・・あ、大丈夫だ。
それからもちまちまと壊しながら進むこと十数分、ようやく周囲に変化が出てきた。
洞窟のような壁は徐々に石畳へと変化しているし、槍のトラップが剣になったり、矢になったりとバリエーションが増えてきた。同様の方法で突破しどこかの地下遺跡に出る。
「「おお~」」
2人して壮観な光景に声が出る。
地下の大空間に石畳をメインに作られた立体住居が所狭しと立ち並び、権力者・・・じゃないな、神か何かをたたえるような像がそこら中にある。遠くの高い場所に祭壇のような場所と一際大きな像も見えた。
「ここが隠しエリアの最終地点かな?」
「そうなの!? ユウちゃんとかはまだ来てない?」
「チャットで聞いてみて」
恐らくはあの祭壇がゴールだと思うが・・・どうやったらあそこに行けるんだろうか? 見える範囲には階段なんて無さそうだしなぁ。
「ユウちゃん達死んだから今こっち向かってるって」
「え? ・・・あ、ホントだ」
チャットで連絡してたココアの言葉で僕もチャットを見る。ユウさんとなまけものはあの後トラップに引っかかって一度死んだらしい。こっちに向かってると書いてあった。
どうやらあの穴をわざと落ちて同じルートで来るらしい。
「トラップの種類を伝えとくか・・・」
詳細・・・は打つのが面倒だったので、簡単にトラップを教えて待機することにした。
次回更新は明後日の予定です