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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第3章 強化期間
145/612

144・レストランにて

現実回です

~土曜日 昼~


「で? 結局隠しエリアは攻略できたのか?」


買い物帰りに寄ったバイキング形式のレストランで榊が聞いてくる。実は買い物に行く度にここのレストランが気になってたのだ。

提案してみたらみんなOKしてくれたのでここで食べることになった。柊さんと柳さんは榊の奢り(半分は僕持ちだが)だから色々言っていたけど基本何処でも良かったらしい。

榊がOKしたのは食べ放題なら高額を払わなくても済むと思ったからだろう。


「お? どこの隠しエリアだ? 俺にも教えてくれよ」

「先輩まで食べて帰らなくてもいいじゃないですか。奥さんの手料理の方がいいでしょ?」


チラッと先輩の奥さんを見て聞いてみる。

先輩の奥さんは柊さんの教育係で知り合いらしく、現在柳さん達と一緒に料理を見ながら盛り上がっている。先輩もチラッと自分の奥さんを見て


「・・た、たまには外食もいいだろ? というか俺はお前らが優美に手を出してないか見張っとかないといけないしさ・・・」


そう言って僕の背中を叩く柳先輩。若干引きつった笑顔で何となく察する。奥さんは恐らく料理が苦手なのだろう。

小さな声で聞いてみた。


「柳さんに教えてもらうよう頼んだらどうですか?」

「言ったが断わられたし、妻にはバレて殴られるし・・・。練習はしてくれてるから、上達するのを待つわ・・・」


因みに何故柳先輩が居るのかというと、柳さんがあのスーパーを教えたらしく、中で2人と鉢合わせした。その後何故か一緒に行動することになりレストランまでついて来た。


柳さんを狙ってると勘違いしている先輩に、榊が何度か目で「何とかしてくれ」と訴えてくるが、どうしようもないので無視した。

大体ゲーム内でパーティを組んでいることがバレてからの先輩は、仕事時以外こんな感じなので僕はもう慣れた。仕事の時もこうなら「何とかしてくれ」と上司に訴えてたけど。


「で? 何処なんだよ?」

「沼地エリアですよ。沼の中にあるんですがトラップがキツくて・・・」


実際あの後、四方八方から飛んでくる矢に串刺しにされた。矢は起動してからワンテンポ遅れて来るので回避は出来るのだが、回避と同時に次のトラップが作動する。1方向なら大丈夫だが途中から四方八方へと変わり無理だった。


「落下ダメージの後にそれはキツいな・・・」

「回復持ちでないとキツい」

「それよか待て。お前沼地行けるほどレベル高かったか? まだ25くらいだったよな?」


確か・・・決闘してた時は26だったな。

26なら山エリアの推奨レベルよりも低いのでその先の沼地エリアにいることが普通は不可能だ。


「あ、昨日40になりました」

「待てぇ! 早過ぎだろ!!」


聞けば先輩はまだ38だそうだ。気付かぬうちに抜いてしまったようだ。たまたま時限エリアを見つけて急速に上がっただけなんだが・・・。

ただそんなこと言うと教えろと煩くなりそうなので言わない。


「・・・ほら、先輩早く守れるくらい強くなれとか何とか言ってたじゃないですか。だから強くなったんですよ」


それでも柳さんには全然勝てないが・・・

冗談混じりに言ってみたら先輩が一気に真面目な顔つきになった。


「そうだが・・・流石に上げ過ぎだろ。一体1日何時間やってんだ、体壊すぞ・・・」


普通に心配された。

そして真面目な説教が始まる。この人こんなに真面目なこと言えたのか・・・


「いや・・・時限エリアでレベル上げたんでそんなにやってないっすよ」

「あん? 時限エリア?」


榊が事情を説明する。先輩は理由に納得したがずるいと言い出し、愚痴が始まった。ネチネチしてる分こっちの方がウザい。


「まぁいいや。その隠しエリアってのは俺もまだ行ってないし行ってみるか。どの辺?」

「入口からずっと右に進めばありますよ。水草が分かりやすく円になってるのでそれを目印に行けばいいですよ」

「クリア報酬は知ってるのか?」

「報酬? え、報酬なんてあるんですか?」


僕の疑問に榊が答える。


「一応ある。ただ何が貰えるかは場所や種族で変わるらしい。ある場所である魔物はスキルを貰えたが、同じ場所で違う魔物はスキルを貰えなかったりな」

「貰えるのはスキルの他にステータスアップや新たな進化先の追加などがあるらしいぞ。俺はHP増えて欲しいな」

「俺、スピードUPしたいっすね」


2人とも魔法が強力だからスキルは要らないらしく、自身の弱い部分を底上げしたいようだ。


「しかし沼地か・・・、妻が好きじゃないエリアだがこの後一緒に行ってみるか」

「ゲーム好きの奥さん良いっすね。一緒にゲームとか楽しそうっす」

「だろ? まぁ妻の方が上手いから対戦ゲームは嫌だけどな!」


そう言ってわははと先輩は笑った。なるほど、妻を褒めれば機嫌が良くなるのか。

覚えておこう。

次回更新は明日の予定です

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