140・新エリアに行ってみた②
名前:アレイ・ロン
職種:村人
レベル:33
ランク:D
名前:ギレイ・ロン
職種:村人
レベル:33
ランク:C
名前:クレイ・ロン
職種:村人
レベル:33
ランク:D
「あ、村人だったか」
襲ってくる3人をマーキングしてそんな感想を口にする。3人だしレベルにも余裕があるので、余程じゃない限り負けないだろうから焦らずに対処しよう。ロンが一緒だけど兄弟だろうか?
『うおりゃぁあ!』
「え? 早っ!」
クレイだったかな、
大人の膝下程の高さまで冠水している場所であるにもかかわらず、銛を槍のように構えながら物凄い速さで近付いてきた。突き攻撃だったので、少し横にずれて躱す。クレイは外れたのを確認するとバックステップを繰り返して距離を取る。
明らかに冠水している場所での速さや動きじゃない。
「ん? 浮いてる? おっと」
何で?と思ってクレイを見ると冠水している場所にもかかわらず靴が全部見える。あそこだけすごく浅いのかと思ったが、知らぬ間に後ろに回り込み攻撃してきたギレイを見て分かった。
「立ってる・・・」
ギレイの位置は僕と居る位置と深さは変わらないはず。なのに水の上に立っている。
装備なのかスキルなのか知らないけど、彼らは水の上を歩ける力があるらしい。となるとここのように冠水した場所で戦う場合、こちらは水に足を取られてスピードダウンするから相手が断然有利だ。
僕は急いで冠水していない場所へと移動する。その間も3人がそれぞれ攻撃してくるので、『スケイルショット』などで牽制する。こいつら3人で僕を囲って、常に僕の死角から攻撃してくるのが凄くウザい。
逆に言えば僕の見えない方向から攻撃される為から、誰から攻撃されるかは自身の体の向きでわかる。それに武器種から攻撃は突き出しが多いので躱すのも難しくない。
「『毒双斬』」
『ぎゃあ!』
しかも後ろから来ると尻尾で叩きやすい。後ろから来たアレイを尻尾で地面に張り倒す。倒れたところを追撃でペチペチしていると毒ったので後は放置。
と、倒れた味方を助けようと残り2人が突撃してくる。クレイの攻撃を跳んで躱し、そのままギレイへ爪による『毒双斬』を当てた。
『くっ!』
が、両手で持った銛でガードされる。ギレイはそのまま僕を押し返した。
そのまま何回か攻撃するが全てガードされた。正面からの攻撃では中々当てられないな。というかこれだけ攻撃して傷一つ付かないこのゲームの武器・・・耐久力おかしくね?
『『付与・水』』
あ、エンチャしやがった。
ギレイの銛が水で覆われ、長さが伸びる。水先端がはドリルのように回転しており貫通力が上がってそうだ。
そしてそれをみたクレイもいつの間にか手斧に持ち替えて同じく水のエンチャをしている。エンチャのせいで手斧が普通の斧と同じ大きさまで大きくなってた。
『行くぞ!』
『おう』
そしてまた同時に攻めて来る。
僕は前から走って来るギレイに対して突撃した。その場で待ってると2人の攻撃が同時に来るが、こうすることでクレイとの距離を離しつつギレイとの距離を詰めれるので、同時に攻撃されることはない。
『ショット・スピア』
『『毒双斬』』
突き系統の初歩スキルをギレイが使う、それを僕は『毒双斬』の1撃目で弾いた。そして2撃目でギレイのギレイの懐に当てる。
『ぐっ・・・』
武器を落としたギレイが膝をついた。その隙に体を半回転させて尻尾で薙ぎ払う。そして跳び、近づいて来たクレイが振り下ろした手斧を躱す。
「『猛毒牙』」
着地と同時にクレイの足を咬む。クレイは咬まれたダメージと毒でその場に倒れ込んだ。
そのあと起きあがろうとしているギレイに『毒双斬』で退場してもらい、残り2人はその間に毒で死んだ。どうやら毒消しは持っていなかったようだ。
「ふぅ・・・。まぁこんな所か」
スムーズに倒せた自分を少し調子良くし先へと進む。しかし雨といい、冠水してる地面といい、水のエンチャントといい・・・ことごとくユウさんの苦手なステージだなぁ。
逆にココアは相性良さそうだけど。本人雨嫌いみたいだし来ないだろう。
マングローブの森付近まで来たところでなまけものからチャット。
なまけもの :今どこ?
ポンタ :沼地エリア 墓地はどう?
なまけもの :きっつい・・・エリアの雰囲気が嫌過ぎる。作り物の骸骨って分かってるのに目の前に広がると嫌悪感しかないわ
ユウ :なまけも髑髏じゃない
なまけもの :いやそうだけどさ・・・。見るのはまた違うというか、明らかに怖がらせて来てるというか。マジ辛い・・・
ポンタ :で、どうしたん?
なまけもの :精神的にキツいから手伝って欲しい
ユウ :嫌
ポンタ :嫌。1人でがんばれ
なまけもの :おい!
まぁ1人で頑張ってもらおう。しかしそんなに嫌な場所なのか・・・
行くのやだなぁ。
次回更新は明後日の予定です