13・進化してみた
「それでポンタは進化するの?」
妬みからか「普通、普通」と言っているなまけものを押し除けてユウさんが聞いてきた。
「しようかと思う。他の進化先が出るまで待つのも面倒だし」
今は早く強くなりたい。
他の進化先がアンロックするのはいつになるか分からないし、出るまで待つのも面倒だ。
進化先を選ぶのはもう少し強くなってからでもいいと思う。
「じゃあ私もしておこうかしら。どうしたらいいの?」
「え? ユウさんも出来るの?」
「うん。ちょっと前に出てきてた」
「何だとぉ!?」
ユウさんは進化の仕方が分からないから僕らの誰かが出るまで待ってたらしい。言ったら教えるのに。
「それに1人だけ進化って・・・なんか悪い気がして・・・」
「そこまで気にしなくて良いよ。1人やっかみそうな奴が居るけど無視していいから」
後ろで悔しがってる骨とかな。
よく見るけど進化したがっている奴に限って進化が中々出来ない。
「ユウちゃんは何に進化するの?」
「えっと・・、ホブゴブリンと、ゴブリンウォーリアかな」
「2つ・・・だと!?」
「なまけもの大丈夫か?」
まさか既に2つから選べるとは・・・
「どっち選んだらいいかしら?」
「その進化先の魔物を選ぶと、どのような魔物か説明が見れるから。それで決めたらいいと思うよ」
「そう? じゃあちょっと見るわね」
ユウさんはそれぞれ見た後、僕たちに教えてくれた。
ホブゴブリン:ゴブリンが成長した姿。全体的にゴブリンより強い。
ゴブリンウォーリア:武器を振るうことに特化したゴブリン。鎧を着れるが防御力は低め。
「どっちがいいかしら?」
「個人的にはウォーリア」
「俺も同じ、ユウはパクった剣使ってるだろ? そのスタイルで行くならウォーリアでいいと思う」
「好きな方でいいと思うよ?」
ココアの言う通りだな。
このゲームではステータスが分からないので、自分の好きな方でいいと思う。
僕が「どっち選ぶ?」と聞かれれば断然ウォーリアだけど。
「じゃあウォーリアにするわね。剣振ってる方が楽だからそれに特化してる方がいいわ。ここ選べば進化するのね?」
「そう。目線カーソルでね」
説明ついでに自分も進化しておこう。
ポイズンサーペントの表示横にある進化ボタンを目線カーソルで選択。
同時に体が光り始める。
視界の端でユウさんも光っているので、あっちも進化を始めたようだ。
「ポンタ! Bだ!! Bボタンを押せ!」
「キャンセルさせんじゃねーよ!」
Bボタン何てないけど反射的に言ってしまう。
そのまま光り続け、徐々に目線が変わっていく。どうやら体自体が大きくなっているらしい。
1分程で進化は終わり光も収まった。
僕の姿は全体的に1.5倍ほど大きくなり、体色が紫色に近い色に変わっている。
ユウさんも体が大きくなり、小学1年生が中学生くらいになった。そのせいかショートソードが小さく見える。
名前:ポンタ(竹)
種族:ポイズンサーペント
レベル:8
特殊スキル:毒牙+ 毒液
名前:ユウ(柳)
種族:ゴブリンウォーリア
レベル:8
特殊スキル:追い剥ぎ 装着
ステータスを確認
無事進化できたみたいだ。