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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第3章 強化期間
131/612

130・もう一度時限エリアに入ってみた


なまけものが最初の奇襲で【金棒】以外の冒険者2人を一撃で倒し、驚いた【金棒】にはユウさんと挟撃して立て直す前に倒す。進化してステータスが上がったからかも知れないけど、『毒双斬』が思った以上に高威力で使いやすい。特に尻尾で出来るのが最高。回避終わりに攻撃できるのが、使い勝手良くていい。


まぁ身の丈近い金棒で『紋切』使うユウさんの方が凄いけど。あの金棒のリーチで目に見えない連撃とかヤバい、初見だと絶対回避無理。


「剣と違って両手で持たないとうまく振り回せないし、いい事ばかりじゃないけどね」


【金棒】を『雷斬』で吹き飛ばしたユウさんはそんなこと言ってたけどさ、絶対剣使ってるよりいいと思う。


「さてと・・・」

「暗いな。このまま降りて大丈夫か?」

「前もそうだったし大丈夫だと思う。あ、下泥濘だから汚れるのは確実だぞ」

「ええ~・・・そうなの?」

「多分ね。とりあえず先に降りてみるよ。下りてちょっとみてみる」


陥没したようにできている穴を覗き込み、飛び降りる位置を決める。暗くて底が良く見えないが、山頂から飛び降りに比べると全然大したことない。僕は躊躇わずに飛び降り、べちゃぁ!という音と共に地面に足を突っ込んだ。

・・・うん、前回同様かなりぬかるんでいるな。


足を引っこ抜いてると上からトーンが明らかに下がった声が降ってくる。上を見るとユウさんとなまけものが露骨に嫌な顔をしていた。


「・・・すっげぇ嫌な音したんだが・・・」

「私飛び降りるのやめようかしら・・・」

「え~!?」


すすすっと2人が穴から離れていき顔が見えなくなる。骸骨の2人も嫌そうな顔で今にも帰りたそうにしているが、レアな時限エリアなので行くかどうか躊躇っている。


「ただの泥濘なんだけど・・・」


暫く待っても来ないので、寂しいけど1人で行こう。

場所が違うと中の道も違うのだろうか? まぁ前の道は覚えてないからどっちでもいいけど。


「待て待てっ!」


洞窟の奥へと歩き始めると、べちゃぁあ!! と後ろで泥が跳ね僕に降りかかる。振り向くと飛び降りたなまけものが、泥飛沫の中泥まみれでこっちに歩いてくる。


何だよ、結局来るのかよ。ユウさんは・・・パスかな?


「うぇぇ・・・、これ現実だと最悪なやつじゃンフェッ!?」


と思ったら、体中の泥を見て嫌そうななまけものの上に、ユウさんが寝ているココアを連れて着地。足場にされたなまけものは更なる泥飛沫を上げて泥の中に顔からめり込んだ。


「ごめんね。・・・うっ・・、全体がそうなの・・・?」


ユウさんはすぐなまけものから飛び降り、着地した足の感触で嫌な顔する。その後すぐ爪先立ちで飛び石を渡るように泥の少なそうなところを歩いてこっちに寄ってきた。


「ここまで来れば大丈夫ね。ふぅ、こう裸足で泥の上を歩くとなんか昔学校の授業で田植えした時を思い出すわ。さぁ時間無いから早く行きましょ」

「う、うん・・・」


なまけものあれから動かないけど大丈夫かな・・・? 


・・・


・・・・


・・・・・


「くそぅ・・・、酷い目に遭ったぜ」

「ほんとだよ~・・・」

「お前のはずっと寝てたのが悪いだろ」


目の窪みに入っている泥を落としなながら、なまけものが舌打ちする。思いっきり泥にめり込んだせいで全く動けなくなってただけだった。僕では起こせなかったので、結局ユウさんが泥だらけになりながら起こし、その際落としたココアも泥だらけだ。


「お揃いだしいっか」

「良くねーよ・・・。いやそれよりもアイツらが先に行ったほうが良くねーか」


なまけもの救出中に骸骨2人組は先に奥へと進んでいった。彼らは道中の魔晶石を採っているのか、所々折られている。お陰でどこを通ったか丸わかりでいいが、なまけもの的には自分が取るはずだった魔晶石が無いのが嫌らしい。


「すまん。僕がついて来て良いって言ったから・・・」

「いや、それはいい。こういうのは基本早い者勝ちだからな。一応俺ら用に残しておいてくれてるみたいだし」


ちょこちょこ残されている魔晶石をもぎ取って齧るなまけものとココア。魔力が不要な僕とユウさんは要らないのである魔晶石は全部2人が食べている。


「しかしポンタって運がいいよな。このエリアってそう簡単に見つからん筈なんだが・・・」

「山エリアとの相性がいいのかも。他のエリアだと一度もないし」

「そんなもんか?」

「ほらスマホゲーのガチャとかでもさ、一種類のレアは物凄く出るのに他のやつは全然でないとかあるじゃん? あれと一緒で、このエリアでは遭遇しやすいとか」

「ガチャに関しては分からんでもないが、これとはちょっと違くないか?」

「じゃあーー」

「わぁあああああ・・・」


!?


洞窟で反響した悲鳴が聞こえる。1度目のすぐ後にもう一度悲鳴が聞こえた。声からしてさっきの2人だろう。よく分からないが、悲鳴から察するにどうやら死んだようだ。


「この洞窟内じゃ反響してどの方向か分からないわね」

「でもあっちに魔晶石を採った跡あるよ。あっちじゃない?」

「戦闘音が聞こえなかったし近くではない気がするけど・・・」


この洞窟内で死ぬ要素といえばあの調査隊か他のプレイヤーしかないが、彼らの他にプレイヤーが入ったところは見ていない。もしかしたら僕らよりも先に来て入ったプレイヤーかもしれないが、魔晶石を採らずに進んでいるとは思えない。


となると・・・


「もう来たか」


恐らく調査隊だ。

次回更新は明後日になります

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