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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第3章 強化期間
129/612

128・山エリアを進んでみた

~土曜日 夜~


イベント開始から1週間。飽きたプレイヤー達が増えたのか、各エリアに行くプレイヤーが増えてきた。そして冒険者相手ばかりしてたからか、丘エリアではPvPがそこらじゅうで行われていた。

皆無視するので、攻撃相手が見つからない冒険者たちが突っ立ってるだけでこっちに寄ってくる。そしてなまけものの魔法によって消えていくのが今日のプレイ結果だ。


本当は僕らもPvPをやりに来たんだけどね。

丘エリアは第2オアシス隣接エリアで一番人気があるからここだと出来るだろうと思っていたんだけど・・・

皆考えることは同じだった。


「カオス・・・」

「もはや戦場ね。うー・・ん、見る限り私たちの相手いないわね・・・」

「あの辺に居るぞ?」

「あれ、見た目からするとここに来たばかりのプレイヤーでしょ? いきなりは流石に可哀そうじゃない?」

「いやいや、PvPエリアの洗礼というものをだな・・・。まぁいいか、場所変えるか?」

「山は嫌だからね」

「じゃあ荒野エリアか? 今ゲーム内は昼だし見えるから良いけどよ、俺あそこ好きじゃねえんだよな・・・

「私も嫌い」

「あたしも~」

「僕も何か嫌」

「全員かよ!」


最初のイメージが強いのか、ウチのパーティに荒野エリアは不人気らしい。


「じゃあ第3オアシスにでも行く? レベル的には問題ないはず」


第2オアシス隣接エリアで一番強いエリアである山エリアの推奨レベルは30だ。僕が飛び降りしてる間に皆同じレベルまで上げたので推奨レベルは超えているし。


「・・・それもそうだな」

「いいんじゃない」

「さんせー」

「じゃあ移動するか」


皆が賛同してくれたので、丘エリアを出て山エリアへ。山エリアに入った途端、ココアが露骨に嫌な顔をする。聞くと木が邪魔だかららしい。


「鬱陶しいからここ通るの嫌なんだけど・・・」

「そう言うなって。今日は山道沿いに行くから、木々が邪魔になることは無いと思うぞ。というか俺の頭に乗らなかったら木が邪魔になることもないだろ」

「飛ぶと余計邪魔で嫌だしこのままでいい」


第3オアシスはこの山エリアの先にあるので、山を登って下りる必要がある。山道をそれてグルっと回っても良いけど、登って下りる方が早いし楽だからな。


「ポンタに乗ったら? 高さも広さも丁度いいんじゃない?」

「それもそっか!」


ユウさんの提案で、僕の意見も聞かずに乗っかってくる。重くはないけど背中に乗られている感があり落ち着かない。あと足の爪が地味に食い込んで痛い。

抗議しようかと思った矢先、ココアはすぐさまなまけものの上に戻った。乗られるのも嫌だけど、直ぐどかれるのも何か避けられているようで悲しくなる。


「戻んの早っ!」

「あの鱗で足痛い。やっぱりなまけが一番乗りやすいね」

「全然嬉しくないんだが?」

「骨だし止まり木感覚で乗れるからじゃない?」

「そうかも!」


どうやら鱗が痛かったらしい。

乗り直されたなまけはため息をつくが下ろそうとはしないので、結局そのまま先へと進む。


「まだここか・・・」


登り始めて30分。一定間隔で現れる冒険者を倒しているため、思ったよりも進みが遅く感じる。

山道を通っているためこの前よりも山頂へ道のりが遠いからだろう。皆は気にならないだろうけど、先の長さを知ってる分気分が滅入る。


「ポンタは何度も山頂言ってるんでしょ? 後どれくらい?」

「今3分の1くらい。このペースだと山頂まで1時間ちょいかかるかな」

「そんなに!?」

「マジか・・・。下りること考えると+1時間半だろ・・・。今日は着いたら解散だな」

「おい、ココア寝てるじゃん・・・」

「マジか!? 道理で静かだと思ったわ」


ユウさんとなまけものが残りの移動距離を聞いて一気に疲れた顔をした。ショートカットしたいところだけど、2人は崖登るの難しそうだからな。


「まぁハイキング気分で行けばいいんじゃない? 山頂近くとか見晴らしが良いーー」

『-----』


ん? この声。

前から聞こえるな。


「どした?」

「ああいや、前から声するし冒険者来る」

「・・・、ほんとね。そこの茂みに隠れて奇襲しましょ」


冒険者が来ると分かるたびに同じことをしてたので、皆スムーズに道沿いの自分に合った茂みに隠れる。後は冒険者が来たら時左右から挟み撃ちすればいい。


ユウ    :なまけ、ココア茂みからはみ出てる

なまけもの :おっとすまん。これでどうだ?

ユウ    :大丈夫


なまけものがココアの位置を移動して隠す。その間に冒険者パーティが姿を現した。


「また【金棒】? もういいって・・・」


また【金棒】だった。レアのくせに意外と遭遇率が高い。

飛び降りループの過程で、道中何度も見てるのでレアな感じが最近薄れてきてる彼は、冒険者2人を連れてこっちに来る。


『だーかーらー! マジなんですって!!』


どうも遠くから声が聞こえると思ったら、後ろの冒険者が大きな声でしゃべっていたからだろう。

こっちに来るまでの間に内容を聞いてると、驚いたことに1週間ほど前に聞いた内容と同じだった。


次回更新は明後日の予定です

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