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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第3章 強化期間
118/612

117・山エリアに行ってみた①

レベル上げにはじめての山エリアへと足を踏み入れる。

ここは丘エリアと同じで、フィールド全体に高低差があるエリアだが、木々も多い場所がある。


「うー・・・木が邪魔ぁ!」

「なら俺から降りろよ・・・」

「そしたら自分で動かないといけないじゃん!」

「動けよ!!」

「仲良いわね・・・」


目の前でギャーギャー騒ぎながら進む2人を見てユウさんが言う。仲良いと言うか・・・なまけものが一方的にちょっかい出されてるだけのような気もするけど。


「よっ、よっ! そういや今日も2人で僕の部屋に来たよ」


山道を通らずゴツゴツする岩部分を意味もなく歩く。人間だと歩きにくい岩部分も蜥蜴だと楽々移動できて気持ちいい。


「へぇ・・・何しに来たの?」

「昼飯作れって」

「・・・何それ?」

「なまけの実家から食材届いたらしいんだけど、ほらなまけは料理しないし腐らせると勿体ないからって」

「で作れって? よく引き受けたわね」

「ユウさんがいれば引き受けなくて済んだんだけどね・・・」

「どういうこと?」


僕は昼の話をユウさんにすると、ユウさんはため息混じりに嫌そうな顔をする。


「初めて今日実家帰って良かったと思ったわ・・・・。よく引き受けたわね」

「お肉に負けた。高い肉って普段買わないから・・・」

「あ~・・・それは仕方ないわね」


「いいお肉ぁ・・・」と空を見つめてちょっと残念そうなユウさん。


「お礼としてちょっと貰ったけど・・・要る?」

「ほんと? ポンタがいいのなら頂戴!」

「じゃあ今日代わりに買ったやつと一緒に今度渡すよ」

「分かったわ」


渡す日時を決めた時、前を歩いていたなまけものが立ち止まる。ココアがさっきと変わらず乗っているので下ろすのは諦めたようだ。


「どうした?」

「冒険者。やっと居たぜ」


なまけものが下を指差して冒険者の位置を知らせる。木々の隙間から覗くと3mほど下の通路を冒険者が歩いている。何でか知らないけど冒険者も他のプレイヤーも全然見当たらなかったのでちょっと安堵した。


「どうする? 今なら奇襲できそうだけど」

「やらない理由ないでしょ」

「だよな。あそこの花の場所まで来たら飛ぶぞ」


花・・・ああ、あの赤い花か。


「了解。じゃあ僕はあの弓持ってるの狙うわ」

「じゃあ私はあの杖持ち」

「俺は・・・小盾持ちにするか」

「じゃああたし見学で」

「「「やれよ」」」


すすす・・・っと後ろに下がって見学しようとするココア。が、なまけものが掴んで逃がさない。掴まれた瞬間ココアが暴れる。


「やだやだー! だって私あの金棒持ってる人でしょ!? 明らかに強そうじゃん、マッチョじゃん!!」


ココアの言うように、4人パーティの1人だけ無駄に筋骨隆々で、鬼が持っていそうな突起付きの金棒を背負い強敵っぽい雰囲気を出している。他のメンバーと比べると明らかに浮いていた。

僕もココア同様アレに奇襲は嫌だったので、ユウさんかなまけものが選んでくれるだろうと決めつけ、一番簡単に倒せそうな弓持ちを選んだのが・・・


ユウさん達も嫌だったらしい。


「・・・じゃあどうすんだ? 俺だって嫌だぞ」

「私もよ。ほらマーキングしたらレベル35もあるわ」

「35!? げ、マジかよ、二つ名付きじゃねぇか」


なまけものがユウさんのマーキング情報を見て嫌そうな顔をした。僕も急いで確認する。


名前:金棒のシャムロック

職種:傭兵

レベル:35

ランク:C


僕もその情報を見てみると確かにレベルが35と出ている。他の冒険者は26~7程度なのにこいつだけ無駄に高い。


「二つ名付き?」

「この前のメンテで変わったんだが、レア冒険者には二つ名が付けられて、レア冒険者どうかを分かりやすくなったんだ。例えばロイゼンなら【早斬り】とかな」


横でユウさんの質問になまけものが答える。僕とココアは昼に聞いていたので知っていたが、いきなり二つ名付きとエンカウントするとは運がいいのか悪いのか。


「どうする?」


全員で顔を見合わせる。スルーしてもいいけど他に冒険者が居ないからレベルがあげられない。僕的には勝てる気がしないのでスルーしたいところだが・・・


「やるか。よく考えればカディスより低いしな」

「そうね」

「2人がやるのならやる」


どうやらみんなはやる気らしい。

こういう場合は多数決なので僕も「やめよう」とは言わないが、


「で?、誰が【金棒】に奇襲かけるの?」


3人は目をそらした。

次回更新は明後日の予定です。(少し遅れるかもしれません)

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