109・ノーマルを終えてみた
ピッピッピッ・・・
カディスが自爆技を使いカウントダウンが進む中、プレイヤーの行動は2つに分かれる。1つは自爆と分かって距離を取る者、もう1つはカウントダウンまでに残りのHPを削り切ってしまおうと攻撃を激しくする者だ。
残りHPは1割も無い上、自爆起動中の為か攻撃もしてこないのでチャンスといえばチャンスだが。
「なまけ! この場合どうするの? 聞いてるんでしょ!?」
「聞いてるけど逃げるか止めさすかのどっちかだぞ!」
「じゃあどっちが良いの!?」
「この状況なら止めさすほうがいい。あのペースなら多分間に合う!」
なまけはそう言ってカディスをひたすら殴り続ける。残っている人が強い人がここぞとばかりに攻撃をしている為、カディスの残りHPがもう消えそうだ。
「あと10秒~」
「クソがぁぁ!」
「ちょっと無理そう・・・」
「ポンタもうちょっと頑張って!」
もはや作戦も何もなくがむしゃらに攻撃をし続ける。ココアが回復用の残り魔力で『アクアエッジ』を撃ちつつ残り時間を言ってくれるが、そのせいで余計に焦る。
焦りからかなまけものなんか魔法使いとは思えないほどのラッシュを繰り出している。まぁ物理キャラでは無いのでダメージはお察しだが。
「おりゃぁああ!」
『がっ! ああっ・・・』
カウントダウンが5、4、3と迫る中、誰かが全力のため技を繰り出す。カディスはその一撃で吹き飛ばされ、地面を転がって動かなくなった。同時にカウントダウンは残り2秒を切ったところで消える。
倒れたカディスをが消えていくのを僕らは無言のまま見る。
少しして周囲がそれぞれの反応を見せ始める。その様子を見て終わった実感が出てきた。
「・・・終わった?」
「終わったな。よっしゃあ! 間に合ったぁあ!」
「終わりー!」
「はぁ・・・終わり? お疲れ様」
「お疲れ~」それぞれ言い合い、周囲の他のプレイヤーとも言い合う。少ししてシステム音声が響き、僕らはオアシスへと強制送還された。
「終わったぜ・・・」
「終わったな」
「じゃあお楽しみのリザルト画面だ。アレだけ苦戦したんだし少なかったらキレるぞ」
「・・・じゃあキレてもいいんじゃない?」
「だよね・・・」
フンスッ! と鼻息荒くリザルト画面を覗くなまけものと、さっさと見てテンションが下がりつつあるユウさん達。その光景を見て嫌な予感をしつつも、僕もリザルト画面を覗く。
ポンタ
戦闘回数 27回
戦闘ポイント 54pt
倒した人数 108人
倒したポイント 216pt
強敵戦闘回数 3回
戦闘ポイント 9pt
倒した(戦った)人数 8人
強敵倒したポイント 120pt
勝利ポイント 200pt
殲滅ポイント 300pt
ーーーーーーーーーーーーーーー
合計獲得ポイント 899 pt
現在所持ポイント 1172pt
「・・・それなりだな」
「ああ、ちょっと少ない気がするが、ハードを考えるとこんなもんか」
確かに1000超にならなかったのは残念だが、イージーの3倍なので少ないともいえない微妙なところ。だが女性陣は少ないと感じたようでさっきからずっと不満顔だ。
「もうちょっとあってもいいと思わない? こんなんじゃ集める気無くなるわ」
「そうだよー。アレだけ頑張ったんだよー!」
「まぁまぁ・・・。ほら僕らは適正レベルだからちょっとキツいんだって」
「それはそうだけど・・・」
ユウさんは理解はしたそうだけど納得はしていないらしく、ぶつぶつと「もっとくれてもいいじゃない・・」とか言っている。
「ま、こういう繰り返し前提のイベントポイントってこういうもんだって。キツいのが嫌ならフィールドへレベル上げしにいくしか無いな」
「そうする? イベント期間って2週間あるし、先にレベル上げといてクリアし易くする?」
「そうね」
イベントフィールドでは、どれだけ冒険者を倒しても経験値が入らない。僕達はレベル上げのために丘エリアへと出かけた。
結果少しレベルが上がった。
名前:ポンタ(竹)
種族:レッド・ヴェノムリザード(4)
レベル:26
特殊スキル:猛毒牙 溶解液 毒肌 毒斬
名前:ユウ(柳)
種族:オーガナイト(4)
レベル:27
特殊スキル:追い剥ぎ 装着 剣技(雷斬、紋切、風切) 鼓舞
名前:なまけもの(榊)
種族:ダーク・スカルデーモン(5)
レベル:27
特殊スキル:ファイアボール+ ブラックエッジ++ ダークランス+ サンダー+ エクスキューション
名前:ココア(柊)
種族:アクア・フェアリーバード(4)
レベル:27
特殊スキル:ヒーリス+ アクアエッジ アクアウォール ヒールサークル
次回更新は明後日になります
個人的にキリがいいので、ここまでを2章とします。
イベント自体はまだ続きます。