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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第2章 初イベント
108/612

107・カディスと戦ってみた③

ドォン!!


『鎌鼬』が直撃した音がなまけものの居た所から聞こえる。直撃と同時に砂埃が舞い上がり、なまけものがどうなったかは分からない。


「また来るわよ!!」

「ヤバい!」

「ユウちゃーん」

「ちょっと!? くっつかないでよ動き辛い!!」


カディスはなまけの様子を確認することなく、僕ら目掛けて次を撃ってくる。左、右と何度か躱していると違う方向を向いてくれた。

カディスの様子を確認したユウさんは、躱す間ずっとくっついているココアを引き剥がして投げ飛ばす。


「もう! 危ないでしょう!!」

「あはは、ごめーん」

「まぁまぁ、それよりなまけの様子を確認しないと・・・」


躱すのを優先していたため、なまけものがどうなったかは分からない。ただ、死亡したとのインフォが無いのでまだ生きてるだろう。

すぐさまなまけものが居た場所まで戻る。砂埃が収まったそこには変わらずスローモーションのなまけものが居る。流石僕らの中一番の防御力、『鎌鼬』を受けたのにHPは1割も減ってない。


僕らが回避に専念している間も常に動いていたのだろう、もうちょっとでドーム内から出れそうな所まで来ていた。


「うそでしょ!? 生きてる! 死んだと思ってたのに」

「しかもダメージ少ないな・・・。もっと威力あると思ってたのに」

「面白くない・・・」

「お前ら・・・」


とにかく僕とユウさんでなまけものをドームから押し出す。押し出した反動でドーム外の地面に転がったなまけものはすぐさま起き上がって、体の調子を確かめる。


「ああ~! やっと動ける!! アレはマジでヤバかったわ」

「ガードできたのか?」

「あの中でか? むりむり普通に当たったわ。効かなかったのは闇属性だったおかげだな」


なまけものは種族的に闇属性に強い。カディスの攻撃は全てにおいて闇属性らしく、本来の防御力と耐性のおかげで僕からしたら意味分からないぐらいダメージが低かった。


「そのダメージ量・・・僕が一般冒険者から受けるダメージより低いとかないわ」

「ポンタは防御力上げろ」

「なまけはスピード上げろー」

「ちょっと! 次来るわよ!!」

「え?」


戦闘中だったのを忘れてた。狙われるのは完全にランダムなのだが、すぐ狙われるとは思ってなかったので油断していた。

ユウさんの声に反応して慌ててカディスの方を向くが、目の前に『鎌鼬』が飛んで来るのが見える。今から躱すには回避時の無敵時間に合わせるしかない。


「すまん、なまけ」

「あ?」


・・・まぁそんなもの無いので、あるものを使う。

僕は『鎌鼬』の僕の間になまけものが入るように移動する。要はなまけものを盾にするという事だ。ほぼ効かないのは分かってるので安心して盾役を任せられる。


「やっぱりなまけはこうだよね」

「お前ら!!」


気付いたらココアも同じことをしていた。なまけものは避けようと思って僕らの行動に気付き動きを止める。そのまま手を目の前で交差してガード体勢のまま『鎌鼬』を受けた。


ドゴォォン!


「クソがぁ!!」


大きな衝撃音をかき消すようになまけものが叫ぶ。が、やはりダメージは少ない。

カディスはこの一撃だけで標的を変更する。

その様子を見て、1人回避に成功していたユウさんが戻ってきた。


「大丈夫!?」

「「大丈夫!!」」

「大丈夫、じゃねぇ!!」

「大丈夫そうね。ちょっと困った状況になってきたわ」


騒ぐなまけものは無視し、ユウさんが周囲を見渡しつつ話す。


「プレイヤーの数が減ってきたわね。このままじゃ時間内に勝てないかも」

「・・・・ほんとだ。強い人は残ってるみたいだけど」


ユウさんに言われて僕らも周囲を見渡す。確かに数はカディス戦前に比べ半分位まで減っている。その上、残存HP的が厳しいのか戦わずに遠くから観戦に徹しているプレイヤーも増えていた。


未だに戦えているのはかなり少数になってきている。


「でもまだ人いるよ?」

「いや、もう残り5分切ってるからこのペースだとギリギリ終わるかどうかだな」


カディスの残りHPと戦闘時間を考えると、なまけものの予測と同じになる。


「じゃああたしたちも早くしないと!」

「そうは言うけど、このままあの空間外から『風切』撃ち続けても間に合わないわよ。威力が低いからあの人達みたいに近接攻撃しないと」

「僕も同じ」

「だが実際どうするんだ? 近接攻撃って言ってもあの空間では動きが悪いから、攻撃来ても躱せないだろ? 俺に至っては時間内にカディスの元に辿り着けるかも怪しいし、魔法も使えない今では遠距離じゃ戦力外だからな」

「あたしもー」

「そうなのよね・・・」


ユウさんがうーん・・・と唸る。案が出ないのかこっちに振ってきた。


「ポンタは何かいい手無い?」

「・・・無いこともない・・・。下手したら死ぬけど」

「ほんと!?」

「マジで!? じゃあそれで行こうぜ」

「まぁ・・・うん。いいけど・・・いいのか?」


そう言って僕はチラッとなまけものを見て聞き返す。だが全員時間が迫ってるからか「やろうぜ」の一択らしい。

大丈夫かな?・・・と思いつつ、僕は内容を説明した。

次回更新は明後日の予定です

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