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今日も締めはゲームで  作者: 朝昼 夕夜
第2章 初イベント
104/612

103・難易度ノーマルに挑戦してみた④

遅くなってすみません

『くそぅ、コイツらどっから湧いてくるんだ!?』

『口より手を動かせ! 死にたいのか!?』

『分かってるよ! アトラ! 強化頼む!』

『了解だ!』


守衛の4人は杖持ちのアトラを中心に位置するように剣持ちの3人が三角形の陣形を取る。僕ら魔物に包囲されている状況でアトラを守るための陣形に見える。そこから察するにアトラが彼らの陣形の要なのだろう。


「守衛達の強化と、範囲魔法攻撃に特化しているらしい。とにかく一角を速攻倒して、アトラを倒さんと勝てんぞ」

「それもさっき聞いたの?」

「ああ」


なまけものがそれから具体的な行動の説明を始める。

最初なんだから攻略情報なしでやりたいんだけどなぁ・・・と思いつつも、周囲のプレイヤーでは周知のことなのか、皆なまけものが言っているように動いている。ここで僕らが適当に動くと他のプレイヤーに多少の迷惑がかかるので仕方ない。この手のレイド系の戦闘は協調が大事だからと思うし。


「じゃあ私とポンタはあの他の魔物が集まっているドラを攻撃するか、残り2人の足止めをしたらいいのね」

「ああ。まぁあれだけいたらドラはすぐ死ぬだろうし、足止めの方がいいかもな」

「あたしは何したらいいの?」

「待機でいいよ。魔力回復してないんだろ? もし回復してるんなら、俺と一緒にアトラ狙いで頼む」

「はいはーい」


それぞれの行動を決めたので、各自行動に移す。僕は一番遠くに居るノノに向かう。ノノの周辺には同じく足止め目的の他プレイヤーが居るので、邪魔をしない程度に加わる。そしてノノの側面から『猛毒牙』で噛みついて攻撃。


『ガフッ! くっ、毒か!?』


ノノは血を吐きつつ、体を回転させて噛みついていた僕を振り飛ばす。

ノノの体に毒状態のエフェクトが現れたので、どうやら毒は入るみたいだ。猛毒にはならなかったが、スリップダメージでHPが徐々に減っていく。


「おおっ! 毒良いな!」

「毒状態なるんだな」

「こりゃ、あっちより先にこっちが落とせんじゃないか?」

「そりゃ無理だろ。あっちもう終わるぞ」


周りがナイスと言ってくれたので、貢献しているみたいでちょっと嬉しくなる。

そんな中、ノノは攻撃されながらも懐から小瓶を取り出して一気に飲み干した。するとノノの体から毒状態のエフェクトが消え、HPのスリップダメージも止まった。

どうやら毒消し用の薬を飲んだようだ。


『はぁ、思ったよりダメージがデカいな・・・』


ノノは空になった瓶を放り投げため息をついた後、すぐさま回転斬りで周囲の魔物に斬りかかった。僕同様に急な攻撃で斬られた者もいるが、大半は回避出来たようだ。

ダメージを確認しながら、皆よくあれを回避できると感心してしまう。


『ぎゃああ!!』


そうしているうちに集中攻撃を受けていたドラの声が響き、光となって消えるのが見えた。ドラを倒したプレイヤーはそのままアトラへと歩を進める。ノノを攻撃していた者の中にもアトラへと攻撃対象を変更する人がいたが、僕はそのままノノを倒すことにした。

ノノのHPは既に半分以下になっているし、アトラを倒したところでノノも結局倒すからな。


「『猛どーー、ん?」


再度毒にしてやろうと思った僕の足元が光る。正確には僕の足元含め、周囲の地面が光っていた。これはノノに向かう前にも一回見た。


となるとあれが来るのか!


「下がれ! 広範囲魔法来るぞ!!」


同じく地面に気付いた他のプレイヤーが知らせてくれる。アトラを中心に広がった光はノノやルイスのいる場所も含めかなりの広さまで広がっていた。僕は攻撃を止めて慌てて範囲外に移動する。その後にもアトラに向かっていた他のプレイヤーが一部を除いて慌てて走ってくる。

残っている一部のプレイヤーに対しては「あいつら・・・死ぬな」と誰かが残っているプレイヤーを見て思っていることを漏らしていた。


『『シャイン・スコール』!』


そしてアトラの広範囲魔法が発動する。さっきも見たけど、光の針の雨が範囲内へ一斉に降り注ぐ。光の針の量が多すぎるせいで、遠くから見ると一体化して光の壁にしか見えない。『シャイン・スコール』は数十秒続き、アトラの指示なのかピタリと止んだ。


後に残っていたのは、『シャイン・スコール』の影響を受けないノノとルイス。そして残っていた一部のプレイヤーで、アトラは居ない。


あれ? アトラ居ない?


僕の周囲でもその状況に僕同様、動揺しているプレイヤーがちらほらいる。


「おい、アトラ居ないぞ」

「え? アトラ死んでる?」

「あいつらが倒したのか?」


恐らく残ったプレイヤーが倒したのだろう。『シャイン・スコール』はアトラが死んだことで止まったようだ。

なまけもの達魔法組がアトラに攻撃していたとはいえ、あの数十秒でアトラを倒すとは・・・。かなり高レベルのプレイヤーたちなのだろう。


「これで良しっ、と。後はあれら片づけて終わりだな」

「おー、そうだな」

「さっさと終わらそーぜ」


アトラを倒したプレイヤー達は、休むことなくすぐさまノノやルイスに攻撃を開始した。それを見て僕らも急いでノノやルイスに群がった。ノノとルイスは1分もしない内に光となって消えた。


次回更新は明後日の予定です

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