102・難易度ノーマルに挑戦してみた③
既に他のプレイヤーによってレナスは倒されていたため、これで強敵全てを倒した。だが他のエリアがまだらしいので、新たな冒険者はまだ湧かない。
余裕のあるプレイヤーはフィールドに出現した転移装置からヘルプに向かっているが、僕らはそこまで余裕がないので行かなかった。
「そっちもっと寄ってー! 円に入らないからー!!」
「いやいや、回復できる人が居ると助かるわー」
「マジでそれな。ウチにも1人欲しいぜ」
「なぁアンタ。ウチのパーティに来ない?」
「えー? あたし今のパーティがいいから無理ー」
そんな僕らの近くでココアが他のプレイヤーを『ヒールサークル』で回復している。回復できる魔物はレアなのか忙しそうにしているココアにパーティ勧誘が殺到している。
「よくもまぁ今のパーティメンバー横で勧誘するよな」
「ココア大丈夫かしら?」
「知らんだけだろ。それにココアは他のパーティに興味ないって言ってたし大丈夫だ」
「あ、ごめん。私が聞きたいのはココアの残り魔力なんだけど・・・。アレだけ回復してて大丈夫なの?」
「大丈夫じゃない気がする・・・」
「それはココアを信じるしかないな」
3人でココアを見る。
今の『ヒールサークル』は何回目だろうか。あれ結構魔力使うとか言ってた気がするんだが。
「と、それよりさ。さっき戦闘中に色々情報を貰ったんだがジャンは魔法に弱いそうだ。あと一定範囲内であればこっちの行動を読めるスキルがあるらしいから、今回のようにあいつの攻略方法は魔法で動きを止めてから攻撃するのが現状の最善策らしいぞ。魔法で倒せるのならそれに越したことないが、後々の強敵を考えると魔力がキツくなるからな」
「やっぱりその手の能力持ってたか・・・。攻撃読まれてる感じしてたんだ」
「それよりその情報くれた人・・・何でそんなこと知ってるの?」
「既にネットではその情報が出回ってて、それを見たって言ってた。ネットは今日の朝からやっている人が随時情報を載せてるから、他の強敵についても出てるってさ」
「ふーん・・・。じゃあドースの『シールドエリア』も何か分かった?」
「ああ、それも聞いたぞ。アレはあの範囲内に居る味方のダメージを軽減させる効果があるらしいな」
予想通りだった・・・
厄介なスキルなので今度から使われる前に倒した方が良さそう。
「ああ、無理無理。スパアマで問答無用に使ってくるらしいから防ぐのは無理」
「あっそう・・・」
カンカンカンカン!
「おっ! 他のエリアも強敵死んだか」
鐘の音になまけものが動き出す。周りのプレイヤーも直ぐ様門の前に集まり始め、出てきた冒険者を攻撃し始める。強敵との戦闘でレベルの低い人が死んだからか、ノーマルに慣れてきたからか知らないがスムーズに冒険者を倒していく。
僕らは案の定魔力を使いすぎて休憩し始めたココアを守りつつなまけものが釣った冒険者を倒し続ける。
僕らも慣れたのかスムーズに倒せ、冒険者のバーがグングン減っていく。
「そろそろ次の強敵だな。ココア回復しといてくれ」
「まだ魔力回復しきってないし待って~」
「まだかよ!」
「もうちょっと計画的に使いなさいよ」
「だってみんな喜んでくれんだし仕方ないじゃん」
「俺は喜べないんだが?」
「なまけを喜ばせる気は無い」
「おい!」
なまけもののツッコミにみんなで笑う。少しして強敵出現のテロップとともにイージーと同じ兵隊が出現した。防具は同じだが武器はランダムなのか今回は剣3人に杖持ちが1人だ。
イージーの時はマーキングしてなかったのですぐさま確認する。
名前:守衛のルイス
職種:守備隊(剣)
レベル:30
ランク:D
名前:守衛のドラ
職種:守備隊(剣)
レベル:30
ランク:D
名前:守衛のノノ
職種:守備隊(剣)
レベル:30
ランク:D
名前:守衛のアトラ
職種:守備隊(杖)
レベル:30
ランク:D
「うん、守衛軍団とでも名付けよう」
「ダサい。却下~」
「!? 別にいいだろダサくてもさ!」
「遊んでないで行くわよ! もう!」
ユウさんが2人を叱咤して僕らは他のプレイヤーと一緒に守備隊へと攻撃を開始した。
仕事の関係上、次回更新は数日先になります。
すみませんがよろしくお願いします。