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先ずはキャラを作りましょう

先ずはじめに

筆者はMMO自体遊んだことありません。

初心者が何故か強くなるゲームがあったらなーと欲望丸出しで書いてます。

なので御都合主義は悪しからず。

よく考えずに気分で書いてるので投稿ペースも乱れまくることでしょう。ですが基本、午後七時に投稿します。

更に、筆者初めての三人称視点です。見苦しい所をお見せします。


以上の事を踏まえ、肌に合わない何て方は取り敢えずブラウザバック。

筆者のようなぺーぺーが書く物より読み応えのある作品はたくさん有ります。

残ってくれた読者の皆様。長々と前書き失礼しました。


それではご覧下さい。


「ふぅ……これで終わりかな」

神無月(かんなづき) (なぎさ)は一通り設定画面を眺めた後、ゆっくりと息を吐いた。

その手には目の前にあるフルフェイス型ハードの取り扱い説明書が握られている。

家に届いてから二時間付きっきりで設定画面を弄っていたのだ。

本来なら三十分足らずで終わるものだが、こういうものに不馴れな渚にとっては頑張った方だった。


「にしても……本当にいつも唐突なんだから……」

渚が考えていたのは、これを押し付けてきた友達の事だ。



放課後、帰り支度をしていた渚に近付く気配が一つ。


「はいこれどうぞ」

友達の青木(あおき) 青葉(あおば)から突然の贈り物。

反射的に受け取ったそれには天空に浮かぶ城と水晶を背景に『CrystalSkill Online』と書かれていた。


「何これ……ゲームなの?」

前後の脈絡なく渡されたゲームらしきパッケージに渚は困惑する。

当の青葉は髪を弄りながら笑っていた。


「そ、最近人気のゲームなんだけど、何か一人で遊ぶのは寂しくて……ナギさんなら一緒にやってくれるかなーなんて」


「私、頭に被るやつ持ってないんだけど……」

もちろん、最近流行りのVRMMOについて何も知らないわけでは無いが、ゲームに余り興味をもたない渚はその類いのものを買ったことがなかった。

当然カセットがあっても筐体が無ければ意味がない。

そんな事は青葉も知っているとばかりに胸を張ると。


「今日、家に届く筈だよ」


「…………んん!?」

爆弾を投下した。

その後、家に帰って本当にハードが届いているのを確認した渚は、ここまでされて断ることも出来ず、説明書を手に取ったのだ。



「では……始めますか」

説明書によれば後の細々としたものは『中』でやるらしく、渚は恐る恐るハードを被る。

渚にとって人生初の電脳世界なのだ。腰が引けてしまうのは仕方ないだろう。

しかし、VR技術が確立し、早八年が経とうという昨今。今まで触れたことすらないという渚のような人間はかなり珍しい。


『ゲームスタート』

キーワードを言い、目を開けるとそこはもう見慣れた景色ではなかった。


「うわ……!」

ベッドに横になっていた筈の体がいつの間にか立っていることでバランスを崩したりしたが、それ以外に違和感を感じさせない空間に渚は驚く。

爪先でトントンと地面を蹴り、辺りを見渡す渚は四方五メートルの小部屋の真ん中に青い半透明のパネルが浮いてるのを認めた。


「これ……だよね?」

そこには『現在の性別を確認して下さい』の文字と共に、[女性]と記されていた。渚は勿論女性なので、[確認]ボタンに触れた。

実はこの確認、VRゲーム初期システムの誤認による度重なる性転換事件と苦情を受け、その後のVRゲーム市場の暗黙の了解として設置されたものである。

因みに現在は骨格と脳波により性別を判別しているため、体と心の性別が違う場合、どちらか選べるようになっていた。


「名前かー……そりゃそうだよね」

パネルに空欄が現れた。これといって考えてなかった渚にとってそれを決めるのは難しく、十分ほどウンウン唸って結局ナギサと打ち、[決定]ボタンを押す。

パネルは一瞬消えると、渚の身長と同じ姿鏡のようになり、渚の全身像と、各種パラメータが映し出された。


少し茶色っ気の混じるショートボブに丸い顔、垂れ目。全体的に曲線の多い整った顔は年齢を一つか二つ下げていた。


「はぁ……。余り変えられないんだ……」

姿鏡の高さは大体一四〇センチ。つまり渚の身長はそれに収まる範囲となる。

高校一年にしては余りに小さな体は顔と相まって更に年齢を幾ばくか下げていた。頑張って中学生に見えるかどうかだろう。

ゲーム内では見た目を弄ることも可能だが、プレイ中は違和感が付きまとう為、身長に関しては上下三センチまでしか変更が出来ない。

その三センチを拾うのは渚のプライドが許さず、アバターは何の変更もされず次へ進んだ。


「次は……装備か」

ずらっと並んだ一〇〇は下らない武器達に渚は目を見張る。

CSOでは装備できる武器種の変更は出来ない。

そう書いているパネルに気を引き締める。


「両手剣、片手剣、両手槍、片手槍、刀、太刀、野太刀……刀と太刀と野太刀って何が違うの……」

多くの日本人もそうだが、渚にとってこの中に馴染みがあるものなど無い。

どれもこれも時代劇や映画でしか見たことが無いもので、渚はそれを使って自分が戦う様を想像できなかった。

何となくで選ぶのも怖い。

下へ下へ何かないかとスクロールする。

因みに野太刀と太刀の違いは装備位置だけ。

プレイヤーのニーズと開発陣の悪ふざけが合わさった結果、このような些細な違いしかない武器達も軒を連ね、初心者に大変優しくない仕様となっていた。


「ええと……他には……ナイフ……短剣……曲剣……包丁……え、包丁!?」

幾つか見ていた渚は突然の親近感が湧く単語に思わず二度見してしまった。

場違いかのように浮かぶそれは確かに包丁のシルエットを示していた。


「包丁……攻撃力が低いけど何故か足が速くなって一部魔法の威力が上がる……使い慣れてるし……うん、これにしよ」

因みに掲示板等の包丁の総評は下から数えて一桁。

リーチが短い。攻撃力が低い。魔法への補正も中途半端で、杖や、ステッキ等の本職に劣る。

つまりは器用貧乏になってしまう訳で、パーティー等には不要の存在になってしまうのだ。

さらにこの包丁。食材等は切れず、武器扱いであるため、料理に用いる事ができない。


だがここに渚を止める者はいない。

包丁を選択された青いパネルは表示を変え、ステータスポイントの割り振りを促した。


「ステータスポイントってなんですか……」

一〇〇あるポイントと渚の基礎ステータスが表示されるが、渚に分かるのはHP位だ。

幸いにも各項目毎に説明文が付随していたので、ゲーム初心者の渚でも分かる仕組みになっていた。


「STRが筋力値でVITが耐久値……DEX……器用値? 生産に補正……料理がしやすくなるってこと?」

料理に限らず、あらゆる生産活動に補正が掛かる。寧ろ料理以外を目的として上げる人の方が多数派だろう。


「AGIって足が速くなるの!?」

生来の身長も相まって、渚は足が遅い。それはそれは遅い。

クラス対抗リレーなどではお荷物を自称している程である。

渚の言うように、AGIにポイントを振れば基本的に速くなる。

それは渚の目にとても魅力的に見え、余り悩むことなくステータスポイントを振り分けた。


ナギサ LV1

HP50/50

MP10/10


【STR 0〈+5〉】

【VIT 0】

【DEX 30】

【AGI 70〈+10〉】

【INT 0】

【MND 0】


装備

頭部【空欄】

上半身【空欄】

右手 【青銅の万能包丁】

左手 【空欄】

下半身【空欄】

靴 【空欄】

アクセサリー1【空欄】

アクセサリー2【空欄】

アクセサリー3【空欄】


スキル

なし


称号

なし


ステータスポイント 0



「これで……足が速くなったのかな?」

誰のアドバイスも得られないまま、AGI、DEX特化。俗に言う『避けタンク』のステータス構成になってしまった。

敵の攻撃を持ち前の素早さで避け切り、尚且つ此方の攻撃を当てて行く。初心者がやるものではないのは明らかだ。

更に攻撃力が低すぎてこのままでは苦戦は必至。


「よし、これで終わりかな?」

しかし例によって渚を止める者はいない。

設定を終えると渚の体が白に輝きだした。

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