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洞窟探検の危険といえば…

いやぁ緊張しました。

正社員からバイトになるだなんて言ってみるもんですねぇ。

これで…本当に本格的に小説を書くことができる!…きっとぉ!

部屋の隅でうずくまっているセーラさんに声をかけると涙とちょっと鼻水が出てる顔で私に抱きついてきました。着替えたばかりの服に鼻水が…!


「ミラさん…助けてください…ブレイさんが…」


「ブレイさんに何かされたのですか?」


「先程セーラがご飯を先に食べ終わって片付けようとしたら『全員が食事終わるまで席を立ってはいけないと教わらなかったのか?』と言われて…それはまだいいんですが…ブレイさんがお風呂入り終わったあとに『風呂場に髪が散らばっていたぞ!』と怒鳴られました…」


あの人豪快そうに見えてマナーとかに厳しいですね…そういえばフルーホの戦いの時も名乗っていましたね。

今日ギルドで会った時は骨をかじっていたのでそうでもないのかもしれませんが。


「他人の家で世話になっておいて口出すのは確かに気にくわないわね、セーラはなんか言い返したの?」


「はい…セーラの家なんだから別にいいでしょうと…」


「そしたら?」


「『マナー、清潔はどこの家だろうが関係あるか!おぬしも人の家に行って湯船に入ろうとし、いくつかの髪の毛が浮き沈みしていたらどう思う!』と言われて…ここに来ました…」


「なら普通に扉叩いてくればリオルが出ましたのに」


リオルもうんうんと頷きますが、セーラさんは首を横に振ります。


「私の部屋が二階にあって、そこで話をしていたので…一階に降りようともしましたがブレイさんが道を塞いでいたのでベランダから意を決してダイブしました…」


見つかった泥棒みたいなことしますね。そんなことを思っているとブレイさんがセーラさんの家のベランダからかっこよく私の部屋に窓から入ってきました。

最近は窓から相手の家に入ることが流行っているのですかね…?


「セーラ、迎えに来たぞ」


ブレイさんがセーラさんに手を伸ばすと、セーラさんは怯えてリオルの着ている長いスカートの中に隠れてしまいました。


「助けてください…悪魔が…」


「ちょっ!?私のスカートの中に隠れないでくれる!?」


すかさずブレイさんは長いスカートを勢いよくまくり上げます。


「ギャーッ!?なにすんだぁぁ!!」


殴りかかるリオルを軽く避け、丸まっているセーラさんの肩をポンと叩きます。


「ひっ…何をするつもりですか…」


「すまん、さっきはその…言いすぎた。だから…」


「セーラも…一人暮らしだったので少しだらしなかったです…ごめんなさい…」


二人は無事に仲直りし、家に帰っていきました。さて、窓ガラスの処理をしませんとね〜


「…ねぇミラ」


プルプルと震えているリオル。お手洗いでしょうか?


「どうしたのですかリオル?早く片付けてー」


「ちょっと…一発だけ殴っていいかしら?」


「えっ…?私何か悪いことしましたか?」


「あの二人に恥ずかしい思いさせられた挙句、私には謝罪の言葉一つなく帰っていったのよ…」


「だからって私を殴るのもおかしいと思いますけど…」


「うるさい!ならせめてあんたも下着を見せなさい!」


「何を言っているのですかリオル!?下着なら洗濯する時毎回見ていますよね!?」


「そういう問題じゃないの!いいから私に脱がされなさい!」


リオルは何故か暴走をして数分ほど追い掛け回され、リオルが落ち着いたあと窓ガラスを片付けて寝ました。風通しがよく…寒かったです。

翌日、私が起きて居間に行くとガレットさんがいました。


「おはようミラちゃん!」


「おはようございます、朝から元気ですね…」


「あんたが起きるの遅いだけよ、もう十時じゃない。えーっと、どこまで話したっけ?」


私がお話の邪魔をしてしまったようですね、では私は二度寝といきましょうかー


「あんたも聞いていきなさい、結構大事な話だから」


「ええ、ですけどそんなに大事な話でしたらどこまで話していたかくらい覚えていてくださいよ…」


「うるさいわね、黙って座りなさい。ほれ」


ポンポンと私の椅子を叩くリオル。私が座るとガレットさんは真剣な表情で話し始めてくれました。


「じゃあ最初から話そうか、数日前、ミラちゃん達が街で戦ったリザードマンいたよね?」


「あの二匹の…それがどうかしましたか?」


「そのリザードマンなんだけど、どうやら生息地である山から来たわけじゃないらしい」


「そうなのですか…となるとどこから来たのでしょうか?」


ベルタルタ国に行く途中にもいましたが、あのリザードマンには焼印のようなものは見当たりませんでしたね。


「それが洞窟みたいなんだ。山で何かあって下りてきた二匹くらいのリザードマンが洞窟に住み着いて繁殖した…というのが可能性としては挙げられている」


なるほど、魔物が少なかったのはそのせいでしたか。

ワーウルフもゴブリンもリザードマンからしたらただの食料にすぎませんからね。


「それで私達がその洞窟に行ってそのリザードマンの殲滅をしてくれって話らしいわよ」


「他の人にも頼んだけど皆『ただでさえ洞窟はやばい魔物ばっかりなのにそれに加えてリザードマン数匹とか無理』っていうからね…ノヴァ君にも相談したけど『洞窟のあの雰囲気は無理』って言ってたから…」


皆さん情けないですね!とは言いたいですが洞窟なんて行ったことがありません。

何がいるかわからなくて恐ろしいですし。


「あとで私からセーラ達にこのことは話すけど…どうするミラ?」


もちろん決まっています。

このまま放っておけばもっと繁殖して町の外に出られなくなってしまう方が出てしまいます。

それにこの前の怪我もほとんど治り、今どのくらい戦えるか確かめてみたいですし。


「やりますか、いずれは行こうと思っていましたし」


「行こうと思ってたのね…じゃあ決まりね」


「度々ごめんね!じゃあ僕は仕事に行くから!」


普段のテンションに戻ったガレットさんはそっとドアを開けて出ていきました。


「さて、セーラ達に聞きに行くわよ」


私達は洞窟に行く準備をしてセーラさんの家に行き、ドアを叩くと、既に狩りに行く気満々のセーラさんが出てきました。


「ミラさんにリオルさん…おはようございます」


「おはようございます、セーラさんとブレイさんにお話があるのですが、ブレイさんはいますか?」


するとセーラさんは気まずそうに俯き、ボソッと


「ブレイさんは風邪を引いて…風邪を治すために自家製サウナ造りをすると…」


「待って。何故そうなったの?」


「ブレイさんが『小生としたことが風邪を引いてしまった。ちょっとサウナを造るために洞窟に行ってくる』だそうです…」


「何一つ理解出来ない…ん?今洞窟に行ったって…」


「はい…いい石が取れると言っていました…お二人も洞窟に用事があったのですか?」


なんというタイミングでしょう。

ですが大丈夫でしょうか、あのブレイさんとはいえ風邪を引いた状態では…


「セーラ!」


「はいっ!?」


「急いで洞窟まで行くわよ!」


私達は街を出て洞窟に向かうことにしました。

洞窟までは結構遠く、歩いていくと三時間はかかるので私たちは早足気味に行くことにしました。

その途中、数匹リザードマンが現れ、倒しながら進むと洞窟が見えてきました。

洞窟の前に行くと乾いた熱気がすごく、まるで…


「ブレイはまさかもうサウナ始めてるんじゃないでしょうね、めちゃくちゃ嫌だけど入るわよ」


中に入るとさらに熱く、身体の水分がガンガン抜けていくのを感じます。


中に進んでいくとブレイさんに斬られたであろうリザードマンが半ばミイラ状態で倒れており、傷口からの血は蒸発していました。


「カッサカサの死体ね…水分補給しなきゃって温い!お風呂のお湯飲んでるみたいに温い!」


「周辺の岩などで肉が焼けそうなくらいには熱くなってきましたね…」


奥に進んで行くと、さらしと褌のみを着用して熱した岩で座り、精神統一をしているブレイさんがいました。


「…む、おぬしらか。一緒にサウナをしに来たのか?」


背を向けて目を閉じたまま話すブレイさん。気配でわかるのですか。


「そんなわけないでしょ…ガレットがここにリザードマンの繁殖地になってるから殲滅してくれって言われてね、そのことをあんたとセーラに伝えに行ったらあんたがここにいるって言うから来たのよ。…それにしても何でこんなに熱いわけ?元からこんなに熱いの?」


「おぬしら洞窟に来たことがないのか。ここからさらに奥に行くと標高八千はある山からとても冷たい水と風が流れてくる。奥の方に行けば行くほど湿度は高くなるが涼しくなるだろう。ここの岩は熱しやすく冷めやすいためむしろ涼しい場所だった。だからここの岩を持ち帰ろうとしたのだが、小生がここの洞窟に入ってリザードマンと小生が主に火を使って暴れていたらいつの間にか洞窟中の温度が急激に高まり、今に至る。水をかければ冷える気はするのだが、だが同時に普通のサウナのように水かけたらさらに熱くなるのではないかとも考えたのでそのままにしている」


「詳しい説明ありがとうございます。リザードマンってどのくらい倒しましたか?洞窟に入ってからここに来るまで数匹しか見ていませんが」


「八匹程度だ。だがまだ奥にいると思うぞ小生もまだここから奥に行っていないからな。一緒に行くか」


「その格好で行くの?まぁ他人が見てるわけじゃないから別にいいけど…風邪は大丈夫なの?」


「ああ、おかげでもうなんとも無い。魔力も以前より格段と上がったから以前のようなヘマはせんだろう」


私はそんなことよりどこからブレイさんは服を脱いでいたのかがとっても気になっていましたが、この熱さの中これ以上立ち話も嫌なので聞きませんでした。

さらに奥に進んで行くとリザードマンが何匹も倒れていました。


「息はあるようだが…火を吐く者としては情けないな」


「そりゃあこんな熱い中水分補給せずに、しかも裸足でいればこうなりますよ」


「帰りに適当なサイズに切って持ち帰れば夕飯のおかずになりそうね」


さらに歩くこと数分。すると先程までの熱さが嘘のように涼しくなり、水の流れる音が聞こえるようになりました。


「一気に涼しくなったわね、…と親玉が来たみたいよ」


私達は丁度近くにあったいい大きさの岩に身を潜めて待ちました。すると普通のサイズより少し大きめで双剣持ち、鎧を着ているリザードマンが来ました。

どこかの国から逃げてきたのでしょうか?


「なぜ身を隠す?さっさと殺ればいいだろう」


「アホ。また火を吐かれてここまで熱くされたらたまったもんじゃないのよ。ミラ、セーラ、合図をしたら一斉に撃つわよ」


「「了解です」」


「承りました」


絶妙な距離まで引きつけ、リオルの合図で矢を放ちました。

リオルの矢は頭に、私の矢は外れ、セーラさんの矢は鎧に弾かれてしまいました。


「鎧は硬かったですね…」


まだ生きていたリザードマンは火は吐けないものの、剣を振り回して周りの岩をスパスパと切っていました。


「すごい切れ味ですね、ここの岩も切られてしまいそうです」


「もう一撃!」


リオルがまた頭に撃ち込みましたが、まだ倒れません。


「威力が足りんか…そんなわけはないな。となるとあれしかないな!」


ブレイさんは岩陰から出ると、リザードマンを縦に真っ二つ。

リザードマンは糸が切れたように倒れました。


「確実に倒したと思ったのに…なんだったの?」


「恐らくですが死体使い…ネクロマンサーが関わっています…しかもかなりの使い手の方ですね…」


「「な、なんですってー!?」」


いろんなイベントに参加していきたい…いや!参加します!とりま地元のイベントに参加するので詳細はTwitterへ。

読んでくださった方に最大級の感謝を。

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