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ただいま、おかえりなさい

やる気のある時は早いんです。

やる気がない時は遅いんです。

私の元に駆けつけたエリーさんの回復魔法でたちまち私の怪我が治っていきますが、立とうとしても立てません。


「無理に立とうとしないでください!大量に出血してるんですから!リオルさんへの回復が間に合えばいいのですが…」


「私よりも…リオルを…」


「話さないでください!傷が塞がってもしばらくは動かないでくださいね、ノヴァ、そちらは任せましたよ」


ノヴァさんの方を見ると、魔法兵士の攻撃を大剣で防ぎながらフルーホと戦っていました。


「隙が大きいんだよぉぉ!!そんなんじゃそこでくたばってるやつみたいになっちゃうよぉぉ!!?こーんな風にさぁぁぁ!!」


ノヴァさんが大きく振りかぶったあと心臓に向かって刺そうとするフルーホ。ノヴァさんは大剣をフルーホへと投げてポケットから短剣を取り出し、大剣をかわしたフルーホの腕を切り落としました。


「アタイの腕がぁぁぁ!!ゆるさなー」


「『クリエイトウォール』」


ノヴァさんは見えない壁にフルーホを蹴りつけ、クナイで四肢を留め、短剣で素早く残りの腕と足を切り落としました。


「ギャアァァ!!!」


「俺はシスターだ、最期の懺悔ぐらいは聞いてやるぞ。そして祈ってやるよ、てめぇが二度と転生できねぇようになぁ!『セイントナックル』!」


ノヴァさんの手元に四メートル以上はありそうな神々しいハンマーが現れ、フルーホを、魔法兵士達を叩き潰しました。

ハンマーが消えるとそこにはハンマーで叩いた後もなく、倒れているブレイさんだけが残っていました。


「終わったな…辺りに俺ら以外の魔力もねぇ」


「はい、リオルさんの治療も終わったことですし…ノヴァ、申し訳無いのですがブレイさんをこちらまで運んでくださいませんか?」


「分かってる…って大した装備してねぇのに重いなこいつ!筋肉か!?」


「当たり前だ、日々鍛錬をしているからな」


「お前起きてんのかよ!起きてんなら自分で歩け!」


こうして、ブレイさんやノヴァさんのおかげでこの小さな戦争に幕が閉じ、ベルタルタ国の人々はひとまず安心をしたのでした…

その後、私達は街に帰るのですが、私はエリーさんに、リオルはノヴァさんにお姫様抱っこをされて帰ることになりました。


「リオル~生きてますか~?」


「…ちょっと黙ってて。あんな恥ずかしいこと言っっておいて生きてたから恥で死にそう」


手で顔を隠して耳まで真っ赤になっているリオル。可愛らしいです。


「そんな恥ずかしいことを言っていたのか、なんと言っていたんだ?」


「ごめんね…一緒に博打に行く約束…」


「言うなぁぁ!!それ以上言うなぁぁ!!」


リオルはジタバタと暴れ、慌てて持ち直すヴノヴァさん。


「暴れんな!…ったく死にかけだったやつらがこんなにも元気になる魔法なんてあったか?」


「ふふっ、元気なことはとても良いことではありませんか。それにしてもミラさん、本当に良いのですか?その左目…」


私の左目はフルーホに切られ、エリーさんの回復魔法でも傷が治るだけで景色を見ることができなくなってしまったのです。

目を開けているという感覚はあるのですが左の景色は闇のように真っ暗です。


「片目が見えなくなってしまったことは非常に残念です。ですが戦う以上何かを失うことは避けられませんし、エリーさんの力でも治せないのであれば仕方ないですよ」


視界が半分失われたことによりこの先大変なことがたくさんあることでしょう。

弓の精度も今より落ちますし…いや今より落ちたら当たらなくなるのでは…?


「もうすぐ街につくな…おっ、ありゃセーラか」


こちらに気づいた時セーラさんは私たちの所に駆け寄ってきました。


「おかえりなさい…ごめんなさい…セーラは…」


セーラさんはボロボロと涙をこぼし、その場にうずくまってしまいました。


「何故謝る?こうして皆無事だったではないか」


「ノヴァさんとエリーさんは向かってくれましたがセーラはこうして待つことしか出来なくて…」


「そりゃお前が超息切れで街まで帰ってきてたからあの後走って戻れって言う方がおかしいだろ。逆に考えてみろ、お前がノロノロ帰ってきてたらこいつら死んでたぞ。お前はお前のやるべき事をやったんだからそれでいいだろ。それでもウジウジ言いてぇなら強くなりやがれ」


「強く…なれるのでしょうか…?」


「きっと…いえ絶対なれますよ、ノヴァも昔は泣き虫でよく泣いて逃げ帰って来たこともありましたし…ね?」


クスクスと笑うエリーさん。

ノヴァさん、顔真っ赤でしかもプルプルしてますよ。


「んなことねーよ!お前らも笑ってんじゃねー!」


その夜、家まで運んで貰った私達はセーラさんにご飯を作ってもらい、ご飯を食べた後セーラさん達は家に帰りました。

そして私の寝室では今日、クローゼットでいつも寝ているリオルが隣で寝ていました。


「やっぱりクローゼットじゃないと落ち着かないわね…でも今日くらいはいいか」


「今日とは言わず毎日でいいのですよ?…と、話したいことがありました」


「話ねぇ…どうせ今日のことを謝りたいとかそういうのでしょ?それならむしろ私が謝りたいわよ。あんたの左目以上に失ったものなんて無いでしょ?あとブレイの武器か…とにかく私なんて完治してるんだから気にしないの。あと…」


「あと?」


「博打、明日行くわよ」


「えっ」


あんなに博打のことを嫌がっていましたのに…今までも博打関係の約束は絶対忘れたふりしてすっぽかしていましたのに…


「その代わり!あんたはやらないこと。見てるだけ。いいわね?」


「いいですけど…」


「それじゃ明日は狩りしないで一日中町にいるから遅く起きてもいいわ、私もやりたいことあるし。おやすみ」


「おやすみなさーい」


私はこの時何も分かっていませんでした。

リオルが博打に行きたがらない理由を…


パチスロ!パチンコ!麻雀!

てなわけで次話は博打回の予定です(変更の予定大いにあり)

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