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番外編・藤崎ミイナの冒険

 いつものように先輩の部屋を掃除していると、なにやら日記帳らしきものを見つけてしまった。しかし……タイトルがその……


ニャンニャン帳


 深く考えるな!!かわいいと思ってやれ、俺!!問題は内容だから……日記なんて付けてる事自体驚きだが、あの人はどんなこと書いてるのかな?どれどれ……


―――――――――――――――



 あたしの名前は藤崎ミイナ!!普段はおしとやかなニャンニャン王国のお姫様だけど町に悪い怪人が現れると変身して「ミーナー」になるのだ!!ミーナーは日夜悪い怪人と戦ってみんなの平和を守る正義のヒロインなのだ!!



―――――――――――――――


 はい、深呼吸。すー……はー……よし、落ち着いた。突っ込んでやるな。あの人は見た目は同じ年頃でも、中身は2歳児なんだから、こんな痛々しい文章を書いてやっても許してやろう。優しく、そして温かい目でスルーしてあげよう。

 決して、おしとやかじゃねえよ、ニャンニャン王国って何だよ、町に怪人なんてでてこねえよ、あんたの脳みそに変な虫がわいてるだけだよ、とかそんな風に思ってやるな。温かく見守ってやろう。


―――――――――――――――



 今日は公園に遊びに行くぞ。



―――――――――――――――


 怪人どうしたんだよ!!いや待て。いきなり突っ込むな。意味不明なだけに予想だにしない展開が待ち受けてるかもしれないじゃないか。たぶん、ないと思うけど。


―――――――――――――――



 あ、ちょうちょさんだ!!


「ちょうちょさんこんにちは」

「こんにちはミイナちゃん」

「一緒に遊びましょ」

「ごめんなさい私の命はもうすぐ消えようとしているの……」

「そんな……」

「さようなら……」


 大丈夫、さようならじゃないよ。

 ちょうちょさんはミイナの中で生き続けるよ。

 ちょうちょさんありがとう。


 あ、お花さんだ!!


「お花さんこんにちは」

「こんにちはミイナちゃん」

「一緒に遊びましょ」

「ごめんなさい私の命はもうすぐ消えようとしているの……」

「そんな……」

「さようなら……」


 大丈夫、さようならじゃないよ。

 お花さんはミイナの中で生き続けるよ。

 お花さんありがとう。


 あ、ねずみさんだ!!


「ねずみさんこんにちは」

「こ」


 大丈夫、さよならじゃないよ。

 ねずみさんはミイナの中で生き続けるよ。

 ねずみさんありがとう。


 みんな、みんな、ありがとう。

 みんな、みんな、ごちそうさま。


おしまい



―――――――――――――――


「ヘイ、スカリー!!ちょっとこいつを見てくれよ!!」

「どうしたモルダー!?宇宙人のメッセージでも見つけたのか!?」

「イヤァ、まさにその通りだ!!これはおそらく懲りん星人に間違いない!!」

「ビークール、モルダー……それはジャパンの文字だぜ!!」

「オウ、シット!!意味不明な文だからてっきり宇宙からの……シット!!」

「オーケー!!そんな時はこの何でも収納できるXファイルに封印だ!!」

「センキュー、スティーブ!!ところでそのXファイルはいくらするんだ!?」

「よく聞いてくれた!!こいつのお値段は……何とたったの……」


 うるせーよ!!しつけーよ!!引っ込んでろよ!!何がモルダーとスカリーだよ!!あの二人がそんなハイテンションな訳ねえだろ!!ていうかスティーブって言っちゃってるよ!!


 そんなコントはどうでもいいんだよ!!何だよこれは!!ミーナーとか怪人とかどこ行ったんだよ!!確かにこの展開は予想できなかったよ!!ていうか、みんなみんなごちそうさまってそれ全部食ってるだけだろ!!全然大丈夫じゃねえよ!!ねずみにいたっては何も言ってねえよ!!「こ」しか言ってねえよ!!「殺さないで」かもしれなかったじゃねえか!!ていうか絶対そっちだよ!!


 あの人最近俺の作る飯残すと思ったらそんなもん食ってたの!?だったら俺にも考えがあるからな!!今日のあんたの晩飯は安物のキャットフードだ!!文句は言わせねえぞ!!

「ふー……あの人は本当……次回もミイナちゃん大暴れです。でも、俺の身が持たないかもしれないので、少し短めにしま〜す」


「番外編・現実と妄想は区別しろ!!」


「いや、本当にその通りだよ……」

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