番外編・メイドさんブーム!?
どうも天童修司です。あまり本編じゃ語られなかったが、俺とミイナは良平が来る1年も前からこの徒然荘で一緒に暮らしている。だからもう、遠慮もクソもない。お互いに何の断りもなくずかずかと部屋に入ってくる事も多々ある。今朝も……
「天童君、天童君。起きて」
「なんだよ、ミイナ……うるせえ……」
バカ猫の声にうっすらと目を開けると、巨大な斧を振り上げるメイドがそこにいた。そして間髪入れずに振り下ろされる、斧。
「のわあああああぁぁぁ!!」
間一髪。ギリギリのところでかわせた……
「おい、こりゃ一体何の真似だ!!」
「ビックリした?大成功にゃ〜」
「寝起きドッキリ!?下手すりゃ二度と目覚める事はなかったよ!?」
このバカはこんな事をしょっちゅうしてくる。本人はいたずらのつもりか知らんが、俺にとってはまさに今ここにある危機だよ。
「ていうか、朝っぱらから何のようだよ……」
「お掃除してあげるにゃ」
「俺をか……?」
「違うもん!!天童君のお部屋を!!」
「や、いいです……君と違って自分で出来るんで……ていうか、人の部屋掃除する余裕があんなら、まず自分のゴミ屋敷をなんとかしろ」
「ミイナのお部屋は管理人さんがお掃除してくれるから大丈夫にゃ」
全然大丈夫じゃねえよ。お前、良平に何やらせてんだよ。メイドのくせに何やらせてんだよ。管理人の仕事なんだと思ってんだ?
「とにかく、俺の部屋はいいから帰れ。そして、もうちょっと寝かせろ。疲れてんだよ」
「遠慮はいらないにゃ〜まずはベッドの下から……」
「え〜……もう、うっとうし……ん?ベッドのした?そこはやめろおおおぉぉぉ!!」
「にゃ〜?何でそんなにあわてふためくの?」
ベッドの下=男達の聖域!!男性読者なら分かるだろ!?俺の気持ち!!女性の方は分かんないでいいですよ?彼氏が出来るまではね。
「ベッドの下にゴミなんてないから!!いいから!!」
「でも、美樹ちゃんが天童君のベッドの下はゴミだらけ、って言ってたよ?」
あんの、クソガキイイィィ……
「とにかく、もういいからお前は帰りなさい!!」
「ふにゃ〜……ミイナも頑張りたいのに〜……」
「何を頑張る気?嫌がらせ?俺に対する悪質な嫌がらせを?ていうか、ミイナもって、他には誰が何を………………をおおん!?」
ミイナの首根っこをつまみあげて、外に追い出そうとドアを開けた瞬間。俺は信じられない光景を目にした。
「ご主人様〜私なんだか喉が渇きました……」
「はい、玉希様!!ただいま、お入れいたします!!」
お金持ちの人がプールサイドとかにある白いリクライニングなおイスで優雅に読書をするメイド姿の玉希と、なぜかそのメイドさんに白ブリーフ一枚にされ、こき使われる良平だ。ていうか、なんであいつもメイド服?なに?今、徒然荘じゃそれが流行ってんの?伝染病なの?あと、良平はなんでパンいちなの?
「修兄!!大変なの!!玉姉と良兄がおかしくなっちゃった!!」
「…………」
「修兄?」
うろたえる友姫はいつもと同じ普段着だ。よかった。変な伝染病には感染していないらしい。ていうか、案外こいつが一番まともかもしれないな……
「ねえ、修兄……どうしよう……」
「ん〜……どうしましょうかね……」
なんて、悩んでいる横で二人の夫婦コントは続いていた。
「ねえ、ご主人様〜足が疲れました」
「はい、玉希様!!ただいま、おもみいたします!!」
何でイスに座ってる奴が足つかれるんだよ……なんだよ、あの凶悪なメイドさんは……ドSの斜め上を行ってるぞ……ていうか、お前らもう変態カップルにしか見えねえよ?
「ねえ、修兄〜……どうしたらいいの?」
「そうだな……」
とりあえず、ミイナも友姫もよい子は見ちゃいけません。うん、見なかった事にしましょう。
「え〜……次回は先輩の部屋を掃除していた俺が見てはいけないものを見てしまいます。ていうかぶっちゃけ、好評につき、ネタの使い回しです。腹筋が壊れるぐらい笑っちゃって♪」
「番外編・藤崎ミイナの冒険」
「俺的には笑えないけどね……」