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番外編・こんな人知りません

 今日は友姫と買い物がてらこの町を案内していた。道中、ゲームショップでゲームを、ブティックで服を、ペットショップでネコ用の缶詰を、ランジェリーショップで……せがられるままに欲しい物を買い与えて、おかげで俺の財布はすっからかんだ。

 だって、こいつおねだりするのが超うまいんだもの!!「良兄〜」とか「に〜に〜」とか「お兄ちゃん……」とか切ない声で言われてみろよ!!そりゃ、買うしかないって!!問題は烏丸さんか天童のどちらをゆするかだな……


“ドン”


 なんてことを考えていると、公園の前の道で誰かに肩がぶつかってしまった。まあ、相手は例によってあの人なんだが……そう、俺の実の父お……


「おい、良平!!(眼球親父の声)なんじゃそのかわいい子ちゃんたちは!!(眼球親父の声)わしにも紹介せい!!(眼球親父の声)」


 や、知らねえなこんな人。父親?何言ってんの?こんな変なおじさんが俺の親父な訳ないじゃん。だいたい俺の両親は10年前の事故で死んだから。そういう設定だから。おーい、誰かSATを呼んでくれ。ここに変質者がいるから。すぐに射殺してもらって。ていうか、お前はその登場の仕方しか出来ねえのかよ!!

 ああ……嫌なタイミングで親父に会っちまったな……しかも、今日は……


「なあ、母さん!!(眼球親父の声)母さんも気になるよな!?(眼球親父の声)」

「黙れ小僧!!お前にサンが救えるのか!?」

「やっぱり母さんもそう思うか!?(眼球親父の声)」


 おふくろとセットだよ……ていうか、このクソ親父はいつまでその声で喋る気なんだ?あと、お前ら本当に意思の疎通が図れてんの?激しく疑わしいよ?


 などと考えていると、友姫が前にでて、二人にお辞儀をした。相変わらずそとっつらだけはお行儀がいいんだから……


「初めまして、あたしは加茂・・友姫っていいます。良兄のです!」


 その時……


「…………」(俺)


 歴史が……


「…………」(母)


 止まった……


「…………」(眼球親父)


 ていうか、友姫ちゃん!?君は誰に向かって何をほざいているのか、分かっているのかな!?これ一応俺の両親なんだけど!!


「おかしいわね……あたし、こんなかわいらしいお嬢さんを産んだ覚えないんだけど……」


 激しくやべええぇぇ……いつも「黙れ小僧!!」か「お前にサンが救えるのか!?」しか言わないババアが普通に喋ってるよ!!これ完全にぶちギレてる証拠だよ!!こんなの第1話の時以来だよ!!ていうか、あんたの子じゃないんだから身に覚えが……


「この子の年齢はおよそ14、5歳……(眼球親父の声)なら相手はあの時のキャスリン!?(眼球親父の声)」


 あるんかい、このクソ親父いいぃぃ!!しかも、なんだよキャスリンって!?それ、何人だよ!?


「パ〜パ〜……パパは私にウソや隠し事なんかしてないかな……」

「え……(眼球親父の声)」

「かな〜……?」

「え、してないよ……別に」

「ウソだ!!」


 うん、ウソだね?ばっればれのウソだね?でも、やめようね?そんな、ヒナミザワコント。笑っていいのか、突っ込んでいいのか、逃げ出していいのか、よく分かんねえよ。


「むん!!」

「ごはっ!!(素の親父の声)」


 などと考えているうちにババアが渾身のボディーブローをかまして親父を眠らせた。そして、浅い、あるいは永久に眠ったままになるであろう親父を肩に担ぐと、俺たちに背を向け2,3歩あるいたところで、ババアは足を止めた。


「良平……これだけは言っておくわ」

「なんだよ……?」

「一人に石を投げられたら……千人でふくろ叩きにしろ!!」

「…………」

「それが……ヒナミザワスピリッツ!!」


 やー……それは単なる集団暴行事件だと思いますけど……とにかく、あなたのおっしゃりたい事はなんとなく分かりましたよ……親父は集団リンチの刑ですね?


「それじゃ、母さんは今からサファリパークにゴミを捨てに行ってくるわ」


 しかも相手は猛獣!?

 こうして、ババアは立ち去っていった。そして俺の親父もこの世から去った。親父よ安らかに眠れ。もしくはライオンさんの中で永遠に生き続けろ。うんこになって出てくるまで……


「はあ……あのクソ親父……ま、いい。えっと次回は……え!?またババアが出てくんの!?しかも、クソババアのクセに主役!?おいおい、嫌な予感しかしなけど大丈夫なのか?」


「番外編・母の一言」


「…………本当に大丈夫なんだろうな?」

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