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番外編・良平の力

 こんにちは、天童修司です。色々と面倒な事があったが、一件落着して俺たちは無事、いつもの日常に戻ってこれた。徒然荘の102号室。晩飯の支度をする良平と、その良平にまとわりつくミイナ。平和な日常だ。


「ん……にゃ〜」

「はいはい、もうすぐできますから、待っててくださいね」

「にゃ!」


 しかし、そんな何でもない平和な日常に戻ってこれたのに、なぜか俺は胸騒ぎがしてならない。いや、なぜかなんて分かりきっている。良平こいつの持つ、あの不思議な力だ。


 まず、驚いたのは百鬼衆の居場所をいい当てた事だ。合ってたからよかったものの、冷静になって考えれば、何で俺は素人の意見なんか鵜呑みにした?あの自信に満ちた顔に、あるいは妙に納得のいく説明に、なぜか俺の本能がこいつに従えと叫んだからか……

 不思議だ……誰かに指図されるのは、たとえそれが組長でもあまりいい気はしないのに、不思議とこいつの言う事なら聞いてやろうと思う。いや、それどころか、こいつのためなら命を張ってもいいとさえ思えちまう。不思議な人間だ。ん……?人間……なんだよな?


 良平はどこからどう見ても普通の人間だ。いや、こう言っちゃ悪いが普通以下だ。少なくとも武器を持った妖怪に立ち向かえるほど強くないし、それ以前に普通は腰が抜けて動けなくなるはずだ。

 だが、良平は神社の入り口で雑魚とはいえ、2匹も倒した。しかも、あの時の動きはどう見ても奴らの攻撃を完璧に見切っていたとしか思えない。それも後ろから攻撃してきた奴の動きまで……あんな事、武道の達人でもない限りできねえぞ。

 

 それだけじゃない。良平は友姫との戦闘でも、あいつを上回る速度で動いた。あれは……何だ?本当に信じられないほどの早さだった。本気を出した俺とでも(スピードだけなら)ほとんど互角だ……そんな、人間いるか?ていうか、それを人間と言っていいのか?

 それに、俺が友姫を追いかけた良平を追って森の奥に言って見れば、伝説の怪物が真っ二つにされていた。いや、四凶なんてものの存在が本当だったってだけで十分驚きなのに、それの下半身が消えてんだもんな。

 しかもあの時、友姫は大木に磔にされていた。てことはあれをやったのは良平なのか……?何をどうやったら、“普通の人間”が“伝説の怪物”を真っ二つにできんだよ……思わず、とどめを刺したけど、ひょっとしたら俺の助けなんか要らなかったのか……?


 良平……お前は本当に何者なんだ!?


「え〜ダメですよ、つまみ食いは」

「ふにゃ〜……」


 なぜ、あんな事が出来るんだ!?


「そんな、おだてたってあげませんよ。もうちょっと我慢してくださいね?」

「にゃ…………にゃ!うにゃ〜♪」


 なぜ、ネコ語が理解できるんだ!?


「え?俺の髪の毛そんなにいい匂いします?」

「んにゃ!!」


 一体なんのシャンプーを使っているんだ!?


「て、晩御飯先に食べたいだけでしょ?騙されませんよ」

「ふにゃ〜……」


 ミイナがそこまで欲しがる今夜の晩御飯って一体何なんだよ!?


「がまん、がまん」

「うにゃ、うにゃ」


 あれ……?俺、何気にしてたんだっけ……?ま、いっか♪


「おーい、良平。今夜の晩飯って何なんだ?」

「あぁん!?晩飯だ!?てめえはその辺に生えてる雑草でもむしって食ってろ、この殺人鬼が!!」

「…………」


 訂正……やっぱ、こいつのためになんか命張りたくない……


「どうも、真夜中の堕天使、烏丸明彦です。本編ではなにやら僕が単なる変態さんみたいなキャラになってしまったが、僕だってやる時はやる。その証拠を次回お見せしよう」


「番外編・烏丸VS徒然荘の住人たち」


「さあ……ショーの始まりだ」

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