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第5話 201号室の藤崎ミイナ

 同じ部屋に住む座敷童子の美樹ちゃんに重大な情報を教えてもらった俺はあること決意した。同年代の(かわいくて優しくてしかも俺的にはツボなネコ耳の)女の子が1人寂しく彼氏を募集していると聞いたとあっちゃ、もうこれは黙っておけないよね?放っても置けないよね?思春期真っ盛りな15歳の男の子として彼女のハートをつかむっきゃないよね?ほらよく言うじゃん?「出された食事は食べなきゃ男の子じゃありません!」的なことわざ!

 よし!そうと決まったらやることは一つ!荷物を置く!二人のおチビちゃん妖怪に言う!


「よし、それじゃ俺はこれからご近所さんに挨拶に行くから」

「え?何で急に?」

「それは愚問だよ、オッシー君。これは人間として(本能的に)やっておかねばならない当然の行為だ」

「何か流れ的に不自然な気がするんだけど……」

「全然不自然ではないよ。むしろ自然(現象)と言ってもいいぐらいだ。では行ってくる!」


 俺はガッツポーズでエールを送る美樹ちゃんと何がなにやらといった様子のオッシーを置き去りに猛然とドアを開け放った。103号室に巣くう鬼のお兄ちゃんをダッシュでスルーする俺。アパートの横の階段を駆け上がる俺。テンションも異様にあがる俺!目指すは二階の一番奥のドア!!今、会いに来ました!!ミイナちゃん!!


「すいませーん。今度下の階に住むことになった新しい管理人の加茂といいます。今日は引越しの挨拶に来ました」


 興奮気味なハイテンションを押し殺し冷静な声であくまでも引越しの挨拶に着ただけのふりをする俺。完璧だ。これなら鼻の下伸ばしてすっ飛んできたなんてばれねえだろ。


 しばらくしてドアが開いた。そして中から出てきた少女を見て俺は呆然とした。


 背丈は俺より頭一つ分低い、わりと小柄な子だ。髪は肩にかかるぐらいのゆるいウェーブのかかった、キレイなつやのある黒いショートヘア。まあ15歳だからそんなに胸はないもののすっとしたスレンダーなスタイルが逆に良いね。ファッションはと言うと、上は少し大人っぽい7分丈のゆったりとしたカットソーに、下はデニム生地の刺激的なマイクロミニスカートと、男心をくすぐりまくものだ。顔に至ってはどうだ?大きくパッチリとした目に小さな口と整った鼻筋と、某美的ランクで言えばトリプルSプラス間違いナシだ。


 おいおい……この子マジで妖怪ですか?妖精の間違いだろ?こんなかわいい子、人間界どころか芸能界にもそうはいねえよ?よし!ここは一つばっちりと挨拶をして好印象を残さなきゃ!


「や、や、やあ!俺、加茂ろうへいっていいいます!これからここに住むことになるんでよろしく!管理人なんでこまたことあたらいつでも言うよろし」

 

 ありえねえだろ!!いくら緊張してるからって何で自分の名前かむんだよ!!その上、後半うさんくさいチャイニーズになってるじゃねえか!!最悪だ……いくらこの子が優しくてもこれはどん引き確定だあ……

 いや、待て。キョトンとしているがひいてはいないぞ。さすが優しいミイナちゃん!芸能人顔負けのキュートなまなざしでじっと俺を見守ってくれていたんだね。ありが……


「ハア……」


 と思ったら開口一番ため息!?いや、まあ気持ちは分かるよ!!自分で言うのもなんだが俺はイケメンじゃないし、さっきの挨拶もぐだぐだだったからね!?でもそこはすっと受け流してよ!?君は優しいキャラでしょ?


「マジ最悪……よりによってこんなダサ男つれてきやがって……」


 あんれええぇ!?今なんかすんごい辛辣しんらつな単語が聞こえてきたよ?美樹ちゃん、この子あんまり優しくないよ?どういうこと?


「まあ、いいや……あたしは藤崎ミイナ」

「ああ、俺は加茂良平……」

「それはもう聞いた。何で何回も自己紹介すんだよ。ウザイな……」

「いや……さっき自分の名前をかんだから……」

「別に聞いてないし……あとあたしには敬語使えよな」

「は……?何で……?」


 え?何?この子かわいい外見とは裏腹に超ドSな女王様タイプなのか?ご安心を、こんなかわいい子に限ってそんなことはございませんよ。ではタメにも関わらずなぜ俺に敬語を使えというのか?その理由はいたって簡単!それはね


「あたしはもう去年からここに住んでんだよ。それに比べてあんたは今日来たばっか」

「あ、ああ、そうだけど……」

「後輩が先輩に敬語使うのは常識でしょ?」


 だそうです。って待てい!!あんたは体育会系のお兄さん!?そんな常識は挨拶が「オス!」という汗臭い男共にしか通用しないよ!?


「分かった!?」


 分かるわけねえだろ!!俺は体育会系じゃねえんだよ!!どっちかって言うと文科系なんだよ!?ぶっちゃけ「ネコ耳萌えー」とか言っているアキバ系なんだよ!?そんな肉体派な考え……


――超短いミニスカート――


 そんな肉体派な考え……


――そこから伸びる白い太もも――


 思春期まっさかりのこの俺に……


「はい!分かりました、先輩!」


 分かるのは思春期の少年がいくら心の中で抵抗しようが本能という獣には勝てないということだけかな?テヘッ♪


「よし……じゃ、さっさと入れ」

「はい?」

「あんた管理人でしょ?」

「はい……そうっすけど……」

「だったらさっさとあたしの部屋片付けてよ」


 なんですと!?お前どこの世界に他人の家の中まで管理する管理人がいるんだよ!いいか!管理人というのは、暇つぶしに外の掃除したり、誰も見向きもしねえ掲示板を張り替えたり、花壇のお花にお水をあげたりするのが仕事だろ?自分の部屋は自分で掃除しなさい!

 と言いたいところだが、こんなかわいい子の部屋にお呼ばれする機会は金輪際こんりんざい二度とないかもしれん……ならばここは喜んでお片づけさせてもらいましょう!


「それじゃ、お邪魔しま……」


 そう思って彼女より先にドアを開け中へ入ろうとしたが……出来ない……無理だ……


「何してんの?さっさと入ってよ」


 いや……入れって言われても……これはちょっと……うん、次回に続きます……


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