表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時の糸  作者: 茅凪幸葉
4/9

出逢い

だが。


「それは、できないの」


イトは、ゲンの言葉に目を伏せて強く首を振った。


「なんでだ?確かにここには暮らせるだけの家も畑も卵も、水も樹もあるけど…何かあったら誰も頼れない」


「……とと様もかか様も、言ってたの」


再びイトは首を振ると、ゲンを悲しげな目で見つめた。


「山を下りて、村へ行ったらだめだって。行っていいのは、お祭りの時に旅の人として行く時くらいだって」


「そんな言いつけ…」


「…とと様のとと様、じじ様も…その前の大じじ様もその前も…昔からみんな、そうしてきたんだって」


「………」


イトがとても寂しげにそう語る姿を、ゲンは黙って見ていた。

彼女の先祖は、何か追われる様なことをしたのだろうか。

ゲンの住む村は小国の一村。その中でずっと暮らしてきた彼には、罪人の話など一切覚えがなかった。

だとすると、国に対して何かをしでかしたのか…しかしそれも、イトの曾祖父、それより前からとなれば、国から各村に何かしら御達しがくるはずだ。

考えても頭に答えは出なかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ