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序章 横須賀

初作品、軍事考証も設定もぐだってますが、どうか読んでください。

 2020年5月、日本国海上自衛隊横須賀基地。

そこは、今の時期ならば涼しげな潮風が吹きつけ、段々強くなる日差しの下、護衛艦がその堂々たる姿を休ませる。初夏の雰囲気が感じられる港だ。そう、いつもならば(‘‘‘‘‘‘)だ。そして今日に限ってはなぜだか、


―硝煙の、匂いがした。



 「対空レーダーに感有り!弾道弾第二波と思われます!」

 海上自衛隊護衛艦、「むらさめ」電測員青木庄司1等海曹が叫んだ。

「弾道弾、数4、距離二十万(200000メートル)、弾着まであと一分二十秒!」

「ESSMシースパロー発射用意!目標・・・」

「『こんごう』SM-3発射を確認!」

 砲雷長中瀬忠文の命令は、見張りの報告で中断された。

中瀬が僚艦である「こんごう」に画面を通して目をやると、「こんごう」の前部VLSより白い煙が昇り竜の如く空へ向かってのびているのが見て取れた、「こんごう」に装備されているSM-3スタンダードミサイルが敵弾を叩き落とすべく、放たれたのだ。

 「『こんごう』の誘導弾、弾着まであと3、2、1・・命中!」

 その瞬間、CIC内に一瞬歓声が挙がりかけたが、電測員の次の一言でそれは消え去った。

 「駄目です!弾道弾残り2、我が方に接近中!距離二万!」

 「シースパロー目標、トラックナンバー02-01及び02-02、シースパロー発射!サルボー(斉射)!」

 青木の報告に中瀬はためらいなく言い放った。

直後、「むらさめ」の舷側より、シースパローが2発、凄まじい勢いで空へ放たれた。

 「シースパロー着弾まで、3、2、・・・」

 青木の秒読みに、CICに詰めている全員が固唾を飲む。

「命中!・・いや、あと一発きます!距離・・・」

 その時、彼方から聞こえてきた弾道弾の飛翔音が急速に拡大した。

(まずい・・・!)

 中瀬がそう思った瞬間、突如CICの中の景色が紅蓮に染まった。

彼がそれが何かを理解する前に、彼の視界は暗転し、もう戻る事は無かった。




 「むらさめ」に弾道弾が直撃、轟沈する様を目撃できたのは「こんごう」だけではなかった。

陸地―黒煙が上がり続ける横須賀港がまだ見える海面にその艦は存在した。

 遠方から見る限り、その艦が特別変とは見えない。が、近づくとその艦の異様さが見て取れた。

 海面を切り裂く巨大な艦首、空母かと見紛うような長大な全長、そして30メートルはあろうかという全幅、そしてなにより、この艦には、

―兵装が、見当たらなかった。



 その艦の艦橋と思わしき部署で一人の男が、遥か遠くに見える昨日までの母港を見つめていた。

 「中瀬・・!」

 護衛艦を棺として逝った旧友の名を男がつぶやいたとき、艦体の速度が増し、東へと艦首を向けた。



 これが、日中開戦より六か月、横須賀空襲とよばれる惨劇の一部始終だった。

次回、現在の状況の解説と謎の艦・・・つっても大抵の人はもう予想が付いてるかな?の正体。

12/7 微修正しました。

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