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無表情悪役令嬢ですが、宰相補佐にだけ可愛いと言われます  作者: かも@ろん


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7/7

その後の二人①

宰相補佐、無表情令嬢を“恋人扱い”し始める**

レティシアとアレクシスの関係は、事件後も続いていた。

正式な恋人ではない。

しかし、周囲から見れば──

「……あれは、どう見ても恋人では?」

「宰相補佐があんなに優しいなんて……!」

「レティシア様、表情は無いのに……なんか甘い……!」

そんな噂が飛び交うほどだった。

ある日、レティシアは宮廷の庭園で花を眺めていた。

無表情のまま、静かに風に揺れる花を見つめる。

そこへアレクシスが現れた。

「探した」

「……探していたのですか?」

「当然だ。君がいないと落ち着かない」

(……落ち着かない?)

アレクシスはレティシアの手を取り、指先に軽く口づけた。

「……っ」

レティシアの目がわずかに揺れた。

アレクシスはその反応を見て、満足げに微笑む。

「可愛い」

「……可愛くありません」

「可愛い」

「……可愛くありません」

「可愛い」

レティシアは無表情のまま、ほんの少しだけ耳が赤くなる。

アレクシスはその変化を見逃さず、レティシアの腰に手を回した。

「……アレクシス様?」

「恋人のように扱ってもいいか?」

レティシアは無表情のまま固まった。

(……恋人……?)

アレクシスはレティシアの頬に触れ、静かに言った。

「君が嫌でなければ」

レティシアは無表情のまま、ほんの少しだけ頷いた。

アレクシスは息を呑み、レティシアをそっと抱き寄せた。

「……ありがとう」

その声は、驚くほど優しかった。


レティシアは、アレクシスの執務室で書類を整理していた。

無表情のまま、淡々と作業を進める。

アレクシスはその様子をじっと見つめていた。

「……レティシア嬢」

「はい」

「君は、本当に……綺麗だ」

レティシアの手が止まった。

(……綺麗?)

アレクシスはゆっくりと近づき、レティシアの手を取った。

「無表情なのに、こんなに心を揺らす人は初めてだ」

レティシアは無表情のまま、ほんの少しだけ視線を逸らした。

アレクシスはその反応を見て、静かに微笑む。

「……可愛い」

レティシアの心臓が跳ねた。

アレクシスはレティシアの頬に触れ、ゆっくりと顔を近づけた。

「……キスしても?」

レティシアは無表情のまま、ほんの少しだけ目を閉じた。

アレクシスは息を呑み、そっと唇を重ねた。

優しく、短く、しかし確かに。

レティシアの仮面が、またひとつ揺らいだ。

アレクシスは額を寄せ、囁いた。

「……好きだ」

レティシアは無表情のまま、しかし確かに微笑んだ。

「……私も、です」

アレクシスはレティシアを抱きしめた。

「……可愛い」

レティシアは無表情のまま、しかし心の中でそっと笑った。



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