第1章:神魔の産声
こんにちは。ネット小説を投稿するのは今回が初めてです。もし何か間違いがあれば、指摘していただけると助かります。
洞窟の奥底、湿った闇の中で、ロイドは激しい拒絶反応に身をよじっていた。血管の一つ一つに煮えたぎる魔力が流れ込み、骨を組み替えていくような異様な感覚。
「あ、が……っ! 身体が……壊れる……!」
喉から血を吐くような叫びが漏れる。しかし、その苦痛を超えるほどの「悦び」が彼を支配し始めていた。脳裏に浮かぶのは、自分を汚物を見るような目で追い払った村人たちの顔、そして嘲笑いながら剣を向けてきた騎士たちの姿だ。
「力が欲しいか。絶望を糧に、すべてを支配する覇道を行くか?」
意識の深淵から響く声に、ロイドは血を吐きながらも不敵に笑った。 「ああ……全部だ。俺を蔑んだ奴ら全員を、地獄の底から見上げるような高みへ……連れていく力をよこせ!」
その瞬間、ロイドの胸に刻まれた紋章が漆黒の光を放ち、洞窟全体を震撼させるほどの衝撃波が吹き荒れた。
翌朝、崩れ落ちた岩石の中から這い出したロイドの姿に、かつての弱々しさは微塵もなかった。瞳は黄金の輝きを帯び、その身からは触れるものすべてをひれ伏させるような、圧倒的な王の威圧感が漂っていた。
「……世界が、止まっているようだ」
感覚が鋭敏になりすぎて、風の揺らぎや木の葉の落ちる音までがスローモーションに見える。彼は自らの掌を見つめ、そこに宿る「万物すら消し去る力」を確信した。
「おい、いたぞ! しぶとい野郎だ!」
茂みをかき分け、十数人の傭兵たちが現れた。昨夜の追っ手の生き残り、そして報酬に釣られたならず者たちだ。
「おい厄災の子、その様子だと何か宝でも見つけたようだな。大人しく渡せば、苦しまずに殺してやるぞ」
先頭の男が下卑た笑いを浮かべ、巨大な斧を肩に担ぐ。 ロイドは返事すらしない。ただ、哀れなゴミを見るような冷めた視線を男に向けた。
「……もういい、喋るな。反吐が出る」
「なんだとぉ!? てめぇ、死にたいか!」
一斉に斬りかかってくる男たち。だが、ロイドは一歩も動かない。ただ静かに右手を上げ、指を弾いた。
ドォォォォォン!!
一瞬にして大気が凍り付いたような錯覚。男たちは空中で何かに衝突したかのように静止し、次の瞬間、凄まじい重圧によって地面へと叩きつけられた。
「ぎゃあああっ! 身体が……身体が潰れるっ!」
悲鳴と骨の砕ける音が重なり合う。ロイドの放つ「神の重圧」の前に、人間などただの肉塊に過ぎなかった。
「慈悲を乞うか? お前たちが俺に一度でも見せたことがあるのか、そんなものを」
ロイドが冷酷に手を振り下ろすと、地面がクレーターのように陥没し、男たちは悲鳴を上げる間もなく存在そのものを消し飛ばされた。後に残ったのは、静寂とわずかな塵だけだ。
「ふふ、あはははは! 素晴らしい……これこそが俺の望んだ景色だ」
復讐の幕は上がった。かつて追われていた少年はもういない。そこにいるのは、世界の頂へ向かって歩き始めた、残酷で孤独な「神」の姿だった。




