詩小説へのはるかな道 第19話 陽だまりの記憶 乙一に捧ぐ
原詩:影踏みの午後 ー 乙一タイトル詩
「GOTH」な午後
君は「暗いところで待ち合わせ」していた
「ZOO」の檻のような街で
「失はれる物語」を拾い集めながら
「死にぞこない」の風が吹く
「銃とチョコレート」を抱えた少年が
「きみのために世界はある」と囁いた
それは「天帝妖狐」の夢か
「夏と花火と私の死体」の残像か
「平面いぬ。」が吠える夜
「百瀬、こっちを向いて。」と願う声が
「さみしさの周波数」に乗って
「小説家の作り方」を忘れた僕に届く
「暗黒童話」のように
この「ホワイト・ノイズ」だらけの世界で
「傷 -KIZ/KIDS-」を抱えながら
「僕の小規模な奇跡」を信じてみる
そして君は「リビング・デッド・キッチン」で
「天使の囀り」を煮込んでいた
「つめたいよるに」
「呼吸」だけが確かだった
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詩小説:陽だまりの記憶 乙一に捧ぐ
アンドロイドのミナは、廃棄された遊園地の管理を任されていた。
人間が去って久しく、観覧車は止まり、メリーゴーランドは軋む音だけを残していた。
ミナは毎朝、錆びたベンチに座り、空の色を記録する。
誰も見ない報告書に、空の青さや風の匂いを書き留めるのが、彼女の仕事だった。
ある朝、どこからか小さな子猫が迷い込んできた。
毛並みは白く、目は春の空のように澄んでいた。
ミナはその子猫に「ハル」と名づけた。
ミルクをあげると、ハルはミナの膝の上で丸くなり、喉を鳴らした。
ハルは遊園地のあちこちを探検し、ある日、片腕の取れた古い人形を見つけてきた。
人形はかつて誰かに愛された記憶を纏っていた。
ミナはそれを修理し、ベンチの隣に座らせた。
人形には「ユイ」と名づけた。
ミナ、ハル、ユイ。誰も来ない遊園地に、静かな家族ができた。
ミナはユイに話しかけるようになった。
ハルが眠る午後、ミナはユイに空の話をした。
「今日は少し曇ってるけど、風は優しいよ」。
ユイは黙って聞いていたが、ミナにはそれが心地よかった。
ある春の日、ハルは帰ってこなかった。
ミナは遊園地の隅々まで探したが、白い毛並みは見つからなかった。
ベンチに戻り、ユイを抱きしめながら、空を見上げた。
「ハルは、春に還ったのね」とミナは言った。
その夜、ミナの胸の中で、ユイの瞳がほんの少しだけ光った。
まるで、ハルの記憶がそこに宿ったかのように。
翌朝、ミナは報告書にこう記した。
「空は晴れ。風はやさしい。
ハルの気配は、ユイの瞳に残っている。
今日も、家族はここにいる」
遊園地は静かだったが、ミナの中には確かなぬくもりがあった。
誰も来ない場所で、誰かを想うこと。
それが、新たに追加された彼女の仕事だった。
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ショートショート 「影踏みの午後」
(わたしの原詩を読んで作ったAI君の作品です)
午後三時、街は檻のように沈黙していた。
君は「暗いところで待ち合わせ」していたはずなのに、僕が辿り着いたのは「ZOO」のような交差点だった。
信号は壊れ、誰もが立ち止まったまま、物語の続きを忘れている。
ポケットには「銃とチョコレート」。
それを抱えた少年が、僕の影を踏んで言った。
「きみのために世界はある」
その声は「天帝妖狐」の夢のように甘く、けれどどこか「夏と花火と私の死体」の匂いがした。
夜になると、「平面いぬ。」が吠えた。
その声に混じって、「百瀬、こっちを向いて。」という誰かの願いが「さみしさの周波数」に乗って届く。
僕は「小説家の作り方」を忘れていた。
だから、ただその声を聞いていた。
「暗黒童話」のような世界。
「ホワイト・ノイズ」に満ちた空気の中で、僕は「傷 -KIZ/KIDS-」を抱えながら、
それでも「僕の小規模な奇跡」を信じてみた。
そして、君はいた。
「リビング・デッド・キッチン」で「天使の囀り」を煮込んでいた。
「つめたいよるに」、君の「呼吸」だけが確かだった。
僕は影を踏みながら、君の背中にそっと言った。
「また、午後に会おう」
君は振り返らず、鍋の中の囀りに耳を澄ませていた。
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。




