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天上のダイアグラム  作者: R section
第6章 予測の先

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第93話 探求する妖精

年末という時期はなぜ忙しいのか。謎ですね。

例にももれず私も仕事が忙しすぎて週に休みは半日程度しかありません。


できるだけ編集を急いではいますがついに編集済みストックが切れました。

―――2026年5月4日 界面機構 地下サーバールーム


大佐と雪乃が案内されたのは、界面機構の本社が入るビルの地下


そこには大規模なサーバールームがあった。


そして、そこで睡眠を取っていたが佐竹彩弓だった。


「よくこのような場所で睡眠を取れますね。」


あまりの特異さに、雪乃がこぼす


「ええ、これもある意味才能によるものなのですが」


「とはいえ、少なくともこの室温では健康的に良くありません。」


「ん...それは問題ないよ。」


目を覚ました佐竹が答える。


「佐竹さん、例の新人を連れてきました。」


「ん...ああ...必要ないってあれだけ言ったのに」


「とはいえ、例の計画には必要でしょう。」


「だからそれは立案者である私が大丈夫だと」


「おっと、その話はまた今度にしてください。ひとまず、仮でいいのでお二人と作業に取り組んでくださいね!では」


雪乃と大佐は取り残される。


「ま、まあとりあえず座って。」


佐竹はパイプ椅子を開きながら話す。


「見ての通り、とても複雑なものなんだ。一般人に触らせるわけにはいかないってわかるよね。」


「はい。確かに、50Uラックもそうですし、この規模から察するに1000TB以上は扱えるデータサーバーでしょう。それにコンソールを見たところ独自のOSであることも分かります。であれば確かに一般のエンジニアに扱えるものではないでしょう。」


佐竹はおそらくわからないだろうから帰れというニュアンスで話したであろう。


だが、そもそも存在そのものがこの数千倍ものスペックのAIである雪乃にとってそれはおもちゃと呼べる代物だった。


「見ただけでそこまで...?」


「はい。マニュアルを戴ければすぐにでも作業を開始できます。」


「ま、まあ実際にできるかは別問題だね。ひとまず君にはマニュアルを読んでもらおう。」


「はい。それではさっそく」


「伊佐さんはいいとして、君は何は別だろう」


「別と言われれば別ですね。」


「じゃあ、このシステムのボトルネックは何だと思う?」


「システムの応答時間でしょう。既製品の50Uラックをここまで並列稼働させてしまっては、内部での応答時間がネックになる。だからそれをアド戦ではリアルタイムに変更することで補っているんですよね。」


「は...いやおかしい。君たちスパイか何かだろう。」


もちろんおかしくはない。


雪乃の基礎設計を行ったのは他でもない大佐だ。


雪乃にできることが大佐にできないわけがないとまでは言わないがAIを扱う分野において、この世すべての人間の中では指折りだろう。


「佐竹さん。システムのコードを見させていただいてもよろしいですか?」


「見てわかるものでもないし、別に構わないよ」


大佐はコンソールを操作する。


「おかしい。初見の独自OSを普通に操作するなんて」


大佐と雪乃はしばらく作業をした。


その間佐竹は開いた口がふさがらない様子だった。


―――六時間後


「概ね理解しました。仮で改善項目のリストアップと代替コーディングを行いました。ご確認ください」


雪乃はシステムのすべてを理解した。


その上改善策まで用意していたのだ。


「これは...いやだめだ。これだと面白くない」


「私も概ね理解できました。佐竹さんはものすごく探求心が強いのですね。」


大佐は理解した。


佐竹彩弓という人物が悪意のある有能ではないと。


それに、無能な有能であることを理解した。


だが、それは悪いことではない。


「君たちなら理解してくれるかもしれないが、我々のレベルになると世の中の事象の大半が予測に基づいて進んでいく、例外があるとするなら理論に基づかない感情的な事象だけ。そう感じたことはないか?」


「分かります。」


大佐はカウンセラーの時に見せる顔をしていた。


「概ね予測できると生活に刺激が不足する。しかしその不足は自然に補えるものじゃない。」


「はい。昔、山内も同じことを言っていました。」


「そう考えているところにミヤビAIとかいうとんでもないものが現れた。何もわからないそれは私にとって神が与えた最高の道具だったんだ。」


「なるほど。」


「だから深く知り、自分の物にしようと探求した。その粋がこれだ。」


「先ほども言いましたが、佐竹さんは探求者ですね。それは類まれなる才能でしょう。」


「ああ、だから自分の物で遊ばれるのはいやだってこともわかるだろう?」


「はい。」


「でも君たちは私以上だった。正直、化け物だよ。」


「そうでしょうね。」


「でも悪くなかった。今まで一人だけ世界から見放されていたと思っていたのに、初めてだよ。」


「なら明日も」


「もちろんだとも。明日からよろしく頼む。」


こうして、大佐と雪乃は佐竹に認められた。


そしてその後


――――5月4日 深夜 大佐の自室


「早速だが雪乃、今回はどう考える?」


「はい。概ね予測通りでした。無能な有能が偶然引き起こしたというだけです。」


「だな。しかし、佐竹を否定はできない。」


「はい。今のところ、現実と空想の間で起こる共通認識は大きく社会を傾けてはいません。」


「しばらくは観測だな。」


「はい。それに...」


「なんだ?」


「いえ、明日からもお仕事頑張りましょうね。先輩!」


雪乃は満面の笑みを浮かべていた。

次回は一週間以内に更新。つづきを追いやすくするため、**ブックマーク(しおり)**で目印していただけると助かります。


また、作品のご感想やご意見もお待ちしております。厳しいご意見でも構いません。

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