表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天上のダイアグラム  作者: R section
第5章 共感の贄

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/92

第74話 早すぎた未来

―――2026年 3月20日 午後 MoRS本部 幽世


「大佐。異常の兆候です。」


「ああ、だが原因が不明である以上、我々にはどうする余地もない。」


解析セクターの統括主任であるマイケル小林はやきもきしていた。


「大佐の仰ることは分かりますが、これは人為的かもしれません。」


小林が必死に大佐を急かす中、会議室の扉が開く


「おっまたせ~!まったぁ?」


「う...よりにもよって彼女ですか?いつ拘禁解除に?」


雪乃はとても嫌そうな表情だった。


「来栖ちゃんが嫌いなのはわかるけどさぁ~、大佐の前だよぉ?」


”来栖 明日海”


彼女は観測セクターの統括部長である。


基本的に統括主任以上の構成員は特殊構成員であるが、難のある人物が多い。


マイケル小林は特殊構成員になりたてであるが、その逆に来栖は古株の構成員だ。


「来栖、申し訳ないが少し真面目な話をしたい。」


大佐は顔を顰める。


「わかった。ただ、三年も拘禁したんだから何かあってもいいとおもうなぁ~」


「というと?」


「この件が終わったら...前の約束...ね?」


「もしも、もしもだぞ?もしも来栖が完ぺきに仕事をこなしたら考えてやる。」


「考えるだけぇ?でもさぁ別に悪くない話だとおもうしぃ~」


「そういう問題じゃない。じゃあ問題も何も起こさなかったらそのときは望みどおりに」


「やったぁ~これは失敗できないなぁ...だって私の...」


大佐と来栖の間にはとてもとても複雑な事情がある。


雪乃ももちろんその事情は知らないが、あまりよろしくないことであるとは察しがついていた。


「大佐。ちょっとお手洗いにいってもよろしいでしょうか?」


「???」


雪乃には排泄機能はない。


「よろしいでしょうか?」


「あ、ああ...ごゆっくり」


雪乃は部屋を出た。


「では、本題に入るが、今回来栖を呼んだのは他でもない。観測が難しいケースである可能性がある。」


「だよねぇ~、とはいえモーちゃんの観測力は私と大差ないんだけどなぁ~」


「それはそうだが、人間的視点を考慮したら非じゃない。」


大佐は表の顔として、心理師として働いている。それは大佐は特殊能力と呼べるレベルの観察眼があるからだ。


ただし、その観察眼というのは基本的に相手と話したり、長時間の行動を見て発揮される。


だが、来栖は違う。


大佐の分析でもどうすればそうなるのか全くもってわからないが、なぜか彼女は見ただけで情報をほとんど理解する。


特に、人間の行動心理には人間はもちろん機械でも叶わない。


「資料を見た感じだと、たぶんみやびちゃんのせいだね。」


「それはわかる。」


「それと、これ多分大佐が配ったでしょ」


「え?大佐が?」


小林はとても動揺した。」


「そうだ。」


「だっよねぇ~。でも多分大佐の配ったコードから別の人が悪意のある方向に変化させてるね。」


「ちょっと待ってください。大佐が人類に早すぎる技術を渡すなんて」


例の一件で配ったことは、雪乃と大佐だけが知っている。


「確かに速すぎたかもなんだけどね?多分問題はそこじゃないって感じかなぁ」


「もう少し小林にもわかるように言ってくれ」


「じゃあ今分かったことを説明するねぇ」


来栖が見たのは何だったのか、それは人類にとっておそらくは脅威だろう。



次回は明日更新。つづきを追いやすくするため、**ブックマーク(しおり)**で目印していただけると助かります。


また、作品のご感想やご意見もお待ちしております。厳しいご意見でも構いません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ