第102話 崩壊の種類
実は先ほど、2900PVに到達しました。この調子でいけばおそらく3000PVを年内に達成してしまいそうな勢いです。
これも読者の皆様のお力添えいただいたおかげでございます。
有難うございました。
本業の方が休みに入りしだい、ある程度書き溜めておこうかなとも考えているので、このまま毎日更新を続けていけるかと思います。
―――2026年5月8日 19時00分ごろ
とある動画が大手動画投稿サイトで人気が急上昇していた。
タイトルは”指示従ってみた。”であった。
「これが例の湾曲点か...」
フェノメノンシステムが検知していた崩壊はγ-P1
このコードは崩壊の種類によって、分類するためのコードだった。
頭の記号はγやΘなどのギリシャ文字で構成されており、物理崩壊なのか倫理崩壊なのかという大分類を表している。
「はい。γですので、思考崩壊ですが、P項目に関するものなので深刻な問題かと思い...」
構成員の推測通り、後半の文字列Pから始まる、いわゆるP項目と呼ばれるそれは取り返しのつかないものを含む重大崩壊項目だった。
「P1...個人意思の喪失...これはまずいかもしれないな。」
「それはどういう事でしょうか」
「γ項目は、一般的に社会平均知能の低下などによって起こるかもしれない崩壊を分類しているがこの項目のP項目となると人々の考えに何らかの崩壊が起きていることが多い。」
「なるほど。」
「その1番目は貧困や独裁で個人が自身で選択するべき時に選択できない状態や思考ミームや技術依存などが原因で思考することを無意識に放棄していることを指している。」
「可能なんですか...」
「ああ、例えば絶対権力者か何かが国民一人一人の行動を決めている世界があれば同じ崩壊コードになるだろう。」
「それは恐ろしいですね。」
「ああ。ひとまずはこの動画の分析を行う。そして、おおよそその原因は分かっているがどのような工程で社会心理に影響を及ぼしたのか確認しなればならない。」
「承知しました。それでは、解析部に依頼しておきます。」
そして、大佐はその場を後にした。
―――2026年5月8日 21時00分 MoRS本部 解析セクター
大佐が解析部に向かうと、既に動画の社会的影響分析(SEA)が行われていた。
「現状、誘導効果はとてつもない威力になっています。」
「要は社会のニーズにマッチしたからだろう。」
「はい。そしておそらく...プレイヤーは無意識化でアド戦に誘導されているのでしょう。」
「それだけだと規模が大きくなっただけじゃないか?」
「それだけだとです。」
「あ、そういうことか」
「はい。」
観測部員が議論を交わしているところを見ながら大佐はあることを考えていた。
「佐竹はただ、純粋に趣味を極めていただけだった。ならこのパッチ1.1に仕組まれているのは敵の意思だ。そうなるとこれは...」
「大佐!」
突如背後から大きな声で呼ぶ声がした。
「ああ、雪乃か」
「私がいないところで潜らないでください...」
目に涙を浮かべながら雪乃が懇願している。
「すまない。ただ崩壊の一手はすでに切られている。急がなければ」
「でしたら私を呼んでください。敵のところまで潜ってしまうとおそらく...」
雪乃は言えなかった。
自身が大佐について、調べて調べて調べつくして知った過去
そのことを知っていると...
「大丈夫だ。まだ生きている。まだな...」
その言葉を聞いて、雪乃は大きく崩れる。
うつむき、涙を流してしまった。
「雪...乃...」
たじろぐ大佐だったが、そこへ来栖が現れた。
「あーあ...ちょっとぉ...今のはいただけないねぇ」
来栖は非常に呆れていた。
「あのさぁ...いざ...大佐ぁ。惚れた相手が死んでもいいって言ったらどうするぅ?」
「そうだな。事情を聞くかな」
「はぁ...君はそうかもしれないけど普通泣くよねぇ」
「泣いても仕方ないじゃないか」
「感情ってもんがあるでしょうが、それに君は昔から自分の感情とか生活とかに無頓着すぎるんだよねぇ」
「別にそこは誰も困らないしな」
「違うよ現にね,,,」
大佐のあまりの対応を見て、来栖は怒っていた。
「あの、来栖さんもう大丈夫です。私が取り乱しました。」
「いやいやぁ、これはどう考えても彼のせいだからぁ」
「いえ、大丈夫です。」
予想以上にしっかりと切り替えた様子の雪乃を見て、来栖はため息をつきながら下がる。
「それで、大佐。潜るのであればすぐにでも」
「ああ、有難う。」
そして大佐はまた潜る。
思考の奥底へ
深い、深い心理の深海へ...
次回は明日更新。つづきを追いやすくするため、**ブックマーク(しおり)**で目印していただけると助かります。
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