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王太子暗殺未遂事件~存在しない容疑者~  作者: S屋51


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エピローグ

 年が明けて新しい宮が完成し、引っ越してから一月ほどして僕の処分が決定した。

 准勅を出しておいて、子爵家の企みについて表に出さないとなれば僕の正当性は失われるからね。

 王太子殿下が毒を盛られたから、アイシル妃についても危険と判断した。けど、なにも危険はありませんでした。じゃ、済まないよね。出産間近の人を拉致ってんだから。

 もちろん、パパンたちは事情を知ってるから本当に処分されるわけじゃないよ。名目上、そういうことにするってだけ。

「殿下の経歴に傷がついてしまいますな」

 宰相は苦い顔。

 別にいいよ、そんなもの。中央で出世しようってわけじゃないんだから。

「そして、今度はまた面倒な仕事を……殿下はなにを望みなさるので?」

「田舎でのんびりしたいだけだよ。お嫁さんたちとイチャイチャしながら、不労所得で生活って理想じゃない?」

 あ、なんか変な顔をしてる。

 いいじゃないか、スローライフ目指したって。

「将来だらだらとしたいから、今働いてるんだよ」

「しかし、いいのか?」

 質問はパパンから。

 僕は暫く国を離れることになった。ま、そのことは内緒だけど。

 当面の蟄居。それが僕への罰。

 だから僕は新しい王子宮に閉じ籠もっているという体で、実は国にいない。

 なんでこんなことするかって言うと、ちょっとねえ、ご近所の国がおかしな動きしてるから諜報活動しに行くわけ。

 戦争なんて冗談じゃない。

 戦争が起きたら迎え撃つんじゃ遅い。

 起こさせないのが肝心。そっちの方が被害も少ない。

 商隊を装っての活動だけど、正体バレたら命が危うい。いや、冗談じゃなく他国への潜入ってそういうもの。

「僕が直接判断したいこともありますから、ま、危険は承知ですよ」

「いや、そのことではなく、嫁のことだ」

「まだ結婚してませんよ」

 リアルテがちょくちょく僕の「妻」と言っていることを耳聡い陛下は知ってるんだ。それで僕を揶揄うためにそんなことを言う。

「反対されているのだろう?」

「まあ、機嫌損ねちゃって、口も利いてくれません」

 最初、僕が外国に行くと言ったら当たり前のように自分も旅支度をしようとした。

 リアルテは付いてくる気満々だったんだよね。

 それを無理だと言うと大泣きされて、拗ねられて、今に至る。

「殿下は、お嬢様からどれだけ頼られているのかご自覚がないのでしょうか?」

 なんてラーラにまで嫌味言われちゃった。

 そりゃね、僕だって好きで行くわけじゃないよ。国から出るなんて初めての経験だけど、別に経験したいわけじゃない。

 僕のセカンドライフに戦争なんて不要。

 戦争させないためにも、現地で情報を集めて必要とあらば破壊工作とか色々やる。そのためにどうしても僕が行かないと。

 携帯あればいいんだけどね。ないから、人に情報集めさせると、それが届くまでに一ヶ月とか二ヶ月、それで策を練って報せるのにまた一ヶ月、二ヶ月。

 現場で判断できる権限を持つ人間がいないと、とにかく時間がかかって仕方ない。

 本当は行きたくないんだけどね。

 身軽であり、権利を持ってる者。ある程度判断できる者。万一の時は失われても国に及ぼす影響が少ない者。僕ぐらいしか適任者がいないんだよね。

「それなら、夜はのんびりできているんだろ」

 僕らが共寝してることまで知ってんだよな、この大人たち。

「夜はいつも通りですよ。1人で寝てくれません」

 リアルテは怒ってるのに、夜は僕のベッドで寝るんだよね。

 倦怠期の夫婦か!

 あ、くそ、おっさんたちがにやにや笑ってる。腹立つ。腹立つけど、なにか言えばまた余計な詮索されるから黙ってるしかない。

 もうね、酒入ってなくても酔っ払いと大差ないよ、この親父たち。

「出発までには説得しますよ。それより、僕のいない間、くれぐれも彼女のことお願いしますね」

 他の婚約者は頼りになる親がいるから僕がなにかする必要はない。

 けど、リアルテの親は当てに出来ないのだから、なにかあったとき頼る相手がいない。

 だから大役を果たす条件として、国王によるリアルテの全面バックアップを要請した。

 パパンにとっても姪であるわけだし、将来は義娘になる。もっと先の話をすれば孫を産むかもしれない女性。

 守る理由はいくらでもある。

「できるだけのことはすると約束しよう」

「僕が戻ったとき、リアルテになにかったなら焼き払いますよ」

 パパンだけじゃなく、宰相もチェンコフも一瞬顔を引き攣らせた。

 あんたら、9歳児の言葉にそんな怯えんでも。

 僕も態と、なにを焼き払うかは言わなかったけどね。そこはご想像にお任せします。

「おまえなら、本当にやりそうだから困る」

「本気に決まってるじゃないですか。大事な家族なんです。信頼してお任せするんですからね」

「分かっている」

 リアルテの僕への依存度がちょっと高過ぎるから、少し距離を置くのもいいとは思ってるけど、距離をおくと連絡すら取るのが難しくなるから困る。

 リアルタイムで見守れないのは非常に不安だよ。

 エルフとダークエルフ、魔王の1人、ドラゴンの子供。

 宮には過剰なまで戦力があるから、騎士団が攻め寄せても落とせないだろうけど、なにがあるか分からないからね。

 どこの阿呆がリアルテにちょっかいかけるか分かったもんじゃない。

 リアルテは日増しに美少女度を上げている。

 今はまだ外に出ないからいいけれど、そのうち貴族同士の付き合いをしなければならなくなる。

 どんなトラブルが起こることか。

 10歳になれば学校にも行かせるつもりだからね。その日のためにも、少し他人に慣れないと。

 それよりなにより、どう説得しようかな。

 最近、あの子はどこで知恵をつけるのか口が達者になって来てて困る。油断すると言いくるめられてたりするからね。

 けど、こればかりは譲れない。

 ……土下座したら許してくれるかな?


頑張れレリクス

将来のイチャイチャダラダラ、イチャダラのために!

そんな日が来るといいね……

しかし、順調に敷かれ始めてますな

将来は立場逆転?


次回予定は遠征編を飛ばして、レリクス王子の出生について

海に行きますが水着回ではありません

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