今後の出会い
主人公を待っていたサプライズとは?
急に始まった僕の誕生日会。
ケーキを持ってきてくれた麻美は僕の顔を見てニコッと微笑んでくれた。
「誕生日おめでとう」
僕は気の利いた言葉が出なくてただ一言。
「ありがとう」と言うのがやっとだった。
瀬奈や守もそれぞれ誕生日を祝ってくれてプレゼントも渡してくれた。
「私はこれね!」
瀬奈はシンプルなデザインのパスケースを渡してくれた。
シンプルだが機能性に優れているようで幾つかの機能を教えてもらった。
使っていく中で勝手も分かっていくだろうということで今後使わせて貰うことにする。
「俺はこれをやるよ」
守がくれたのはスマホケースだった。
確かに自分のスマホのケースを見ると所々ボロボロだった。
「瑠依はもう少し物に気を使った方がいいよ」
瀬奈が言いながらくすくす笑う。
プレゼントを貰っている間に麻美は僕の顔をずっと見ていた。
たまに目が合うとニコッと笑ってくれる。
そしてみんなからプレゼントを受け取ったあと麻美が言う。
「私が作ったケーキ食べてくれる?」
改めて麻美が作ってくれたケーキを見ると市販のケーキと言われても分からないくらい完成度の高いケーキだった。
まるで宝石の様なケーキに見惚れていると麻美に頬を軽くつねられる。
「返事は?」
「勿論、食べさせてもらいます」
その返事を聞くと麻美は嬉しそうな顔をしながらケーキを綺麗に切り分けてくれる。
勿論ケーキも美味しそうだけどそれを切り分けたり食べると言った時に見えた嬉しそうな顔だったりがめちゃくちゃ可愛くて、それが見れただけで今日はいい日だと思えた。
皆で麻美が作ってくれたケーキをつまみながら今日の予定について話し合う。
確かにまだ昼過ぎくらいで解散というにはだいぶ早い時間だった。
今日は特に予定はないよと言うととりあえず近くのショッピングモールで遊ばないかと守が提案する。
特に反対意見もなかったのでケーキを食べ終わり、食器を洗い終わると皆でショッピングモールに向けて歩き出した。
時間はまだ15時くらいだからショッピングモール近くまで行くとチラホラと学園の生徒が見える。
見た感じ知り合いもいなさそうなので誰も話しかけてくることもなかったが麻美と瀬奈は色んな人の視線を集め、僕らには嫉妬の視線がチクチクと刺さっていた。
そんな視線を感じながらショッピングモールに入ると様々な店が並んでいた。
雑貨屋、服屋、靴屋、様々な店が並び、多くの人々で賑わっていた。
俺は皆とはぐれないようにと周りを見渡すと近くにいた麻美が僕の手を握る。
少し声が出そうになったが麻美が自分の人差し指を僕の口に当てて「喋らないで」とジェスチャーする。
それを見てどうにか声を出すのは抑えられたが心臓に悪い。
少しだけ抗議するような顔で麻美を見つめると麻美はイタズラが成功したみたいな顔をして笑っていた。
しょうがないなと考えながら手を繋ぐ。みんなにバレないように。
守と瀬奈は気づいてそうだけどあえて見てない振りをしてくれていた。
それからはウィンドウショッピングを楽しんだ。
様々な服屋に入って着せ替え人形みたいになったり雑貨屋で小物を見ていいものを探す。
まるで宝物を探すようにショッピングモールを巡っていった。
ある程度回ったあと今日はケーキしか食べてないことに気づく。
麻美達も少しお腹が減ってきたようでフードコートに向かうことになった。
フードコートではラーメンや丼物、ステーキなど様々な店が並んでいた。
それぞれが食べたいものの列に並ぶ。
僕と守はラーメン。麻美と瀬奈はクレープを食べるようだった。
それぞれが店で注文し料理が来たタイミングで食べ始める。
ラーメンは普通のラーメンで感想は特にない。
雑談のツールと小腹を満たすような感じで食べ進める。
その間も雑談は続いていく。
一通り話し終わった頃にはなかなかいい時間になっていて、そのまま解散の流れになった。
僕と麻美、守と瀬奈はそれぞれ家に帰る。
麻美と2人きりになり何を話そうと思っていると麻美から話しかけてきた。
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