非日常への出会い③
瑠依の目的、対照的な麻美の姿。
警察に連絡してから、何も起こらなかった事でひとまず日常を取り戻したかのように思えた。
「暫くは不用意に出歩かないようにして欲しい」
瑠依は心配からなのか、そんなことを私に言ってきた。
「そんなに心配しなくても平気だよ?」
「俺が心配ってだけなんだ」
そんなことを言ってくれる彼が愛おしい。
「明日瀬奈と遊びに行きたいんだけど、それもダメかな…?」
「瀬奈と一緒なら大丈夫だよ、楽しんできてね」
何とかお許しが出たので、瀬奈と遊ぶ場所を決める為に電話をかけることにした。
自室に戻り電話をかけると暫く呼び出し音が響いた後、繋がった。
「瀬奈元気?」
体調を尋ねると「元気だよ」と言った後にくすりと笑い
「瑠依は本当に麻美の事大好きだよね」
と言われた。
「え?どうして?」
「さっき、彼から連絡が来てた、明日は麻美をよろしくって」
「瑠依ったら....」
「でも嬉しいんでしょ?」
「うん、凄く嬉しいよ」
「なんか凄い惚気られる気がする…」
そんな雑談から始まり、明日は瀬奈と映画を見に行くことになった。
そこから最近あった出来事を話していたら、そこそこいい時間になっていた。
「そろそろご飯の準備始めようかな」
「そっか、それじゃあまた明日ね」
瀬奈もそれを理解したのか話を切り上げてくれた。
「「それじゃあまた明日ね」」
そう言って電話を切った。
リビングに行くと瑠依がスマホを見ていたが、私の気配に気づいたのか顔を上げた。
そして私の顔を見て聞いてきた。
「どこに行くことにしたの?」
瑠依がそんなことを聞いてきたので、どうやら電話の内容を聞かれてたらしい。
「あんまり聞き耳をたてるのは関心しないよ」
わざと怒ったような言い方をしてみる。
「ごめん、でも気になっちゃって…」
シュンとしてしまうのが可愛くもあるし、時々過保護な部分に面倒くささを感じることもある。
「ちょっと駅前の映画館で映画見てご飯食べてくることになりそう」
「分かった、楽しんできて」
瑠依はそれだけ聞くと満足したのか、自室に戻って行った。
「相変わらず過保護なんだから…」
その姿を見て少しだけ笑ってしまった。
瑠依が自室に戻る時に少しだけ楽しそうにしていたけど何かあったのかな?と気になったが、ご飯の準備をすることにした。
「出かけてくるね」
「行ってらっしゃい」
瑠依は朝から出かける私を見送ってくれた。
今日は瑠依も出かける予定らしい。友達の家に行くんだと言っていた。
「瑠依にも私や守たち以外にも話せる人たちがいたんだ」
そのことを聞くと彼の世界も広がっているんだと感じた。
そうした考え事をしながら歩いていると気づいたら目的地についていて、集合場所には既に瀬奈がいた。
「ごめん、待たせちゃったかな」
「大丈夫だよ、今来たところ」
そう言って例の映画館に向かって歩き出した。
今日はとても過ごしやすい天気で楽しくなりそうだった。
「今日は朝からご機嫌だね」
瀬奈にそう言われるくらいにはテンションが上がっているようだった。
「瑠依がね....!」と楽しそうに話し始めることになった。
そして話題に上がっている瑠依は、どこかの廃墟で椅子に縛り付けられた小汚い男と対峙していた。
手には小ぶりのナイフを持ち、無表情でその肉塊を眺めているだけ。
小汚い男の目には恐怖が浮かんでいた。
読んでいただきありがとうございました。
少しずつ投稿頻度を上げていけたらと思います。




