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新しい気持ちとの出会い

距離感が少しずつ近づいていく

体力が戻ってきた後は回復も早かった。


寝ていることに飽きて趣味のひとつでも触ろうかと思うくらいに。


少し前までは自他共に認める腐女子だった。


瑠依しか知らないし他の人に言いふらす事はしない人だからずっとこの秘密は守られてきた。


しかし最近は趣味よりも守の事を考える時間が増えてきた。


恋愛なんてよく分からないししないと思っていた。


何度か告白されたこともあったが私の見た目が好きとかそんな理由がほとんどだった。


守と知り合ったのは最近だけど特にそんな様子もないし友達として接してくれる。


そんな距離感や雰囲気がいつの間にか心地よくて…


そんなことを考えていると少し顔が赤くなってきた。


少しずつ守の事が気になっているというのを自覚してきた。


それでも私は素直に態度に出すことはまだ出来なさそうだった。


そんな思いがグルグルと回っていた。


その頃、守は頭を抱えていた。


瀬奈は大丈夫だろうか、家でちゃんと休めてるんだろうかと。


体調が悪そうだったけど1人で校門を出て帰っていったのを見つけたのは偶然だった。


その姿を見て一緒に帰ろうと考えたがそれをいう大義名分が見当たらず瀬奈にもなんて言っていいか分からなかった。


そんなことを考えている間に校門から瀬奈の姿は消えていた。


授業は上の空で何度も先生に指摘された。

それでも瀬奈のことを考えずにはいられなかった。


瑠依が少し心配そうに見ていてたまに先生に当てられそうな時に教えてくれた。


その気遣いが嬉しく今回に関しては大人しく受け取ることにした。


今度なにか奢らなきゃな…


そんなことを考えながら、瀬奈に連絡を取りたいと思うと同時にかえって迷惑にならないかと考える自分がいた。


そしてしばらく考えた末、簡単な一言を送ることにした。


これなら特に変に思われることもないし余計な気を使わせなくてすむと思ったからだ。


送ってから暫くは既読がつかず落ち着かなかったが寝てるんだろうと思い、深く考えるのをやめた。


明らかに気にしすぎていると感じたからだ。


忘れるように学校で出た課題に手をつけた。


メッセージの事を忘れるように課題をこなしていたからかすぐに終わってしまった。


もう少し難しい問題こいよと毒づきながらもテキストを閉じた。


そして適当にゲームを漁るが、やりたいゲームもない。

時間を見るとまだそこまで暗くなってないのを確認して外に出た。


夕暮れ時と言われるような時間帯。

適当に歩いていると公園が見つかり、ベンチに腰掛ける。


俺以外はいないようでこの世界からみんないなくなったんじゃないかと思うくらい静かだった。


そんな中で何をするわけもなく空を眺めていた。


ただただ静寂。


そうしているとスマートフォンからメッセージの受信音が聞こえた。


送ってきたのは瀬奈でそこには一言だけ書かれていた。


「ありがとう、守も体調に気をつけてね」


それだけで嬉しくなってしまう。


相変わらず単純だなと思ってスマートフォンを閉じた。


念のためという事で更に一日休んだあと瀬奈は復帰した。


皆に軽い挨拶を済ませた後、今まで通り授業を受け始める。


そんな感じで瀬奈を眺めているとスマートフォンが震えた。

バレないようにスマホを見ると瀬奈から連絡が来ている。


「今日少し買い物に付き合ってよ」


予定を確認し特に何もないことも確認してメッセージを返した。


「いいよ」


それだけ返して授業に集中し直した。


集中し直すことにした。


そのまま今日の授業が問題なく終わり帰る準備をしていると瑠依が話しかけてきた。


「今日は予定とかある?」


瑠依が俺にそんなこと聞いてくるなんて珍しいなと思いつつ今日は予定のあるのを伝える。


そうするとそっかと言って楽しんできなよと言って麻美の方に向かっていった。


それと入れ違いで瀬奈がこっちに向かってくる。


「準備できた?」


問題ないよと声をかけると俺と瀬奈は駆け足で教室から出ていくことにした。


その姿を見ていたクラスメイトは少しだけびっくりしていたようだったけど俺達には関係なかった。


そのまま駅に向かって歩き出した。


何気ない日常に戻ったような気がして少しだけ浮かれていたようで瀬奈がこっちを見て少し笑っていた。


「今日、楽しそうだね」


それを指摘されて恥ずかしいと思いつつ

「瀬奈とまた一緒に出かけられるのは嬉しいよ」


と言ってやると案の定、予想してなかったのか顔を少し赤くしてこっちを見ていた。


少しだけ勝った気分になりながら瀬奈に尋ねる。


「今日は何を買うの?」


それを聞いて赤くなっていた瀬奈が質問に答えてくれる。


「その時の気分ね、単純に今日は元気になったし貴方と駅前を散策したくなっただけよ」


それを聞いて逆にカウンターを食らったように顔が赤くなってしまった。


瀬奈はそんな俺の姿を見てニヤニヤと笑っていた。


瀬奈とするそんなやり取りが心地よくて駅前を散策するだけで時間が余るくらいに考えていたが気づいたらどっぷりと日も暮れて辺りが暗くなっていた。


俺も瀬奈もすぐには気づけずスマートフォンの時間を見てびっくりした。

それからすぐ帰る気にもならずに瀬奈を見つめると瀬奈も帰ろうとする素振りを見せなかった。


そこから暫く何も話さないまま一緒にいることにした。

読んでいただきありがとうございました。

少しずつ投稿頻度を上げていけたらと思います。

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