とりあえず、設定はなんとなく仕上がりましたが。
ボーリング場改装四日目。
昨日でカメラの調整は全て完了、今日の午前中はモニターシステムの設定作業。
パソコンとモニターを接続して、細かい設定部分を入力する作業です。
これが仕上がると、担当の方がボーリング場の責任者の人と一つずつチェックを行い、問題がなければ完成です。
そして今日は朝から、先日までに設営が終わったLEDパネルがフル稼働状態。
様々なプロモーションビデオが流しっぱなしになっていて、いよいよ完成も間近という感じになっています。
「ふんふんふんふ~ん、ふふふんふんふ~ん」
ずっと同じものがループしているため、自然と頭の中に曲が刷り込まれていきますよ。
昨日までの緊張感はあまりなく、一つずつモニターから伸びているケーブルを手元の端末につないでの確認作業、もっとも、初期動作状態から起動状態に切り替える必要があるため、手元のマニュアルを確認しつつ入力作業も行います。
ちなみに私も端末関係の扱い方を教えて貰ったため、時間はかかるもののしっかりとチェック作業は続けています。
それに、ウィルプラス4人が総出で作業するため、午前中どころか11時過ぎには作業は完了。
「……はい、これで私のところはオッケーです。高尾さん、次はどこですか?」
「いや、御子柴さんのところがラストだね。それじゃあ担当の人に連絡してくるので、それまで待機していて。1番レーンの荷物が置いてあるところで座って待っていて構わないから」
「はい」
「了解です」
「畏まりました」
そう告げて高尾さんが担当の人にスマホで連絡。
15分ほどで来てくれるそうなので、それまでは休憩。
凍らせてきたスポーツドランクも程よく溶け始めているので、それを喉に流し込んで担当さんがくるまでのんびりとスマホを開いてTwitterの確認を。
そうこうしているうちに、ちょっとだけ遅れて担当の方が来たので全員立ち上がって待機です。
「それじゃあチェックを始めますので……別に立っていなくて大丈夫ですよ。座って休んでいてください。何か問題がありましたら、その都度呼びますので」
「ということで、もう少し休憩していてください」
高尾さんの言葉で、再び私たちは座って休憩。
そして高尾さんは担当の人と一緒に確認作業に同行、問題点があったらすぐに私たちに指示が来るようになっています。
一番レーンからのチェック、すでにLEDパネルの同確認は終わっているので、座席前のモニターのチェックと、前後のカメラの位置確認だけ。
それも一つ、また一つとスムーズにチェック作業が進み、ふと気が付くと私たちが作業した1番レーンから18番レーンまでのチェックは全て終了。
「はい、これで問題ありません。今日はこれで作業終了ですので、また明日からよろしくお願いします」
そう担当の方が説明してくれたので、私たちは大急ぎで高尾さんたちの元へ移動。
まさかいきなりオッケーが出るとは思っていなかったので、少々驚きです。
そしてボウリング場の責任者の方が戻っていったので、施工担当の方の元に私たちも集合。
「それでは、本日はこれで終了です。明日は残りのレーンの改装作業が始まりますので、よろしくお願いします。手順は今日までの作業と全く同じですので、そんなに難しいことはないと思いますし。もう慣れてきた頃でしょうから、肩ひじ張り過ぎないようにリラックスして作業に勤めてください」
「「「「はい!!」」」」
「それでは、お疲れ様でした」
「「「「ありがとうございました!!」」」」
全員で頭を下げて一礼。
これで作業はおしまい……ってあれ?
まだ午前中ですよ?
「よし、札幌に帰りますか!」
「今日はゆっくりできそうですなぁ」
「また明日から同じ時間……」
つまり午後は丸々作業なしの早上がりモードなのですか。
ちょっと得した気分です。
「それじゃあ……と、御子柴さんは札幌に戻る?」
「ええっと……いえ、明日もこっちで現地に直接向かいますから大丈夫です」
「そっか、それじゃあお疲れさん」
「はい、お疲れ様でした。また明日、よろしくお願いします」
ということで、みなさんは車で一路、札幌へ。
私は昨日に引き続ぎ実家へ移動、午後が丸々空いたのだから、今日はゆっくりとできそうです。
………
……
…
そんなこんなで、残り18レーンの作業も4日後には無事に終了。
これで旭川の改装作業は全て終了しました。
最終日は私も車で札幌へと戻りますか。
事故も何事もなかったため、作業工程も半日ほど早く終わりました。
「それじゃあ、来週の水曜日からの作業だけれど。今日までの作業は覚えているよね? これを北海道内の【GO-ROUND】のチェーン店すべてで行うので。先方の担当さんから、出来るなら作業内容を覚えている人を優先的に回して欲しいって言われたんだけれど。みんなのスケジュールはどんなかんじ?」
「俺は大丈夫部ですよ。また゜大学は休みですから」
「地方に回るのなら車は必要ですよね……私も大丈夫です」
高尾さんの問いかけに、古田君も綾辻さんも二つ返事です。
さて、私はどうしたものか。
スマホを開いて大学のスケジュールを確認。
「9月20日からなので、丸々三週間は空いていますけれど……」
「それじゃあ御子柴さんも参加ということで。まあ、最初は札幌市内とその近郊だから、自宅から通える場所になるかな……大学が始まったら古田君と御子柴さんに抜けて貰って、別のベテラン二人に入ってもらうということで大丈夫?」
「はい、問題ありません」
「それじゃあ、9月17日まで連勤になるけれど頑張ってね。途中で1日ぐらいの隙間はあるけれど」
特に問題はありませんし。
なによりも作業時間が長いため、結構な収入になります。
「それじゃあ御子柴さんもオッケーと。明日はないので次は明後日、場所はススキノの【GO-ROUND】になるので。詳しい作業内容はメールを入れますから」
「はい」
うんうん、私も結構頼られるようになってきましたよ。
といっても、同じ作業なので覚えている人にお願いしたいっていうのはよく分かります。
次の現場でも、失敗のないように頑張っていきたいですね。
あと、そろそろまた、MCの仕事も欲しいのですけれど、それについては何もないのですね。
そんなに数はないという話でしたし、のんびりと色々な設営業務を覚えつつ待つことにしましょう。
いつもお読み頂き、ありがとうございます。
・この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
・誤字脱字は都度修正しますので。 その他気になった部分も逐次直していきますが、ストーリー自体は変わりませんので。






