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イベントへ行こう!!   作者: 呑兵衛和尚


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26/50

久しぶりの実家と、お祭りと

 8月第一週。

 

 私の実家である旭川市では、毎年恒例の『旭川さんろく祭』が行われています。 

 アルバイトのスケジュールもどうにか調整し、なんとかギリギリ間に合うように実家に帰省。

 このあともお盆になると『音と光のファンタジー in KAGURA』というイベントも待っていて、まだ地元に住んでいた時は友人たちと一緒にお祭りを楽しんだものでした。


 不思議なことに、私の知人たちは地元に残って進学した子が多く、札幌の大学を受験して引っ越したのはうちのグループでは私一人。

 ということで、半年……というほどではありませんが、久しぶりに友達と再会できるということもあって、今からわくわくしています。


 朝一でJR札幌駅からライラック1号で旭川へ。

 片道3時間ののどかな電車旅……平日ということもあって自由席でもあちこち空席が目立ちます。

 そして窓辺の見晴らしのいい席に座り、駅構内で買ってきたジュースとお弁当を横に置いて、あとは出発を待つばかり。


「……今頃は、トミーさんたちはロックフェスタの設営かぁ……」


 大量のテント、そして備品搬入。

 2間×4間のテントが100以上、しかもロイヤルテントとか、巨大な金属フレームで作る大型テントとか、とにかく朝から夕方まで大忙しだそうです。

 ただ、一つだけうらやましいことが一つ。

 昨年、私は観客としてロックフェスタに来ていたのですけれど、その時のスタッフジャンパーが格好良かったのです。

 非売品で入手不可なのですが、設営スタッフには全員配られるそうなのですよ。

 しかもですよ、当日スタッフは会場でスタンバイしているそうなのですが、そんなに仕事はないんだよーって教えてくれまして。

 つまりは、一般客よりも近い場所で、ロックフェスタを楽しめるということですよ!


「くぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。今更ながら、ロックフェスタの設営に参加すればよかったかも……いや、でも、さっぽろに引っ越してからの初めての帰省だし、電車代も振り込んでくれたんだから帰らなくては……でも……くぅぅぅぅぅぅ」


 私の頭の中で、天使と悪魔が囁いています。


 来年は設営だな……

 いえ、親孝行しないでどうするのですか……

 だってよ、ロックだぜ? 生で近くで見られるんだぜ?

 そんな邪なことで、親を悲しませてはいけません……

 スタッフジャンパーもあるんだぜ?

 それはいいですね。

 そうだろう? 

 それでは、来年までは体力を付けなくてはなりませんね。

 よし、現場を増やすしかないな

 そのようです。


「おい、私の中の天使はどこに消えたのよ」


 そう一人乗り突っ込みをしつつ、おなかがへったらお弁当とジュースを堪能して。

 あとはのんびりと、もう一つの趣味であるネット小説を楽しむことにします。

 こう見えても特撮大好き少女……と、女性ではありますけれど、普通に恋愛物の小説も読むのですよ。

 そしてふと気が付くと。


『間もなく旭川~終点です。お降りの方はお忘れ物がないよう、ご注意願います~終点・旭川~』


「およ。もう着いたのかですか」


 やっばり時間がたつのは早いですね。

 3時間というのはあっという間ですよ。

 これが現場だったら……。

 そう考えた時、思わず頭を振ってしまいました。


「また、現場のことを考えている……いくら楽しいからって、そればっかりじゃダメじゃないですか」


 自分に叱咤しつつ、食べ終わったお弁当の入った袋を忘れないように持って、さらばライラック1号。

 途中のごみ箱に放り込んで、あとは改札を抜けると。


「お、来た来た。ミコシー、元気そうだね」

「うん、ミコシーはすこし太った。私はダイエットをお勧めする」

胡桃(こもも)も元気そうだね。そして(みお)はいきなり失礼だわ!」


 私の悪友たち。

 榊原胡桃と佐倉澪。

 いつも快活で元気な胡桃と、対称的に感情が凍っているみたいに無表情な澪。

 二人とも地元の大学に進学したので、こうやって会うのは久しぶり。


「まあ、まずは実家に荷物を置きに行こうじゃないか。そのあとは朝までオールでカラオケだね」

「澪、それは明日でいいんじゃない? ミコシーだって久しぶりにお父さんたちに会いたいでしょうから」

「ん~、あとでもいいかな。まずはご飯を食べたいよ……駅弁だけじゃなんというか、少し物足りないというか」

「やっぱり太った?」

「うるさいわ!!」


 太ったのではなく、不思議とお腹が減るようになっただけです。

 なんというか、この3か月で体の脂肪が少し落ちて、腕や足に筋肉が付き始めて、お尻が大きくなってズボンがきつくなってうるさいわ、太ってなんていないんだから。


「うん、ナイス突っ込み。さすがはミコシー、撃ては鳴り響くような反応にグッジョブ」

「はいはい、澪はもう黙っててね。あなたが突っ込みを入れていると、いつまでも漫才が終わらないんだから」

「漫才……デビューする?」

「しないからね、それよりもどこかに食べにいこうよ」


 学生時代は、いつも三人で食べ歩いたものですよ。

 まずは久しぶりの再会ということて、レッツ爆食ですよ!!

 

  


 

 

いつもお読み頂き、ありがとうございます。


・この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。


・誤字脱字は都度修正しますので。 その他気になった部分も逐次直していきますが、ストーリー自体は変わりませんので。



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