第8話 −第二の町−
投稿完了!
「なに、これ...」
眼の前に広がっていたのは、とても凄惨な光景だった。
「なんで..こんなことに...」
沢山の人が死んでいた。
「......。」
周りを見ると、壁には血の跡がついており、地面には大きな血溜まりができていた。
(なんで、なんで..."見覚えがある"の...?)
眼の前の光景に対する恐怖と、自分に対しての戸惑いでその場に立ち尽くす。
「んぁ?誰かいるのか?」
「えっ」
誰もいないはずの広場から誰かの声が聞こえた。
「誰かいるよな?わかってるんだぞ。」
リオはとっさに隠れる。
(よく見えなかったけど、白でもダネスでもない...まさか、悪魔...?)
「おーい、いるなら早く出てきたほうが良いぞー。」
見つかってはいけないと感じ、息をひそめる。
「今出てきたら、命だけは助けてあげるかもしれないぞー。」
(どうしよう、どうしよう...)
そんなことを考えていると、いつの間にか足音が聞こえなくなっていた。
(どこかに行ってくれたのかな...)
そう思い、物陰から広場を見る。そこには誰もいなかった。
「はぁ、よかった...どっか行ってくれた。」
誰もいないことを確認し、広場へ出る。
「っはは、やっぱり居たな。」
突然、後ろから声が聞こえる。
(後ろ!?)
リオは後ろを向く。
「うわっ!?」
それと同時にリオは、悪魔に首を掴まれ地面へ押し倒されてしまう。
「かわいそうだなぁ?今出てこなければ苦しまずに死ねたかもしれないのに。」
「がっ..ぐ...!」
必死に抵抗をするが、状況は何も変わらない。
「いいね〜その顔。恐怖に満ちたその顔!最高だよ。さぁ、もっと見せてくれよ。」
悪魔は不気味な笑みを浮かべながらそう言うと、さっきよりも強い力で首を締める。
「あ"、うぐ..や、め...」
段々と視界がぼやけてくる。
「だ、れか...たす..けて......」
「あっははは!誰も助けに来ないさ!この町にいた人間はすべて鏖にしてやったからな!」
諦めかけたその時、リオはあることを思い出した。
(あの時おじさんから貰ったナイフ!ここで使わなきゃ死ぬ...!)
ナイフを手に持ち、悪魔の腕に刺す。
「うがぁっ!?貴様...!」
首から手が離れる。今までの苦しさが一気になくなり、呼吸が楽になる。
(はやく、どこかに逃げなきゃ...!)
「人間の分際でよくも...!ぶっ殺してやる!!」
死を覚悟したその瞬間、悪魔が鈍い音とともに遠くへ吹っ飛んでいった。
「え...?」
「ようやく見つけた...」
声のする方を見てみると、そこにはダネスと白がいた。
「リオ、大丈夫か。」
白が近くに来て優しく声をかけてきた。
「ダネス...白...」
ふたりが来たことによって安心したのか、リオは泣き出してしまった。
「白、リオを連れて下がってくれ。」
ダネスは明らかに怒っていた。顔が見えなくてもわかるほどに。
「あぁ、わかった。」
そう言うと、白はリオを抱えて少し離れた場所に行く。
「ぐ...貴様、人間じゃないな!何者だ!」
「んー...まぁ、どーせ君死ぬし。良いよ、教えてあげる。」
「なんだと!?」
「余の名はダネス。貴様と同じ悪魔だ。」
それを聞いた悪魔は、表情を変える。
「嘘だろ?お前があの"四天王"のか?」
「嘘だと思うか?"今の状況"じゃ、そんな嘘誰もつきたがらないぞ。」
「...。」
(くそ...もしそれが本当なら、俺はあいつに勝てる自身がねぇ...!)
「それはそうと、お前、死ぬ覚悟ができてるんだよな?」
「は?」
「よくもリオを傷つけてくれたな。」
ダネスは、悪魔に向かって歩き出す。
「ま、待て!待ってくれ!」
「待たない!余はお前を殺す!」
そう言うと、ダネスはフードの中から大きな銃を取り出す。
「余は、"元"四天王だ。」
ダネスは銃を構え、引き金を引く。大きな破裂音とともに、悪魔の脳天を弾丸が貫く。
「余はもう、戻る気はないからな。」
キャラ紹介(今わかっている情報)
名:リオ
身長:約157cm 体重:約42kg 年齢:15歳
種族:人間 武器:ナイフ 一人称:僕
好きなもの:??? 嫌いなもの???