第4話 −二人の会話−
特に展開はない。
「そういえば、白はどうして悪魔退治してるの?」
町に向かっている間に、気になっていたことを聞いてみる。
「ん?あぁ、それはだな...」
白はゆっくりと語り始めた。
「この世界では昔、大きな戦争があったんだ。」
「戦争?」
「そうだ。その戦争は『神』『人間』『悪魔』の3種族の間で起こったものだったんだ。」
「どうしてそんなことが...」
「詳しくはわからないが、その戦争は一体の悪魔が起こしたと言われているんだ。」
「その悪魔は今どこに?」
「んー、確かどこかに封印されているはずだ。」
"封印"という言葉を聞いて、昨日のことを思い出した。
-マモノ ココニ フウインス-
(違う...よな?そもそもあれ魔物だし。)
「それじゃあ、安心だね。」
「いや、そうでもないんだ。」
「え?それってどういう......」
「実はここ最近、その封印を悪魔が解こうとしているらしいんだ。」
「つまり、それを止めるために悪魔を退治してるってこと?」
「半分はそうだな。」
「もう半分は?」
「悪魔は人を殺す。だから、それを止めるためでもある。」
(そんな大変なことをしているのに、僕の記憶を取り戻す手助けをしている余裕があるのか?)
とても申し訳なくなってしまった。
「ん?どうかしたのか?」
「なんでもないよ、大丈夫。」
(白に心配かけないようにしなきゃ。)
「あ、そうだ!」
「ん?」
なにか話題をつくろうと考えていると、一つ気になることがあったのを思い出した。
「悪魔を倒す方法を教えてよ。自分の身は自分で守らないとだからさ。」
「確かに、教えておいた方が良いかもな。」
そう言うと白は、また話し始めた。
「悪魔を倒すには、いくつか方法がある。1つ目は、特殊な武器を使うことだ。」
「なるほど。」
「そういえばリオ、ナイフ貰っただろ。少し見せてくれないか?」
「おじさんがくれたやつ?いいよ。」
そう言い、白にナイフを渡す。
「やっぱり。少し小さいナイフではあるが、悪魔を殺すことはできるだろうな。」
「これが?すごいな。でもなんでおじさんはこんなの持ってたんだろ。」
「さぁな。もともと兵士とかだったんだろう。」
「へぇ。それで、2つ目は?」
「2つ目は、人間以外が持っている特殊な能力だ。」
「なんで人間は特殊な能力を持っていないの?」
「特殊な能力は生まれ持ってあるものだ。ただ、それを使うには魔力が必要なんだ。人間はそれを持っていない。」
「なるほどなぁ。」
白と話していると、遠くに建物が見えた。
「ん?なんだろ、あれ。」
「あれは...宿だな。今日はあそこで一夜過ごそうか。夜は危険だからな。」
気がつけば昼頃になっていた。時間が進むのは早いなと思いながら宿に入った。