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特級精霊の主、異世界を征く ~次々生まれる特殊な精霊のおかげで、世界最強になってました~  作者: トミ井ミト(旧PN:十味飯 八甘)
第5章 僕たちが救世主ってどういうこと?

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第6話 全てがおっぱいで説明できる

誤字報告ありがとうございます。

コピペの原稿が間違ってたので、全部修正しました!

 テーブルの上に取り残されたクロウを、シアがすごくいい笑顔で睨んでる。こめかみに浮かぶ斜めになった交差点みたいな筋が、怒りの強さを表してると言えよう。せっかく黄泉還ったのに、短い人生だったな……



「カメリアの裸を見たのだ、もう思い残すことはないな?」


「おっ、おい。なんでそんな怖い顔してるんだよ。俺様なにかやったか?」


「人にはな、触れてはいけないことがあるのだ。死ぬ前にいい勉強になっただろ?」


「ちょっ、なんかわからんがヤバい。動け、動くんだ、俺様の体ッ!!」


「そこから一歩も動くことは許さん、()()()()()()



 クロウは必死に逃げようとしてるけど、金縛りにあったように動けないでいる。これってやっぱりアレで間違いなさそうだ。



「なんで動かないんだよ、俺様の体。スズランも笑ってないで助けてくれ!」


「ここにいる皆さまは、マスターを中心として深く繋がってるんです。特にシア様はとても強い結びつきを持っておられます。カメリア様の配下になったクロウは、ここだと一番格下の存在になるんですよ」


「なっ、なんだとーっ!?」


「へー、つまりこの鳥は、私たちに逆らえないということね?」


「そのとおりです、アイリス様。先程クロウはカメリア様に〝忠誠を誓う〟と宣言しました。その契約は、とても大きな強制力が課せられるのです」


「しっ、しまったー! おっぱいに目がくらんで、俺様とんでもない契約をしちまったぜ」



 あー、やっぱり支配権を得ちゃったか。何となくそんな感じがしたんだよ。スズランも僕にすべてを捧げると言ってくれてるから、かなり強い力で縛られてるはず。だから僕が怒りに任せてメロンの星を上げたときも、彼女は機械的に処理してくれた。


 あんまり使いたくない強制力だけど、暴走しそうなクロウを抑えるのには丁度いいかな。ここにいるみんなは理不尽なことを言わないだろうし、ちょっと(もてあそ)ばれるくらいは我慢してもらおう。



「さてクロウ、死ぬ前に言い残すことがあれば聞いてやろう」


「あーえっと、なんだ、あれか? もしかしてちっぱいを気にしてるのか? おっぱいになれない悲しい存在だが、きっと好きなやつもいる。まあ、俺様は断然おっぱい派だけどな。だからそう怒るなよ。ちっぱいにはちっぱいで、いいところがある。……かもしれない」



 うん、これで完全に地雷を踏みぬいた。さらばクロウ、短い付き合いだったが達者でな。来世でまた会おう!


 あっ、ちなみに僕はどっちも大丈夫だからね。今夜は頑張ってシアを慰めないと。だって両手を握りしめながら、涙目でプルプル震えてるんだもん。



「ちっぱいちっぱい言うなっ! この痴れ者がぁーッ!!」



 〈雷撃ライトニング・ストローク



「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー」



 さすがシア、ピンポイントで雷撃を落としてる。クロウの体から煙が出てるけど、死んではいないみたい。こっちは放置で良さそうだから、とりあえずシアを抱きしめて頭を撫でてあげよう。



「やれやれ、また一段とにぎやかになったわね」


「良いことだと思いますよ、アイリスお嬢様」


「……セクハラは、ちょっと困る」


「クロウってなんか面白い精霊だし、私は歓迎するよ!」



 三人はアイリスの使い魔だから、クロウに対してある程度の強制力がありそう。感電状態から復帰したあと、試してみておいたほうが良いかも。ニナも結構大きいしね。あんまり強く言えない性格だから、されるがままになったら可哀想だ。



◇◆◇



 順番にお風呂に入ってる間で試してみたけど、使い魔の三人もクロウより上位存在だった。本人はかなり落ち込んでたけど、強く生きて欲しい。だけどサクラたちが一生懸命慰めてて、可愛らしかったな……


 ちなみにスズラン直属になるサクラたちの方が、クロウより格上だ。僕とスズランの両方から繋がりを得たシアは、最上位に一番近い。もちろん彼女と契約してるリョクは、他の精霊たちより上位存在だったりする。



「もークロウったら、あんまりシアをいじめちゃダメだよ」


「すまねぇ、ご主人さま。俺様が生まれた場所には、ちっぱ――」


 (キッ!)


「――控えめな胸をした女がいなくてよ。どう扱ったらいいか、わからないんだ」


「それだけ人……というか胸が好きなのに、どうしてその姿になったの? 普通の精霊だったら、あんなふうに甘えられたのに」


「いやいやご主人さま、あれって異常だぜ。それを言ったらスズラン自体が、ありえない存在なんだが」


「喋れるようになったクロウも同類だと思うよ」


「ダイチの言うとおりだ。鳥がしゃべるなど、奇っ怪極まりない」


「まあ下僕(げぼく)が名前をつけたんだし、ある意味当然の結果ね」



 シアの腕に抱きついてるリョクとミカン、アイリスの肩に乗ってるラムネ、スズランに抱っこされてるサクラを見ながら、クロウがそんな事を言う。当の本人もメロンと並んで、カメリアの膝に仲良く座ってる。


 普通は契約精霊って近くに浮いてるだけだし、確かにこの光景は異常かもしれない。でも僕たち仲間にとっては、これが日常だからね。



「俺様は誰かに可愛がってもらうのが夢でよ、そん時に女と戯れる小鳥を見たんだ。でっかいおっぱいに抱かれたり、でっかいおっぱいと風呂に入ったり、でっかいおっぱいと一緒に寝たり、でっかいおっ――」


「クロウ、ストップストップ。胸に対する情熱は伝わってきたから、続きを話して」



 あんまり連呼するから、隣りに座ってるシアから黒い波動が漏れてるじゃないか。彼女の引き金は今すごく軽くなってるんだから、気をつけないと命がいくつあっても足りないよ。



「まだ語りたい事はごまんとあるが仕方ない。とにかくそれがすごく羨ましくてな、ずっとそいつらの近くで観察してた。そんで俺様もああして可愛がって欲しい、そう強く願ったら今の姿になったってわけだ」


「変なことしないって約束できるなら、お風呂も入ってあげるし添い寝もするよ」


「イャッッホォォォオオォオウ! さすがご主人さまだ!! するする、約束する。さっそく今夜から添い寝しようぜ」


「あまり甘やかしてはダメだぞ」


「うん、悪いことしたらちゃんと叱るから」



 こうやって見てると、カメリアとクロウの相性ってすごくいいのかも。おっぱいへの情熱で今の姿になったのなら、契約主はいないだろう。これなら気兼ねなく一緒に活動できる。


 そうなると残った謎は、どうして迷宮の中にいたかだよな。



「ねえクロウ、人の少ない迷宮より街にいたほうが良かったと思うんだけど、あそこにいた理由はどうしてなのかな」


「あー実はな、俺様もよく覚えてないんだ。この姿になってから、おっぱいを求めて大冒険をしてたんだけどよ、俺様のことを悪霊だなんて言いやがるやつが出てきた」


「実に正鵠(せいこく)を得てるじゃないか」


「全身が黒いし、良くないものに見えるのは当然ね」


「仕方ないだろ! 色は勝手にこうなってたんだ。俺様だって緑や白で生まれたかったぜ……」



 それは欲望が具現化したからじゃないかな。もし元の世界でそんな事が起きたら、ピンク色の鳥になってたかも。白いカラスは時々目撃されるけど、さすがにピンクだと大騒ぎになりそう。


 しばらくカメリアに撫でられていたクロウが、気を取り直して話の続きを語ってくれる。



「そんで変なスキルだか魔法だかを使う男が来てよ、暗くて狭い場所に閉じ込めやがったんだ。ちょっとおっぱいを渡り歩いてただけなのに、やってられないぜ!」


「恐らくそれは、なにかに封印されたんだろう。古い祭壇がある場所や、名家と呼ばれる家で保管されている石やツボに、そうした由来がついているものがある」


「どれくらい時間が経ったかわかないが、そこから無理やり出された気がする。その後のことはよく覚えてねえ。気がついたらご主人さまの胸の中って寸法だ」


「クロウは精霊としての自我を失ったまま、本能だけで暴れていたというわけですか?」


「多分そうだと思うぜ、スズラン」



 自我を失った原因が強引な封印解除なのか、何らかの状態異常なのかは、シアにもわからないみたい。ただ一つ言えることは、クロウが自我を取り戻せたきっかけに、おっぱいサンドがあることは確実だ。それで一度浄化され、執念で舞い戻ってきたって辺りかな。




 おっぱいを求めて精獣になり、おっぱいが原因で封印され、おっぱいに挟まれて昇天し、おっぱいの力で復活する。なんかもう、全てがおっぱいで説明できそうな出来ごとだったよ!


 クロウのヒエラルキーは以下のようになります。


カメリア≧大地>オルテンシア>アイリス>スズラン&リョク>使い魔&精霊たち|(越えられない壁)|クロウ


◇◆◇


次回は探索者ギルドを舞台に、今回の件をうまくごまかそうとする主人公たち。

「報告という名の根回し」をお楽しみに。


水曜日あたりの更新予定です。

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