↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特級精霊の主、異世界を征く ~次々生まれる特殊な精霊のおかげで、世界最強になってました~  作者: トミ井ミト(旧PN:十味飯 八甘)
第2章 スキルがいい仕事をしてくれました

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/237

閑話04 ある日の古道具屋にて

誤字報告ありがとうございました!

金が鳴ってたw


◇◆◇


(2021/02/15)

幹部のルビを〝バラン〟から〝ポレン〟に変更しました。

植物関連の用語に、なぜか電子工学が紛れ込んでたので!(笑)

 人がほとんど訪れない、うらぶれた古道具屋の地下に男が入ってきた。



「おい、一体どういうことだ! あの場所から逃げられないんじゃなかったのか」


「そ……それが、魔道具の輝石(きせき)が抜かれていまして」



 黒いローブを着た男の剣幕を見た古道具屋の主人は、申し訳無さそうにペコペコ頭を下げる。魔道具やその部品が雑多に積まれた地下室は、店の工房と倉庫を兼ねた場所だ。その中には、古道具屋の主人しか埋めた場所を知らない、例の魔道具もあった。



「誰がそんなことをしたんだ……」


「普通なら地面に埋めた魔道具を、見つけられるはず無いんですが」


「まさかこの国に、大賢者でも来ているのか?」


「そんな噂は耳にしたことありませんね」



 隠してある魔道具を見つけるなど、国宝クラスのアイテムか、特殊な能力を持った者にしか不可能だ。そんなことができそうな人物は、過去に起きた大氾濫で大勇者とともに活躍した大賢者くらいしか、男には思いつかなかった。



「吸血族を弱らせ組織に差し出せば、私にも幹部(ポレン)の椅子が与えられたかもしれぬのに」


「その時は私も役員(ストーク)に取り立ててくださいよ」


「もちろんお前の功績も盟主(カローラ)様に報告してやる。期待しておくんだぞ」



 取らぬ狸の皮算用を始める二人だったが、机の上に置かれている魔道具を確認した黒ローブの男は、あからさまに肩を落とす。



「しかし、なけなしの予算で購入した輝石を奪われたのは痛い」


「うちの支部は貧乏ですからね」


「お前が役に立たない道具しか仕入れないからだ!」


「でも、そのおかげで大昔に使われていた、吸血族を弱らせる魔道具が手に入ったんですよ」



 彼らが使っていたのは、過去にあった吸血族討伐時代に開発された魔道具だった。今となっては何の価値もないため、二束三文で売られていたのを古道具屋の主人が仕入れたのだ。


 その魔道具には吸血族の力を奪い、その場へ縛り付ける効果がある。もしアイリスが引っ越しを決行していたなら、結界の外へ出られないことに気づいただろう。



「吸血族に関して記載された古い記録を偶然みつけた時は、私にもチャンスが巡ってきたと思ったのだが……」


「なにぶん古い魔道具ですからね、誤動作したところを見つけられたのかもしれません」


「ちゃんと修理したと言っていたではないか」


「そりゃあ簡単に壊れない程度には補修しましたけど、あんな特殊な魔道具がどんな仕組みになってるかまではわかりませんよ」



 実際のところは性能に問題はなく、アイリスのスキルを一つ消し去るほどの効果を発揮していたのだが、この男たちにそれを知る由(よし)もない。時々こっそり様子を見に行ったり、街から派遣された調査員の報告書を、盗み見ていただけだ。そして今日、大地(だいち)たちの報告内容を知った黒ローブの男が現地へ行き、屋敷ごと消えているのを確かめている。



「まあ逃げられたものは仕方がない、次はもっと大きな手柄を考えなければ」


「そんな一獲千金みたいなことをせず、もっと地道にいきませんか?」


「志(こころざし)を大きく持たないでどうする、そんなことではいつまで経っても末端(リーフ)のままだぞ」


「オークの慰みものにされたっていう、二人組の捨て駒(ウィード)よりマシだと思うんですけどね」


「確かにああはなりたくないな、このあたりがキュッとなる」



 黒ローブの男は後ろの方を気にしながら身震いした。アークとヤークの末路は組織へ報告され、綱紀粛正に一役買っていたのだ。



「度が過ぎる出世欲は身を滅ぼすから、気をつけなさい」


「こっ、これはカレンデュラ様。この街にご滞在中とは聞いておりましたが、こんな小さい支部に幹部(ポレン)の方がお越しになるとは、一体なんのご用ですか?」



 店の地下室に入ってきたのは、アークとヤークに話しかけた黒ローブの女だった。その横には迷宮に入っていた時と同じ、黒い中級精霊が浮いている。黒ローブの男と一緒にいた黒い下級精霊は、その姿を見たとたん姿を消してしまう。



「なにか面白いことをしていると聞いたから、経過を聞きに来たのよ」


「あいにく吸血族には逃げられてしまいまして――」



 二人の説明を聞いていたカレンデュラは、そっとため息をつく。吸血族を意のままに操る術(すべ)でもあるのかと期待していたら、単に力を奪うだけと聞いて呆れたのだ。


 魔眼を所持している吸血族を下手に刺激すれば、逆にこちらが危なくなる。そんなリスキーな行動を取る人物は組織に必要ない。二人の処遇を幹部会議で検討しよう、そう考えていた。



「確かに力の強い種族はいい贄(にえ)になるけど、制御できなければ意味がないわ。ただの小悪党だって十分役に立つのだから、火遊びは程々にしておきなさい」


「「はっ、はい!」」



 直立不動の姿勢で返事をする二人を残し、フードをかぶり直したカレンデュラが地下室を去っていく。






 ――もしあの魔道具が吸血族のスキルを奪う効果まであると知っていたら、二人の運命は変わっていたのかもしれない。しかし、もう後の祭りである。


この世界で暗躍している組織がまた登場。

彼らの目的は一体……?


その後の古道具屋ですが、街の住人にもほとんど知られることなく廃業していました。


◇◆◇


幕間の資料集を挟んで、第3章が始まります。

主人公の持つ知識と力がまた一つ明らかに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。