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特級精霊の主、異世界を征く ~次々生まれる特殊な精霊のおかげで、世界最強になってました~  作者: トミ井ミト(旧PN:十味飯 八甘)
第2章 スキルがいい仕事をしてくれました

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第7話 やっと自己紹介ができた

 なんとか自己紹介を終わらせ、吸血行為の詳細について聞くことができた。結論から言うと、僕がアイリスの眷属になることはない。眷属を増やすには、新月の晩に吸血する必要がある。今は昼間だから心配ないわけだ。


 それにアイリスたち〝純血〟と呼ばれる人たちは、あまり眷属を作らないんだとか。僕たちを案内してくれた使用人は〝使い魔〟だと言ってたし、アイリス自身も眷属を作ったことがない。


 リビングに飾ってあった絵の男性が〝始祖〟と呼ばれ、その人が眷属化した第一世代を〝純血〟と呼ぶ。ちなみに全員女性らしい。まあ仮に僕が吸血鬼になったとしても、男の血を吸うとか嫌だもんね。


 肝心の始祖はアイリスを眷属化して以降、音沙汰がないとのこと。不老不死なので、どこかで生きてるらしいけど。そして純血には不老の特性があり、アイリスも三百歳から先は数えてないと言っていた。


 むちゃくちゃ年上だよ、この人。いわゆるロリババアって感じかも。本人に言ったら血を全部吸われそうだから、墓場まで持っていこう。僕にだって、それくらいの空気は読める。


 さっき首筋に噛み付いたのは、血を吸うためではない。魔眼の効かなかった僕に直接力を流し込んで、暗示をかける目的だった。目で見るよりそっちの方が高い効果を望めるからだけど、なぜか力が逆流してしまったみたいだ。


 スズランが冷静だったのは、噛み付いたアイリスの様子がおかしいと、すぐ気づいたから。それにサクラのスキルで防げると、なんとなくわかったらしい。本人は直感だって言ってたけど、魔眼の仕組みを見抜けるくらいだから、それなりに確信はあったと思う。



「私のことは大体話したわ。次はあなたについて教えなさい」


「全て正直に話す必要はないぞ、ダイチ」


「う~ん、でも吸血族のことを色々教えてもらってるしなぁ……。あれってシアの知らないことも、結構あったんでしょ?」


「うっ、確かにそうだが……」


「人の目を逃れるように生活してきたんだし、外に漏れる心配はしなくていいじゃないかな」


「しかし、私だって、まだ()()()()()()()()()()……あ、いや、なんでもない」



 シアが僕のことを心配してくれるのはとても嬉しい。だけど、これまでここを訪れた人に対しても、アイリスは一切危害を加えていない。秘密を口外する趣味はないって言ってるし、そのへんは信じていいと思ってる。



「それにほら、僕はシアのスキルのこと信頼してるし」


「ずるいぞダイチ、そんなこと言われたら反対できないじゃないか」



 この依頼を受けようと決めたのは、シアが持っている【占術】のスキルが反応したから。きっとこの出会いはなにか意味がある、僕はそんな気がしてるんだ。



「話はまとまったようね。さぁ、あなたの秘密をすべて、さらけ出しなさい」



 言い方はちょっとあれだけど、越境人(えっきょうじん)のことやスズランのことを話してみよう。長く生きてるなら、僕たちの知らない知識を持ってるかもしれない。それに特殊な精霊やシアの呪いについて、何か知ってる可能性だってある。



◇◆◇



 残念ながら元の世界に帰る方法や、シアの呪いに関する知識を持ち合わせてはいなかった。そもそも吸血族は人から隠れるように暮らしているから、様々な情報に触れる機会が極端に少ない。そんな生活を続けてるのなら、いま飲んでるお茶とかどこで買ってるんだろう? もしかすると自家製かも。


 人の姿になったスズランや、ピンク色のサクラについては、かなり驚かれた。状態異常スキルが一切効かないとか、吸血族にとっては天敵だもんな。



「つまり越境人だから、この私をあんな目に合わせたってことね」


「あ、うん、ごめんね」



 アイリスは僕の素性を聞いて、やたら喰い付いてきた。目がランランとしてる気がして、ちょっと怖い。あれは捕食者の目ってやつじゃないだろうか。


 そういえば彼女のこと、心の中でずっと呼び捨てにしてる。話し方は尊大な感じだけど、見た目が小学生だから可愛いんだよなぁ。着てる服はゴスロリっぽいし、金色の目もチャームポイントだ。ツインテールがよく似合ってるから、魔法少女の衣装とかも着こなせそう。



「ダイチと言ったわね。あなたの血をちょっと吸わせなさい」


「えー、痛いのは嫌なんだけど」


「ダイチに手を出すのはやめないか」


「うるさいわね、無乳は黙っててもらえる?」


「私の名前はオルテンシアだ!」



 できれば二人とも仲良くしてほしい。シアのいろいろな面が見られて、僕としては嬉しかったりするんだけど。一緒に活動するまでは、もっと冷静沈着な人だと思ってたしね。



「さっきみたいに倒れられたら困るし、血を吸うのはやめにしない?」


「あっ、あれはちょっと油断しただけよ。高貴な私があんな醜態を晒すことなんて、二度とないわ」


「他のものだとダメなの? ほら、赤い飲み物とかワインとか……」



 フィクションの吸血鬼といえば、トマトジュースや赤ワインが定番だ。この世界にも赤い色をした果物ジュースがあるし、それでもいいなら買ってきてあげよう。



「なにを言ってるの、そんなもので力の補充ができるわけないじゃない。もっと寝ているはずだったのに、なぜか目が覚めてしまったし、頻繁に人がここを訪れるようになったし、少し調子が悪いのよ。だから協力しなさいと言ってるの」



 アイリスは薬代わりに僕の血を吸おうってことなの!?



「裏の林に妙な魔力の流れがあったが、体調不良の原因はそれではないか?」


「それはどういうことかしら」



 シアがさっき裏庭を見に行ったとき、不自然な魔力の流れを感じた。恐らくこの一帯は、強力な魔道具の影響下にある。どんな効果を持った魔道具なのかわからないけど、アイリスの不調はそれが原因じゃないかということらしい。


 シアの持ってる【魔術】のスキルって、魔力の流れまでわかるのか。

 やっぱりエルフって、すごい!



「僕は何ともないけど、スズランやシアはどう?」


「私やサクラちゃんはいつもどおりですよ」


「林の近くまで行ってみたが、特に変調はなかったぞ」


「裏になにか置いた覚えはないのだけど、気になるわね。案内しなさい」


「君は人にものを頼む態度がなってない。そこは〝お願いします〟だろ?」



 シアはアイリスに対して妙に突っかかるなぁ。もっとスルー力をつけたほうがいいかも。ソーシャルネット時代に必須のスキルだしね。この世界にそんなものはないけど……


 ともかくアイリスにだけ影響するのは、魔道具の影響をサクラが防いでくれてるからかもしれない。現場に行って魔道具を停止するなり、別の場所に移動するなりして、アイリスの体調が戻るか試してみよう。


  始祖

  ↓

純血[第一世代]

  ↓

けんぞくぅ[第二世代]

  ↓

れっさぁ[第三世代]


みたいな階級です。

作中ではたぶん出ないでしょうけど(笑)

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