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特級精霊の主、異世界を征く ~次々生まれる特殊な精霊のおかげで、世界最強になってました~  作者: トミ井ミト(旧PN:十味飯 八甘)
特級精霊あふたー

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レジーナ編:第2話 真夏の雪

誤字報告ありがとうございました!

また喫茶店になってた(笑)

 レジーナさんと直接会うのは初めてだけど、ひと目見ただけでわかる。スズランやノワールより、高位の存在なんだと……


 毛先に向かって透明度が増していく、蛍光ブルーの髪。時計の文字盤みたいに、暗い場所で光りそう。ブラックライトの光を当ててみたい。


 そして右の瞳がルビー色、左の瞳がエメラルド色のオッドアイ。配色が某アンティークドールと一緒だけど、袖口から覗いている腕は普通の人間と同じ。


 古代ギリシャの彫刻みたいな、一枚布っぽい服越しに自己主張しているその戦闘力は、スズランやナーイアスさん以上だ。



「待って下さいレジーナさん。どうして服に手をかけてるんですか」


「えっ? だって、私も温泉に入りたいから」


「向こうの脱衣所に湯浴み着がありますから、入るならそれを身につけてください」


「お風呂って裸で入るものでしょ? 膝の上に座ってる子だって何も着てないし、別にいいじゃない」


「ダメですよ! ユグは子供だから裸でもいいんです。そもそもノワールやナーイアスさんだって、湯浴み着を着てるじゃないですか」


「えー、大地くんってケチだなぁー」



 ケチとかそういう問題じゃありません。女性ばかりの環境で暮らしてるとはいえ、僕だって健全な男なんです。賢者タイムでもない限り、反応してしまうでしょ。ユグに気づかれたらどうするんですか。



「いいから着替えてきてください。言うことを聞いてくれないなら、二度と呼んであげませんよ」


「ぶー。わかったよぉ……」



 僕に聞こえない声でブツブツ言いながら、レジーナさんが脱衣場へ消えていく。



「前に会ったこと……ある気がする。あの人が……レジーナ?」


「以前より無邪気さが増してる感じですが、間違いなく大精霊様です」


「おとーたんのそばに、ふわってでてきたの!」



 さっきは突然のことだったので、ついつい普通に対応しちゃったけど、レジーナさんって神の代行者みたいな存在だったよな。怒らせたりすると、地上が荒れたりして?


 ちょっと怖くなってきたぞ……



「ねえ大地くん、これでいい?」


「はい、完璧です。その格好をしていただければ、気兼ねなく混浴できますので」


「この湯浴み着って服、トレジャー級の効果付きなんだけど、一体どうなってるのよ」



 さすが大精霊、鑑定系のスキルも持ってるらしい。僕はバンダさんが作る服について、レジーナさんに説明しておく。



「へー……私がまだこの星にいた頃、吸血族ってそこまで力が強くなかったんだけどなぁ」


「レジーナ様が旅立たれてから、吸血族にしか発症しない病で、絶滅しかけました。その厄災を乗り切れたのは、バンダだけだったそうです」


「病気の後遺症で突然変異したとか、本人は言ってましたよ」



 そのあとバンダさんが始祖を名乗り、少しづつ眷属を増やしていった。でも百数十年前、一人の吸血族が狂気にとらわれてしまう。迷宮でシアが受けたような呪いだ。普通は呪いの進行に肉体のほうが耐えられず、最後は自己崩壊という結末にたどり着く。しかし再生能力が高く、物理攻撃をほぼ無力化できる吸血族の肉体は、呪いで無理やり引き出された潜在能力に耐えきった。


 本能のままに世界中で暴れまわり、人々に恐怖と混乱を撒き散らす。そして吸血族は危険だという意識を芽生えさせ、世界中で排斥運動が勃発。世界大戦後に封印されていた技術まで使い、静かに暮らしていた吸血族をも迫害していく。その情報を受け継いでいたのが、迷宮解放同盟に違法な魔道具を供給していた、ビーンという人だ。


 追手をことごとく撃退していた厄災の吸血族だったが、最後は相打ち覚悟のバンダさんに倒される。



「うわー、そんな事になってたんだ」


(わたくし)も力を奪われ、危うく消えてしまうところでした。それを救ってくださったのが、ダイチさんなんですよ」


「バンダさんがずっと守り続けてくれてましたし、アイリスが協力してくれたおかげですけどね」


「で、大地くんから名前をもらって、そんな姿になってしまったと」



 髪の毛が大変なことになってるのは、一時的な現象です。温泉に入って肌が密着してる状態なので、精気を取り込みすぎて特に凄いだけから。



「ダイチさんにキスしていただくと、もっとすごい姿をお見せできますよ。そういうわけですので、さあ、遠慮なくどうぞ」


「唇を突き出しながら迫ってこないで下さい。子どもたちが見てるんですから、自重してもらわないと困ります」


「親愛の表現ですから、自制する必要はありません。お二人も、そう思いますよね?」


「ゆぐはおとーたんに、おはようのちゅーしてあげてう!」


「ダイチにおやすみのキスしてもらうと……すごくよく眠れる。だから毎日……お願いしてる」


「ほら、子どもたちだってこう言ってるじゃないですか。それなのに(わたくし)だけダメだなんて、ずるいです。えこひいきです。差別です。断固抗議します」



 二人の援護射撃を受けたナーイアスさんが、恐ろしい勢いで迫ってくる。僕だってナーイアスさんとのキスが、嫌なわけじゃない。これだけ慕ってもらえるのは、男として嬉しいし。


 ただ、安易に関係を深めていくと、なし崩しで最後まで行きそうなんだよ。普段の言動がアレなので!



「大地くんって人以外の存在にも偏見って無いよね? そうやって霊木の意識体を抱っこしてるし、精霊とだって愛し合えるもん」


「もちろんです。みんな僕にとって、大切な存在ですから」


「それなら願いを叶えてあげたら、いいんじゃない? 久しぶりに戻ってきたけど、土地の力がすごく増してる。きっといい影響が出ると思うよ」



 言ってることは真面目でもっともなんだけど、その顔はなんですか。絶対に面白がってるでしょ。

 それはさておき、あれから何度もデートしてるし、そろそろ次の段階へ進んでもいいかな。あとが怖いけど!



「目をつぶって下さい、ナーイアスさん」


「はっ……はい!」


「そこだっ! 一気にブチューっといけー」



 ゲームやアニメの実況じゃないんですから、雰囲気をぶち壊さないで欲しいです、レジーナさん。空気読んで下さいよ。



「いざとなると、ドキドキしますね。興奮しすぎて倒れてしまいそうです」


「じゃあ、やめますか?」


「ここでやめたりしたら、一生恨みます。遠慮なく来てください」



 土地神の一生って、永遠と同義じゃないですか。そんな思いを抱えて、ナーイアスさんには生きて欲しくない。よし、僕も覚悟を決めよう。この先なにがあっても、きっとなんとかなるさ。


 ちょっと鼻息が荒くなってるナーイアスさんの顔に、ゆっくりと近づいていく。そしてシアたちと交わす、挨拶のキスをした。



「ナーイアス……まぶしい」


「なーおねーたん、ひかってう!」


「いやー、とんでもないね、これ。力の波動が、国全体に広がっていってるよ」



 みんなの声につられて目を開けると、ナーイアスさんの発する光が空へと伸び、細かい粒子になって降り注いでる。なんかチラチラと舞う雪みたいだ。かなり遠くの方まで飛んでるから、本島が大騒ぎになってるかも。アプリコットさんにはちゃんと説明しておかないと、また怒られるな。



「嬉しいです、ダイチさん。また夢が一つ叶いました」


「涙を拭いて下さい、ナーイアスさん」


「感動して涙が出たの、これで二度目……ですね」



 嬉し泣きしてしまったナーイアスさんを、そっと胸に抱き寄せて背中をさする。この人の乙女な部分、本当に可愛い。



「もう思い残すことはありません。あとはひと思いに貫いてください」


「未練ありまくりじゃないですか!」



 まったく、やっぱりこれだ。慌ててナーイアスさんを引き剥がすと、捕食者の目でこっちを見ていた。



「ちょっと他の土地神たちに報告してきます! 後日四人で挨拶に行きますから、それまで居てくださいね、レジーナ様」


「あ、うん。今の私って、ダイチくんの契約精霊みたいなものだし、いつでも大丈夫だよ」


「大精霊様と契約できるなんて、さすがダイチさんです。では、今日のところは失礼します」



 水場限定の転移能力を使い、ナーイアスさんが祭壇へ戻ってしまう。それにしてもレジーナさん、とんでもないことをサラッと言ってたぞ。大精霊と契約って、やっぱり名付けのせいだよなぁ……


 ちゃんと事情を説明してもらわないと。


後日談を色々詰め込んでますので、日常中心で進行もゆっくり目です。

一方、内容は主人公がこの世界に飛ばされた理由、そしてスズランやノワールの秘密にも言及していきます。のんびりお待ち下さい!

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