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長く短い車内

「ふぁああ」


「眠そうじゃない、大丈夫?」


「ああ、ちょっと寝つきが悪かっただけだよ」


あの後、「もう遅いし詳しい事は道中にでも話しましょう」とすぐに部屋の電気は落とされたのだが自身の告白めいた発言と予想だにしなかった帰る事への協力すると言うサラの言葉が頭の中をぐるぐるし数時間の覚醒を余儀なくされた


「そう、それじゃあ協力するにあたっての条件を話そうと思うのだけど大丈夫かしら?」


「ああ、問題ない」


学園への道中改めてここが異世界なのだと思い知らされた。まず俺達が乗っている乗り物ー円筒形で、セルターと言うらしいー浮遊して移動しており運転手が不要、浮いているから振動もなし、さらに窓から見える景色が物凄い勢いで変わっていく。景色に至っては街が浮いてやがる。街の上に街があってその上に街、三層の構造の都市である、アメリカでも中国でもこんな都市は無いだろう。


「まず、貴方には研究会が付与されているのだけれどなんの異能かわかる?」


「いや、まず研究会ってなんだ?」


「…貴方契約書にサインしたんじゃないの」


「契約書?…ああ!あれか!」


金髪の少女によくわからない書類にサインさせられたな


「でも書いてある文字は読めなかったからどういったものかは分からないな」


「…貴方馬鹿なの」


「仕方ないだろ、ほぼ説明されずに半ば強制的に書かされたからな」


「…メリルには後で言っておくわ。貴方、戦闘経験はあるのかしら?」


「大昔に喧嘩程度なら」


「…貴方への協力の条件が暴力系の事なのだけど大丈夫?」


「マジですか?」


「ええ、本気よ」


「…ちなみにどう言った内容で?」


「闘技場と言った場所で異能を使って戦って貰いたいの」


「…異能の使い方がわからないんですが」


少し頭を抱えた様子で


「…後で聞いておくわ」


なんで知らないんだよ


「あと、死んだりしたりしませんかね」


「安心して、ここ10年死人は出ていないわ。それに後遺症も残る様な事は無いから」


ボクシング等の格闘技でも後遺症が残ったりするって事を考えると案外楽なのでわと


「よし、それならその条件を飲むよ」


肯定を示した瞬間、彼女笑みを浮かべて


「ありがとう。貴方がどんな怪我をしても1時間で治るよう私の方できっちり手配しておくわ」


「どんな怪我?」


凄まじく不穏な言葉が聞こえた気がしたのですが


「ええ、貴方がもし腕が飛んでも、真っ二つにされても、頭が潰れても1時間以内には今と同じぐらい元気にしてあげるわ」


早まったと思った。異能を付与できる技術があるならそりゃ医療の方もそれ相応に発展してますよね。


「あの、サラさん、やっぱり取り消しって出来ますか?」


「駄目よ…もうそんな顔しないで。それじゃあ試合に勝ったらご褒美をあげるわよ」


「ご褒美って?」


「そうね…」


悪戯っぽく舌を出して


「1日だけ主従を交換してあげる」


と蠱惑的な笑みを浮かべる。彼女の言葉に心臓が煩いぐらいに激しく動く、そしてそれが気にならないぐらい頭の中を邪まな妄想が支配していて


「全く、何を考えているのかしら」


サラの言葉で我に帰る。目の前まで接近していたサラは抱き寄せるかの様に俺の頭を抱え耳元で


「エッチ」



「いやいやいや!そんな事考えて無いって」


慌てて否定し彼女から離れる様に移動する


「くすくす、やっぱり貴方って面白いわ」


「お前なぁ」


「けどごめんなさい、期待させて悪いのだけど主従の交換はまだダメね」


やっぱり悪戯だったようでホッとしてるような残念なような…まだ?


「勝った時にはご褒美はあげるわ、それにもし貴方が優秀なら…」


「優秀なら…」


ゴクリと生唾を飲み込む


「主従逆転、考えてあげなくもないわ」


また心臓が早鐘を打ち出した所でセルターが止まった


「さあ、いらっしゃい、ここが私が通っているビルトリート学園よ」

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