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プロローグ


鉄の檻に入れられ感じ入るのは浮遊感。

この感覚は二度目であり一度目は絶望感もあったものだが今はそれが高揚感に置き換わっている。

重低音が鳴り響き、戦士を封ずる扉が開く。

四方10メートルの鉄の箱。対峙する戦士は赤い髪を持ち顔の半分に龍の刺青がある男。手にする得物は2メートル超の鉄の偃月刀、あれの鋭さは一度自身を引き裂かれたことで正しく身を持って知っている。


「おっ?蓮、やっぱり剣はダメだったか?」


「ああ、己の才能の無さを叩き込まれたよ」


少なくとも刃物全般を対人戦では使えない


「まあ、ならそれも悪い選択じゃ無いと思うぜ」


朱を基調とし両端に金の装飾を施した棒、如意棒を模した己の得物。


「ありがとうなウェン、だけど今回は勝たせてもらうよ」


「はっ、多少練習した程度の素人に負けるかよ」


まあそうだろう。だけど今回は前回使えなかった隠し玉がある、それで意表さえつければ


「さてと、長話しもなんだ、とっとと始めるか!」


それが開戦の合図となり互いに間合いを詰める


異能承認・加速インスタイル・スネイル


客席に座る飼い主ー銀髪碧眼の少女、彼女とウェンの飼い主以外に観客はいないとは言え、例えここが満席だろうと目に止まるような美少女だったーの許可により自身の筋肉の許容範囲を超えた伸縮運動を行い異常な程の加速を生み出す。

そしてそれは、前回の動きとは全くの別物で彼の予想出来る範疇を余裕で打ち抜いていた。だからー


「おおおお!」


左肩への一撃。奇襲の様な一撃を受けウェンの体勢が崩れる


「おおおお!」


畳み掛ける様に右脇腹、左太腿、右側頭部と連続して打撃を叩き込む。加速の乗ったそれは回避不能と言うべき速度だったが


「はっ、舐めんな!おらぁ!」


偃月刀の突きをギリギリかわす。

彼を止めるにはこちらの打撃は軽かったらしい。


「おいおいなんだよありゃ、前回は本気じゃなかったのかよ」


「いいや、少なくともあの時点では本気だったよ」


「そうかよ、だけどそれじゃ止まらないぞ!」


「ああ、分かったよ、それじゃあ今度は止めてやるよ!」


俺は左手の人差し指を一瞬だけ上に上げた


異能承認・金剛力インスタイル・ペアードスタング


主の命にて許可の範囲が切り替わる。速度から単純な筋肉の出力が上昇し


一合、二合、三合と打ち合う。そしてそれは


「ははは、なんだよやれんじゃねぇかよ、悪いが俺としては全然期待してなかったんだが、まあ、やっぱり殺し合いはこうでないとな!」


戦闘狂の闘争心に火をつける。それは全て彼の攻撃へと反映されて


四合、五合、六合と押されはじめる。膂力としてはこちらが優っているが速度という面では明らかにこちらが劣っていた。互いに一撃必殺を放ちあっているのだ、ならばこそ速度の遅れは致命的だ。

先程の加速と剛力の両方を使用出来れば良いのだかそうは問屋が卸さないのだ、だから


隙を見て左手の人差し指から小指までを上げる、これが最後の選択肢


「勝たせてもらうよ」


「言ってろ、負けねえよ」


次の打ち合いにて勝負を決めると思いを込めて互いに一歩踏み出した。

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