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前書き

祖父が不慮の事故で死んだ。俺は両親はおらず、幼いときから祖父に育てられたので、祖父が死んだときは死ぬほど悲しかった。しかし、悲しんでいられたのはほんの僅かな時間だけだった。


俺の祖父は、主に不動産の売買を生業としており、千葉県の港湾地区、東京都の全域、神奈川の真ん中、その他関東一円に土地と建物を多数有していた。また、建設業や土建屋など、多くの会社を保有していた。そのため、祖父の葬式には、信じられない数の人が来た。地元の土建屋、建設業者はもちろん、祖父が役員を務める会社、グループ傘下の子会社、取り引きのあった会社、祖父が設立した病院や高齢者施設、国会議員、警察、ヤクザ、地元の名士の集まり、そして遺産目当ての遠い親戚。県外や国外からも弔問の客は後を断たなかった。俺は、祖父の顧問弁護士の中原さんの紹介のもと、その人たちの延々と続く挨拶を聞いた。皆、口を揃えて同じことを言った。


「会長、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます」


俺の傍らに、名刺が山のように積み重なっていった。






葬儀が落ち着いた頃、祖父の顧問弁護士であった中原さんの事務所に案内された。そこで俺は衝撃の事実を知った。


祖父の遺産は六百億円あるということ、そしてそれを相続する権利のあるものは俺一人だということを。

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