第9話》新たな目標ができました
「コールド」
――敵を倒して、経験値3を取得しました。
――ダイス3で、何も取得出来ませんでした。
――おめでとうございます。レベル2になりました。
やっと上がったぁ! 只今5週目。取りあえず敵を倒しつつ周回する事にして、レベル上げしていた。
――スローを取得しました。
――オールファイヤーを取得しました。
――オールヒールを取得しました。
――オールコールドを取得しました。
――オールエアカッターを取得しました。
――オールシールドを取得しました。
――オールマジックシールドを取得しました。
うん? まてまて、覚え過ぎだろう……。あ、でも魔力って3,000になったのか?
俺は、左手を目の前でスライドさせ、ステータスを表示した。
□――――――――――――――――――――□
名 前:エット
レベル:2
H P:30/30
M P:290/300
体 力:30
攻撃力:307
防御力:20
魔 力:3,000
魔防力:20
素早さ:750
ラック:101
ランク:S
経験値:201 next:249
□――――――――――――――――――――□
なんか、魔力だけずば抜けてるな。素早さも本当なら1,500か。きっとこれだけあれば、靴はいらないかも。
うーん。他の人のHP以外のパラメータを見れないから平均がわかんないけど、攻撃力ぐらいだよな、きっと。
『攻撃を受けていますが宜しいのですか?』
「やべぇ、コールド!」
――敵を倒して、経験値2を取得しました。
――ダイス2で、吸血の指輪を取得しました。
指輪! とりあえず、おばあちゃんの家だ。
俺は、ゴール目指して一目散に走った。
パタン。
「ふう」
ドアを閉め、一息つく。
カゴを渡して、報酬の100ダイスコインを貰う。これで500ダイスコイン溜まった。これは、イベントに挑戦する時に払うのに使うらしい。
敵からもドロップする事もあるようだが、俺は一度もない。
それはさておき、指輪だ!
指輪の効果を確認すると、魔法攻撃を受けるとMPが1回復するらしい。シールドを張っていても有効だ!
まあ俺の場合、よっぽどじゃないと枯渇しないと思うけどな。
うん? ちょっと待てよ……これも、重量5じゃないかぁ!!
「だぁ! レアって重量5以上なのかよ!」
『はい。その通りです』
「………」
別に今のは、ナビに聞いた訳じゃないんだけどな。はぁ……。結局これも装備できないじゃないか! って、レベル3に上げてまで装備したい指輪でもない。レベル3になれば、MP500だもんな。
でもレベル上げしていれば、またレアがドロップするかも!
杖だ杖!
「よし! レベル上げも兼ねて、杖のレアドロップ狙いで周回だ!」
『マスター。残念なお知らせがあります。一つしか装備出来ない場合、ローブ系が優先となるため、レベルは4にしないとレアの杖は装備できません。ちなみにレベル4にする為には、経験値が後547必要になります』
それ聞きたくなかったよ……。やる気がうせる。
っていうか、杖って何か効果ついてるのかな?
「杖って魔法を使えるようになる以外に、何か効果ある? たとえば、魔力が増えるとか」
『レアなら何かしらついているとは思いますが、マスターの場合はレベルアップに勝るものはありません』
まあ、そうだろうな。そうなると別にレアを集めなくてもいいって事になるな。楽しみがないじゃないか。
「はぁ……。強すぎるのも面白くないな。目標がなくなった」
『では錬金術を取得してはいかがでしょうか。今着ているローブにエンチャントできるアイテムを作るのです。錬金術で生み出したアイテムで、色んな効果をつけるのです』
「うん? 錬金術? それって何が上がれば取得できるの?」
『いえ。これはイベントをクリアして取得します。レアさえあれば、エンチャントは必ず成功するのですから、自分好みにアレンジしてみてはいかがでしょうか』
「そうだな。じゃまずは、錬金術のスキル取得を目指すか」
俺は、新たな目標に胸を躍らせるのだった――。