表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/89

第76話》便利な魔法エクスプロージョン

 俺達はしばし、うち寄せる波を見つめていた。


 「あれもないわよね~。超めんどくさい迷路を作らないでほしい」


 うんうんとリラさんの言葉に、俺達は頷いた。

 確かにある程度の強さがあれば、クリアできるかもしれない。しかし、根気も必要だ。

 クリスタルの欠片もここに来る洞窟で手に入れる事も出来るので、必ずしも洞窟のダンジョンでなくてもいい。強かったら一番距離が短いコースを行けばいい。でも結局、クリスタルの欠片が必要なので、敵を倒しに行かなくてはいけない。

 そして、ここでクリスタルを作る。

 もしかしたら、ボスと対戦してからクリスタルの事を知るかもしれない。


 「あ、そうだ。ジャンプして、エクスプロージョンを放つと、壊れる樽を全部壊せたから、俺が部屋を周って樽を壊して行くよ。取りあえず全部宝箱か確かめよう! 開けたらスイッチって事もあるかもしれなし」


 「何その便利なやり方!」


 リラさんが、ずるいと言う感じで言った。


 「じゃ、樽の道作りは、エットさんに任せるわね」


 「はーい! 私、頑張って宝箱あけるね!」


 「全員でチェックしていくのよ! 宝箱を開けたかどうか、わかる印も必要よね」


 リラさんの言う通りだ。ジャンプして確認出来るけど、正面からだと宝箱が見えないからわからない。


 「うーん。ナビ。宝箱って持ち上げられる? っていうか、動かせる?」


 『はい。部屋からは出せませんが、動かせます』


 「だったら、開けた宝箱は樽の上に上げよう。そうしたら見えるよね?」


 「エット、頭いい!」


 「あら、いい考えね」


 「では今回は、エットが樽を壊して、私達が宝箱の中身を手に入れた後、樽の上に宝箱を上げて行きましょう。一応仕掛けが無いかも見てね」


 リラさんに言われて、ミチさんとママルさんは頷いた。

 俺達が地下室にワープすると、セーフティエリアが発動した状態で、異次元の入り口も健在だ。そこにリラさんが入って行く。俺達も続いた。


 出た場所はミチさんの読み通り、さっきとは違う面だ。4つ目のドアが壊れているから、最初の所から右に曲がった所の方に出た。


 「やっぱりね」


 ミチさんが呟いた。


 「じゃ俺、壊して行くね。あ、そこの壊した部屋は宝箱開けた所だから」


 「じゃ、そっちに向かってやっていって。そこに辿り着いたらその宝箱も一応、上げておくわ」


 リラさんの言葉に頷き、俺は目の前の部屋に入った。


 「ジャンプ、エクスプロージョン!」


 三人が見守る中、俺は樽に向け放った。ここもやっぱり一番奥の壁側に宝箱がある。そして、入り口も真ん中と一緒だ。


 「じゃ、次に行くね!」


 「ここは私がやるわ」


 リラさんが、するようだ。

 こうして、部屋に入りエクスプロージョンを放って行った――。






 「ここが最後、ジャンプ、エクスプロージョン!」


 すとんと着地する。結構時間かかったな。まあドアを開け、一歩入ってジャンプして、だもんな。


 カーン。

 時間か! 気づけば砂浜だ。


 「ねね、何が入ってた?」


 ママルさんが、みんなに聞いて来た。


 「クリスタルキーね」


 「私もよ」


 「やっぱりそうなんだ~」


 ミチさんが答えると、リラさんも答えキーを出した。リラさんが13個、ミチさんが7個、ママルさんが4個。随分と差があるな。俺も1個持っているから全部で25個か。それを全部俺がもらって、鞄にしまった。


 「宝箱の回収だけで、2回もかかちゃうのね」


 リラさんが言う。

 確かにそうだ。俺も加わるから次で全部開けられると思う。


 さて、三度目のチャレンジだ。まあ、まだ宝箱しか開けてないけど……。

 今回は、3つ目のドアが壊れている面に出た。


 「どうやら右回りになっているようね。今の所はだけど。私とママルは左に進むわ。エットとミチは右からお願い。終わったらそっちに行くわ」


 俺達は頷いて、行動開始だ。ミチさんが先に入ったので、俺はさらに左の部屋へ向かう。


 「疾風弾! 疾風弾……」


 リラさんが、スキルを使う声が聞こえた。なるほど、素早さを上げていたのか。一番素早さが少ないママルさんが、時間が掛かっていたから回収に差があったんだ。


 樽の間をすり抜け宝箱に到着すると、開けてクリスタルキーを取り出す。やはりこのカギしか入っていないようだ。


 「ねえ、このカギってこのアトリエにある宝箱のカギなの?」


 宝箱をの中や外側を確認しながらナビに聞いた。


 『いえ、宝箱ではなく、仕掛けのスイッチのキーです』


 「え!?」


 じゃこれ、全部回収しないといけないのかもしれない。

 一応、宝箱が置いてあった場所も確認したけど、仕掛けは何もなさそうだ。宝箱を樽の上に上げ、次の部屋に向かう。

 そうして11個目のカギをゲットした時だった。辺りからガガガっと大きな音が響き渡った! 振動もある! これってきっと、俺のが最後のカギで仕掛けが発動したんだ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ