第73話》一旦整理です
目の前には、クリスタルの欠片の山だ。集まったのを全部出してみた。全員のを合わせて、1,000個以上ある。
「凄い集まったのね」
ミチさんが、驚いて言った。宝箱からは、10個ずつ手に入ったからそれだけでも60個集まっている。
「ねね、クリスタル作るんだよね?」
ママルさんが、ワクワクして聞いた。俺は頷いて、砂浜から持って来たアイテムを出して置く。
球体のガラスの様な蓋を開け、100個数えて中に入れ蓋を閉める。
「クリスタル作成」
アイテムに手をかざし言うと、中が光り納まると、欠片が消えてクリスタルになっていた。
蓋を開け、クリスタルを取り出す。持っていたクリスタルと比べてみるも全く同じだ。
「あと2つ作っちゃうね」
「ねえ、エット。作っても私持てないよ」
「私も持てないわ」
ママルさんが言うと、ミチさんも言った。
そう言えば、ミチさんの鞄の容量は100なかったよな。ママルさんも増やしたけど、100も入らないか。いや、100以上じゃないと、他の物を入れられないか。
「じゃ、作った後、街に行って鞄をエンチャントしよう」
俺が言うと二人は頷いた。
「200ぐらいまで増やした方がいいかもね」
「200!? 材料が足りないかも」
リラさんが言うと、ママルさんが驚いて返す。
「今ならクリスタルの欠片と材料を交換できるかもしれないわ。トレードしましょう」
リラさんの提案に俺達は頷いた。
2つクリスタルを作った後、トレードをしにダンジョン商会に来た。ここにトレードの掲示板があるらしい。
俺は、エンチャントをした事がないので、材料がわからないのから3人に任せた。クリスタルの欠片50個程で、ママルさんとミチさんの鞄の容量を200まで上げる事が出来た。
「どうせなら3人共300とか500とかまで上げておいたら? 材料集めよりトレードの方がよくない?」
俺が言うと、リラさんがそうねと頷く。それじゃと3人共上げる事にした。
「エット。クリスタルの方がいいみたい。こっちから提供して、3人分の材料手にいれましょう」
リラさんの提案で、クリスタル2個をトレードに出し、三人共、重量500まで上げる事ができた!
それから俺達は、ギルド部屋に戻った。
「クリスタルの方が何で高いんだろうね?」
ママルさんが不思議そうに言った。俺もそう思った。
「エット、もしかしてあなたもわからないの?」
俺も頷いていたからか、リラさんが驚いている。
「えーと……」
「あのね。外で使うとMP300使うでしょ?」
「え! 気づかなかった」
「そうね。それならMPがない人にしてみれば、クリスタルの欠片があってもどうにもならないわね。普通はあの場所でしかできないのだから」
ミチさんが頷いて言った。
「私も魔力が半分になっているからMPは最大300ないわ。100レベル以上の人でも300ないプレイヤーもいるからクリスタルの方が価値があるのよ」
リラさんの説明に納得だ。
「MPなんて気にした事なかったから」
「本当に羨ましい事!」
俺が言うと、リラさんが言った。
二人もうんうんと頷いている。
「そ、そうだ。手に入れたアイテム、テーブルに置くね」
俺は、フエと攻撃回数倍の腕輪、クリスタルリングを2つ置いた。
そうするとリラさんも鞄から出した。魔法の石を20個、クリスタルペーパーの設計図、クリスタルの盾の設計図。
「取りあえず設計図は、エットに預けるわ。作れる様になったら作ってみて。後は魔法の石もね」
「わかった。預かっておくよ」
リラさんに言われ、2つの設計図と魔法の石を鞄にしまう。
「フエがある! いいなぁ」
ママルさんが、ほしそうにフエを見ている。一個しか手に入らなかったからここは、ママルさんにあげてもいいかな。
「私は持っているし、リラさんがいいって言うならママルさんがどうぞ」
「今の所フエはいらないからあげるわ」
「ありがとう!」
嬉しそうにママルさんがフエを手にする。
「で、エットはどれがほしいの?」
「え? 俺が先に選んでいいの?」
リラさんに言われ驚いて言うと、頷いた。
「えーと、クリスタルリングのバディの方が欲しいです。ミチさんがいいっていうならだけど」
「どうぞ」
「いいの?」
「あれでしょう。隠し通路にあった宝箱ってそれでしょう?」
「あ、うん」
「だったらエットさんが装備する権利があると思うわ」
「ありがとう」
俺はクリスタルリングを手に入れた!
後は重量もあるし、クリスタルハンマーの事を話すと、作ってみようという事になった。アトリエに、設計図があるといいんだけどね。