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第60話》大きすぎやしませんか……

 「オールファイヤー!」


 宝箱がある中央に到着したからこれで一時終了だ。


 「ぐふふ。宝箱だぁ」


 「中身が何かわかってるのに、開けるのが嬉しいかしらねぇ」


 いつもと変わらないママルさんを見て、リラさんがボソッと零す。


 「中身がわかっていてもロマンがあるでしょう?」


 「ロマン?」


 「それに今までで一番大きい宝箱だよ!」


 ママルさんにとって、宝箱の中身は関係ないらしい。今回は、彼女の言う通り、人がすっぽり入れる程の大きさの宝箱だ。


 「よいしょっと。でか!」


 宝箱をあけたママルさんが叫んだ。見れば本当に大きな鉱石が入っている。本来なら人が持ち上げられなそうな大きさだ。

 ママルさんが、マグネタイトを取り出した。


 「ま、前が見えない」


 腰から頭までの大きさがあり、ママルさんの手の中に納まりきってない。


 「大きいわね。これ重量いくらよ」


 「あ、1,000だって」


 リラさんの問いにママルさんが答え、全員が驚く。へたしたら持って帰れない重さじゃないか?


 「私達には、エットがいるもんね」


 そう言って、ママルさんが俺にマグネタイトをくれた。それをスポッと鞄にしまう。


 「ねえナビ。持てない重量の時は、どうするの?」


 『装備品なら分解して持てる分だけ持つか、それ以外は捨てるしかありません。今回はイベントですので、マグネタイト袋というアイテムが販売されています。マグネタイトは、重量が1,000あると公開されていますので、持ちきれないと思うプレイヤーは、その袋を購入して挑みます。袋に入れると重さはなくなります。袋自体の重量は1です』


 つまり重量を1に出来る袋って事か。

 鞄の重量って、重要な要素だな。無限でよかった。


 「じゃ、残りの材料集めを再開しますか。エット、あとどれくらい?」


 「えーと、90個ずつぐらいかな。10個以上ずつあるから」


 「まだまだみたいね」


 リラさんの問いに答えると、ミチさんがこれからねと言った。


 「私、いっぱい出すの得意だから!」


 ママルさんもやる気満々だ。こうして俺達は、また動き出した。




▽ ▽ ▽




 ――敵を倒して、経験値1を取得しました。

 ――ダイス4で、文字盤の欠片を取得しました。


 「やっと、100個集まったよ!」


 「じゃ、敵はそのままで脱出するわよ!」


 俺が言うとリラさんが言って、俺達は目の前にある脱出用の魔法陣の上に乗った。

 嬉しい事に戦闘中にレベルが上がった。その為に、一つ上の階に移動してすぐに脱出できるように、脱出用の魔法陣の前で敵を倒していたんだ。

 イベントのアイテムは、集める個数以上にドロップするようで、針の元は10個ほど多く集まった。


 脱出した俺達は、さっそく作成してもらった。

 錬金コンパスは、直径1メートルの大きさだ! 大きすぎだろう!

 アイテムにもレア度があって、これは★1で重量200。俺が持つけど、ナビに聞いたところ、マグネタイト袋に収納できるので、ほとんどの人は袋を買って入れている様だ。


 さて、この錬金コンパスの使い方だけど、ラ・ラビーレの文献の写しという物を買わされ、それを手がかりに島の入り口を探す。使うと入り口の方向を示し、距離は、針の色でわかるらしい。


 「で、結局距離を測るのに、さらにマジカルメジャーというアイテムが必要なわけね。そして、入り口を開くアイテムのベルも必要なのね。結構面倒ね」


 やれやれとリラさんが言う。

 思ったより島に行くのが大変だった。


 「ねえ、ナビが、ベルは必要だけどメジャーはなくても出来なくはないって。だからベルだけ作りましょう!」


 「別にいいけど、探すのに苦労すると思うわよ」


 リラさんの意見にミチさんがそう返すと、リラさんはニヤッとする。


 「ナビが言うのには、普通のコンパスの様に持って歩いて使う事も可能の様よ。私は体力があるから持って歩けるって!」


 つまりリラさんが持って歩くって事か。途中でもう嫌だと言わなければいいけど……。


 「エット、どうする?」


 ママルさんは、どっちでもいいみたいだ。


 「とりあえず、必要なベルから作ろうか。俺も色々、ナビに聞いておくよ」


 「じゃ、ベル作りだね!」


 ママルさんが、目を輝かせて言った。彼女はいつも楽しそうだ。

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