第59話》材料集め開始!
迷宮の1階。そこは、ただの空間だった。そして、目視できる場所にゴールがあるようだ。ほわんと床が光って見える。
「どうやら1階は特段、迷路とかになってないみたいね。……なるほどね」
リラさんが、何やらナビから聞いた様だ。
「エット。錬金のコンパスの材料で、集めるのが一つって言うのがあるでしょう? それって、ランダムに出る宝箱なんだって。それだけは、途中で拾った方がいいみたい」
「宝箱! 私の出番だね!」
ママルさんが嬉しそうに言う。
俺は、錬金コンパスの設計図を確認した。
マグネタイト 1個
文字盤の欠片 100個
針の元 100個
「マグネタイトだね。これだけは、宝箱からって事だね」
『マグネタイトは、プレイヤーのレベル以上の階から出現します。13階に出現しなかった場合は、それを見つける為に上の階に進まなくてはいけません』
うん。リラさんが聞いてくれてよかった。ずっとドロップしないって狩りしていた可能性があったかも。
「ここも階でつどシールド張らないとダメだから。今回は先を急ぐからエットにお願いするわ。MP大丈夫よね?」
「問題ないよ」
「13階までつっきるわよ!」
「了解!」
「わかったわ」
俺達は頷き合う。
「オールシールド、オールマジックシールド」
シールドが合図となって、みんなは走り出した。ゴールに向けて一直線だ。
▽ ▽ ▽
10階からは、ちょっとした迷路になっていた。だからマップを使って進んだ。そして、13階に到着。
「マップ」
なんと、中央に黄色がある! 宝箱だ。 その周りは、比較的広い。ここで狩るといいかも。
「みんな、朗報だよ。宝箱は、中央にある。そこら辺が広いスペースだからそこで狩ろう!」
「やったわね。ここからは、敵を宜しくね。エット。敵をじゃんじゃん出してあげるから!」
「あ、うん……」
リラさんの言葉に頷くもじゃんじゃんは、いらないかな。倒しきれる数をお願いしたい。
迷宮の敵は、サイコロの目の数の敵が出現する。9階までは4面で、10階からは6面だった。だからこの階も6面だと思われる。
「それにしても100レベル以上の人って大変そうだよね。俺みたいなレベルの人って稀だよね? 少なくても20レベルになってるだろうし」
ギルドに入る頃にはそうなっている。
『ダンジョンギルドのギルド魔法に、ランダムフロアと言う魔法があります。パーティーリーダーが、ゴールのセーフティエリアに入る前に使用すると、今いる階の2~10階の間をランダムに進む事が出来ます。使用できないダンジョンもありますが、ここは使用できます』
「そんな魔法があったんだ。このイベントが終わったらギルドを作った方がいいみたいだね」
「なになに?」
ナビに何を聞いたんだと、ママルさんが興味津々だ。
「ダンジョンギルドの魔法に、ランダムフロアって言う魔法があるんだって。2~10の間をランダムに進むらしいよ」
「すご~い! 是非使いたいね!」
「あらそんな便利な魔法があるのね」
「やっぱりギルド作成が先だったかもね。まあ、作ったからと言って直ぐに使えるとは限らないけどね」
リラさんにそう言われ、そうだけどさあっとなったけど、今更だ。
「ねえナビ。因みにそのランダムフロアを使うのに条件みたいのがあるの?」
『はい。ギルドレベルが関係してきます。ランダムフロアの魔法は、10レベルにならないと覚えられません』
「10レベルかぁ……」
どれくらいの時間がかかるかわからないけど、作って直ぐに使えるわけではなさそうだ。
「で? あなた達、進まないの?」
リラさんは、早く終わらせたいようだ。
「そうだったね。ごめん。オールシールド、オールマジックシールド。では、アイテム集めを始めますか」
「はい!」
ママルさんが、元気に返事を返してくれた。
俺達は、セーフティエリアから出た。
――ダイス4で、4体の敵が出現しました。
コウモリの様な空中を飛ぶ敵。ここの敵は、全部これらしい。剣を使うプレイヤーには、戦いづらい敵だ。
「オールファイヤー!」
――敵を倒して、経験値1を取得しました。
――ダイス3で、何も取得出来ませんでした。
――敵を倒して、経験値1を取得しました。
――ダイス5で、何も取得出来ませんでした。
――敵を倒して、経験値1を取得しました。
――ダイス4で、文字盤の欠片を取得しました。
――敵を倒して、経験値1を取得しました。
――ダイス6で、針の元を取得しました。
うん。一個ずつゲットできた!
「エット、6体でたよ!」
嬉しそうにママルさんが叫んだ。彼女は何故か、敵の出現をマックスで出すの得意なんだよね……。
「ありがとう。オールファイヤー!」
とりあえず、倒しながら中央を目指した。