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第57話》青っぽい腕輪でした

 これが、分解の腕輪かぁ。

 今、俺の手には『分解の腕輪』がある。青っぽい腕輪だ。

 結局、百の腕輪があればいいというので、三百の腕輪をママルさんとミチさんにもらった。回数の腕輪の回数が違えば材料に出来る様に、三百の腕輪も魔力などステータスの場所が違えばOKだった。

 最初に気づいていればという所だが……。


 しかし、お金が思ったより、いやかなり高かった。このゲームはお金がドロップしないので、ダンジョンで稼ぐしかないらしい。なので、お金はリラさんに借りた。

 うーん。借りてまで作成しなくてもよかったような気もするが、腕輪を手に入れる為にダンジョンに来てもらったので、揃ったら作らないわけにもいかなかった。なんとなく、リラさんの策略にはまったような感じもある。


 「投資したんだからちゃんと役立ててよ」


 と、リラさんには言われてしまった。


 そういうわけで、今から初の分解を行う。

 分解するのは、大振りの剣とビックトマホーク。


 ビックトマホークは、ワンダメダンジョンの宝箱からゲットした武器。★1で重量が50! スキルもついていたが、誰もいらないというし材料に使っていいとの許可が出た。

 宝箱から出た他の物は、脱出後話し合って分けあった。


 俺達は、パーティールールを決めた。宝箱を開けるのはママルさん。そして、それを一度俺が預かりクリア後に分け合う。

 鞄の容量が無限だからそれが一番だよな。


 「エット。早くやってみて」


 「もう、また急かす」


 ママルさんが、分解するとろこを早く見たいと俺に言うと、呆れた様にミチさんが言った。


 「わかった。やってみる」


 俺は、分解の腕輪を装備した。これ、一応レアだった。★1つで重量20。

 目の前に並べられた大振りの剣に手をかざす。


 「大振りの剣を分解」


 そう言うと、剣はキラキラと輝き魔法の石10個になった!


 「わあ、凄い! 手品みたい!」


 ママルさんが喜ぶ。

 まあリアルだったら凄いよな。


 「よかったわね。これで装備錬金に近づいたわね。そうそう。お金は返さなくていいから一つ私にも作ってね! 材料は、自分で集めるから」


 いいよねと、リラさんが言った。

 俺は、頷く。


 「材料さえ集めてくるなら。もう作ってほしい武器って決まってるの?」


 「内緒」


 ニヤッとリラさんが返して来た。

 何か企んでそうで怖いんだけど……。


 「ねね! 私も集めたら作ってくれるの?」


 「勿論。つけたいスキルとかの装備も一緒に入れると、スキルがつくらしいから、そういうスキルがあったら取っておくといいよ。持ちきれなかったら俺が持ってるからさ」


 「ありがとう、エット! もう、大好き!」


 「! だから、それ……」


 「また赤くなってる」


 ミチさんにまたからかわれてしまった。

 って、何故かジドーっとリラさんが俺を見ている。


 「さ、さて、もう一つも分解しちゃおう!」


 俺は、ビックトマホークに手をかざす。


 「ビックトマホークを分解」


 大振りの剣同様に、ビックトマホークも魔法の石になった。


 「どうせなら重量が多い武器があるダンジョンに行きたいんだけど、リラさん知ってる?」


 「何故、私に聞くのよ? ナビがいるでしょう?」


 「え? あ、いや、単純に知ってるかなって思って……」


 「私はあなたを探し求めてずっと、ババールにいたのよ。だからそこのダンジョンしか知らないわ」


 「そ、そうなんだ……」


 凄い言い回しなんだけど……。


 「な、何赤くなってるのよ! 強い人って事だからね!」


 「わ、わかってるって! ナ、ナビ! 分解に適した装備があるダンジョン教えて!」


 「あ! 私もそうだよ! 一緒だね!」


 ママルさんがそう言うと、ミチさんは笑い出した。

 なんだかなあ。


 『それなら今やっているイベントに参加してみてはいかがでしょうか。本来は、レアの装備を手に入れるのが目的ですが、外れの装備として重量が重い装備が多数存在します』


 うん。ナビは、通常運転だね。


 「それって、俺達初心者でも出来るの?」


 『はい。マスターならクリアも可能かと』


 俺ならか。まあ、クリアが目的じゃないからいいかな。


 「なんていうイベント?」


 『錬金術師ラ・ラビーレの秘密のアトリエの島です』


 「錬金術師かぁ……」


 「イベント? 錬金術師?」


 ママルさんが目を輝かせて聞いて来た。


 「うん。今やっているイベントだって」


 「なるほどね。面白そうだわ。でもギルドはどうするの?」


 リラさんもナビに聞いたみたい。


 「別に後回しでもいいんじゃないかしら? ギルドはいつでも作れるし」


 ミチさんが返す。彼女もイベントをしたいらしい。


 「じゃ、決定! やろう!」


 ママルさんは、ノリノリだ。

 こうして急きょ、今開催中のイベントに参加する事になったのだった。

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