第47話》クエスト選びは疲れます
俺達四人は、俺をリーダーにパーティーを組んだ。それからクエスト探しを始める。
「なあ、ナビ。この敵のレベルって、人数を掛ける前の元のレベルって事?」
『はい、そうです。4人で挑戦しますので、敵のレベルは4倍になります』
やっぱりそうか。今回は、リラさんがいるからある程度高くても大丈夫かな? うーん。それでもレベルの目安が初めてだからわからないな。
「ねえクエストの時に、死亡したメンバーはどうなるの?」
『リタイア条件にメンバー死亡と書いてあると、その時点でリタイア扱いになり、全員ダンジョンから離脱します。条件になければ、死亡したメンバーだけダンジョンから離脱します。経験値がストック型の場合は、経験値は入りません。また、全員死亡すれば、再挑戦が可能です。誰かが条件をクリアすれば、離脱したメンバーにもダンジョンポイントが入ります』
経験値は、今までと同じって事か。どうやら死亡したら外に出されてしまって、中には入れないみたいだな。
「まずは、レベル低めからやってみる? 前にレベル5大丈夫だったからレベル5にする?」
「今回は私もいるからレベル5が大丈夫だったなら6とか7でもいいんじゃない?」
俺が聞くと、リラさんがそう答えた。
「そうしたらポイント高いのも選べるでしょう?」
「なんでそうギルドのこだわるのよ」
ママルさんがちょっとツーンとして言った。
「規約読んだでしょ? 脱出魔法陣があるとボスを倒した後、戻らずにその場で脱出できるのよ? ポイントで買ってもいいけど、どうせなら使い放題の方がいいでしょう?」
「そっか。なるほどね。でも今回は、初めてのクエストだから俺達に合せてくれるとありがたいかな……」
「……わかったわ。じゃレベル5で」
俺が言えば、素直に従うんだな。
「でも、やるならアイテム回収がいいと思うわよ。セーフティエリア付近で戦っていれば、クリアしたら直ぐに脱出できるから」
「そうね。じゃ、アイテム回収から探しましょう」
リラさんの意見に頷いて、ミチさんがそう返した。
そうして、俺達が選んだのはこれだ。
○―――――――――――――――――――○
ダンジョン名:ポポ
モンスターレベル:5
クエスト:アイテム回収
回収アイテム:ダンポポのタネ50個
制限:なし
リタイア条件:なし
経験値:ストック型
ダンジョンポイント:50
○―――――――――――――――――――○
これで、クエストのやり方を掴めば、もうちょっとポイントが高いのも選んで、リラさんが言う通り脱出魔法陣を使える様にギルドを早めに設立しよう。
「なあ、お願いがあるんだけど」
ダンジョン商会の建物を出た所で、後ろから声を掛けられた。振り向けば、魔法使い系の男の人が立っていた。
「俺も仲間に入れてくれない?」
「え? それってクエストのって事?」
俺が聞くと、彼は頷いた。
「ステータス」
一応、確認。
□――――――――――――――――――――□
名 前:スーセンチ
レベル:30
H P:212
ラック:300
ギルド:ココウ
□――――――――――――――――――――□
レベル30で、ギルド入会済み? それでなんで、こんな初心者パーティーに声を掛けてるんだ? ダンジョン商会内にいたのなら、俺達が初心者だってわかるよな。いや、ステータスを見れば一目瞭然だけど。
「自分のギルドの人と行ったら?」
俺が答える前に、リラさんが答えた。まあ俺としてもそう思うけど。
「ギルドは、俺一人なんだ。だから一緒に行くやつがいない」
「一人かぁ。だったら入る?」
「やめときなよ」
速攻リラさんが、俺に言った。
まあ、貰えるポイントが減るからね。
「もう、そんなにポイントにこだわるなら、あなたが抜ければいいでしょ?」
驚く事をミチさんが言った。ミチさんも結構、気が強いみたいだ。
「あらなぜ私が抜けないといけないの?」
「なぜって……」
「あー、もう、喧嘩しない! 5人で行こう。いいよね!」
俺がそう言うと、ため息をついてリラさんが頷いた。
「宜しく」
スーセンチさんも結構図太いよな。自分が入るって言ったから言い争いになったのに……。はぁ。ダンジョン攻略前から疲れたよ。